その他の法律・ガイドライン・情報倫理
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス Ver.6.5 の小分類 7「その他の法律・ガイドライン・情報倫理」(大分類 1:企業と法務/中分類 2:法務)。
2026-08-05 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
ここは法律で決まっていないことも守るという話が中心です。
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| コンプライアンス | 法律だけでなく、社内規程や倫理・社会規範まで守ること |
| コーポレートガバナンス | 経営が健全に行われるよう監視・統制する仕組み |
コンプライアンスは「守る側」の話、コーポレートガバナンスは「監視する側」の話です。
守らせるための仕組みがガバナンス、と考えると取り違えません。
後半の情報倫理では、ネットで情報が歪む仕組み(エコーチェンバー・フィルターバブル)が
繰り返し問われます。
1. コンプライアンス
根拠: シラバス 1-2-7
コンプライアンスとは? 法令遵守との違いは?
法律だけでなく、社内規程・倫理規定・社会規範まで含めて守ること
法律さえ守ればよい、ではないのが要点。
法律に触れなくても社会から非難される行為は、コンプライアンス違反になりうる。
「ビジネスと人権」とは?
企業活動が人権に与える影響に責任を持つべきだ、という国際的な考え方
自社だけでなくサプライチェーン全体(取引先の労働環境など)が対象になる。
国連の指導原則にもとづく。
ハラスメントとは? 代表的なものは?
相手の尊厳を傷つけ、就業環境を害する言動
パワーハラスメント(優越的な関係を背景とした言動)、
セクシュアルハラスメントなどがある。
行為者にその意図が無くても成立しうる(受け手の受け止めが基準になる)。
2. 情報倫理
根拠: シラバス 1-2-7
ネット上で守るべきことと、情報が歪む仕組みです。
ネチケット(ネットマナー)とは?
ネットワーク上での、法律にはなっていないが守るべき礼儀
相手が見えないことによる誤解を避ける配慮が中心。
企業が従業員向けに、SNS 利用の指針として定めるのが
ソーシャルメディアポリシー(ソーシャルメディアガイドライン)。
情報流通プラットフォーム対処法とは?
SNS などで権利侵害情報が流通したときの、削除対応を定めた法律
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| 発信者情報開示請求 | 被害者が、投稿者を特定するための情報の開示を求める |
| 送信防止措置依頼 | 投稿の削除など、送信を防ぐ措置を求める |
侵害情報の削除手続の迅速化及び運用状況の透明化が図られている点が特徴で、
プロバイダ責任制限法を改正・改称したもの。
データのねつ造・改ざん・盗用の違いは?
| 何をすることか | |
|---|---|
| ねつ造 | 存在しないデータを作り出す |
| 改ざん | 実際のデータを書き換える |
| 盗用 | 他人のデータや成果を自分のものとして使う |
研究や業務における不正行為の代表例。無い物を作るか、有る物を変えるか、他人の物を取るか。
エコーチェンバーとフィルターバブルの違いは?
| なぜ偏るか | |
|---|---|
| エコーチェンバー | 似た意見の人だけと交流するため、同じ意見が反響して増幅される |
| フィルターバブル | アルゴリズムが好みに合う情報だけを見せるため、他の情報に触れなくなる |
人の集まり方のせい(エコーチェンバー)か、システムの選別のせい(フィルターバブル)かが分かれ目。
フェイクニュースへの対抗手段は?
ファクトチェック = 情報が事実かどうかを、根拠に当たって検証すること
拡散する前に一次情報を確かめるのが基本。
同種の問題に、根拠のない情報を連鎖的に転送させるチェーンメール、
特定の属性の人々を攻撃するヘイトスピーチがある。
デジタルタトゥーとは?
いったんネット上に公開された情報が、消しても残り続けること
複製や引用が拡散するため、完全な削除は事実上できない。
就職や人間関係に長く影響しうる。
有害サイトアクセス制限の代表的な手段は?
| 手段 | 内容 |
|---|---|
| フィルタリング | 有害と判断されるサイトへの接続を遮断する |
| ペアレンタルコントロール | 保護者が子どもの利用範囲・時間を制限する |
未成年の利用を守るための仕組み。
ELSI とは?
倫理的・法的・社会的な課題(ELSI:Ethical, Legal and Social Issues)
新しい技術が、技術的に可能であっても
倫理・法律・社会の観点から問題を生じないかを検討すべきだという考え方。
AI が学習に使うデータや生成物の扱いは、まさにこの論点になる。
3. コーポレートガバナンス
根拠: シラバス 1-2-7
コーポレートガバナンスとは?
経営が健全に行われるよう、監視し統制する仕組み
社外取締役の設置や監査役会など。
経営者を監視するのが目的で、経営者が自ら守る話(コンプライアンス)とは向きが逆。
公益通報者保護法とは?
組織の不正を通報した労働者を、解雇などの不利益な扱いから守る法律
内部告発をためらわせないことで、不正を早く表に出す狙い。
内部統制報告制度とは?
上場企業が、財務報告の信頼性を確保する内部統制の有効性を自ら評価し、
報告書として提出する制度
金融商品取引法にもとづく。
4. 情報公開と環境関連法
根拠: シラバス 1-2-7
情報公開法とは? 誰が請求できるか?
行政機関が保有する文書の開示を請求できる制度を定めた法律
誰でも請求できる(利害関係や理由は不要。国籍も問わない)。
対象は行政機関が作成・取得した文書。
環境に関する代表的な法律を 3 つ挙げよ。
| 法律 | 何を定めるか |
|---|---|
| 廃棄物処理法 | 廃棄物の適正な処理(排出事業者の責任) |
| リサイクル法 | 使用済み製品の回収と再資源化 |
| GX推進法 | 脱炭素社会へ向けた成長型経済構造への移行を推進する |
IT 機器の廃棄も廃棄物処理法・リサイクル法の対象になる
(記憶装置は廃棄前にデータを消去する必要がある)。