文字の変化と仮名
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
日本語には、もともと文字がありませんでした。中国から伝わった漢字を借りて日本語を書く工夫から、
万葉仮名が生まれ、それを省いたり崩したりして片仮名と平仮名ができました。
書き方の決まり(仮名遣い・字体)も、言葉の意味も、時代とともに移り変わっています。
| 文字 | でき方 | 主な使い手・場面 |
|---|---|---|
| 漢字 | 中国から伝来 | 公の文書・歴史書・漢詩文 |
| 万葉仮名 | 漢字の音や訓を借りて、日本語の音を 1 字ずつ表す | 万葉集・古事記の歌謡 |
| 片仮名 | 漢字の一部を取る(阿→ア、伊→イ、加→カ) | 僧や学者が漢文を訓読する書き込み |
| 平仮名 | 万葉仮名の草書体をさらに崩す(安→あ、以→い、加→か) | 和歌、女性の物語・日記 |
分かれ目は次の 3 つ。
- 片仮名は「一部を取る」、平仮名は「全体を崩す」。元の漢字が同じでも(加→カ・か)でき方が違う。
- 歴史的仮名遣いは、平安時代の中ごろの発音に基づく書き方。今の発音とずれているので読み替える。
- 今も使う言葉ほど意味が変わっていて危ない(うつくし・かなし)。
1. 漢字から仮名へ
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-エ
漢字は、音(中国語での読み)と訓(日本語の意味をあてた読み)の両方で使われました。
意味とは関係なく音だけを借りて日本語を書いたのが万葉仮名で、その万葉仮名から片仮名と平仮名が生まれます。
漢字の意味とは関係なく、その音や訓だけを借りて日本語の音を表した文字を何というか?
万葉仮名
万葉集で多く使われたのでこう呼ぶ。(例)「夜麻」で「やま」、「波流」で「はる」。
片仮名は、漢字をどうして作られたか? また、もともと何のために使われたか?
漢字の一部(偏や旁など)を取って作られた。
僧や学者が漢文を訓読するとき、行間に読み方や送り仮名を書き込むために使われた。(例)阿→ア、伊→イ。
平仮名は、漢字をどうして作られたか? また、平安時代に何を支えたか?
万葉仮名の草書体をさらに崩して作られた。
「女手」とも呼ばれ、和歌や女性の物語・日記を支えた。(例)安→あ、以→い。
平仮名「あ」と片仮名「ア」の元になった漢字はそれぞれ何か?
「あ」は安、「ア」は阿。
元の漢字が違うこともあれば、「か」「カ」(どちらも加)のように同じこともある。
2. 歴史的仮名遣いと現代仮名遣い
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-エ
古典は歴史的仮名遣いで書かれています。これは平安時代の中ごろの発音をもとにした書き方で、
その後、発音が変わっても書き方は残りました。今の発音どおりに書くのが現代仮名遣いで、第二次世界大戦の後に定められました。
| 歴史的仮名遣い | 読み方 | 例 |
|---|---|---|
| 語の頭以外のは・ひ・ふ・へ・ほ | わ・い・う・え・お | いふ→いう、かはづ→かわず |
| ゐ・ゑ・を | い・え・お | ゐなか→いなか、こゑ→こえ |
| ぢ・づ | じ・ず | もみぢ→もみじ |
| くわ・ぐわ | か・が | くわし(菓子)→かし |
| 母音 au・iu・eu | ô・yû・yô | やうやう→ようよう、うつくしう→うつくしゅう、けふ→きょう |
| 助動詞・助詞の「む」 | ん | 行かむ→行かん |
歴史的仮名遣いで、語の頭以外にある「は・ひ・ふ・へ・ほ」はどう読むか?
わ・い・う・え・おと読む。
(例)いふ→いう、思ふ→おもう、かほ→かお。
歴史的仮名遣いの「やうやう」「けふ」は、現代仮名遣いでどう書くか?
ようよう、きょう
「アウ」の音は「オー」、「エウ」の音は「ヨー」と読む。
古典で使われる、平安時代の中ごろの発音をもとにした仮名遣いと、今の発音どおりに書く仮名遣いをそれぞれ何というか?
歴史的仮名遣いと現代仮名遣い
現代仮名遣いは第二次世界大戦後に定められた。
3. 旧字体と新字体
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-エ
漢字の形も戦後に整理され、画数の多い字の多くが簡単な形に改められました。
改める前の形を旧字体、改めた後の形を新字体といいます。古い本や人名・地名には旧字体が残っています。
戦後に漢字の形が整理される前の字体と、整理された後の字体をそれぞれ何というか?
旧字体と新字体
(例)國→国、學→学、體→体、氣→気、聲→声。
旧字体「舊」「發」「會」を新字体に直すと?
旧・発・会
4. 古典の言葉と現代の言葉のつながり
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-エ
今も使う言葉の多くは古語から続いていますが、途中で意味が移り変わったものがあります。
また、都で使われなくなった古い言葉が、地方の方言に残っていることもあります。
古語「うつくし」は、どういう意味から、今のどういう意味へ移り変わったか?
小さいものをかわいいと思う意味から、見た目が整っていてきれいだという意味へ移った。
枕草子の「うつくしきもの」は「かわいらしいもの」の意味。
古語「かなし」は「愛し」とも「悲し」とも書かれた。二つに共通する気持ちは何で、今はどちらの意味が残ったか?
身にしみて強く心を動かされる気持ちが共通。今は「悲しい」の意味だけが残った。
いとしさで胸がいっぱいになるのも、悲しみで胸がいっぱいになるのも、同じ「かなし」で表した。
上代の古語「めぐし(いとおしい・かわいい)」とつながるとされる、東北地方などで今も使われる方言は?
めんこい(めごい)
都では使われなくなった言葉が、方言として地方に残っている例。
「新しい」という語は、もともと「あらたし」だった。一方、古語の「あたらし」はどういう意味か?
惜しい・もったいない
よく似た「あらたし」と「あたらし」が混ざり、「新しい」を「あたらしい」と読むようになった。