接続助詞
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
接続助詞は、活用語について前後の文をつなぎ、つながり方(条件・理由・逆接など)を示す助詞です。
古文では、上の語の活用形によって同じ助詞の意味が変わるものがあり、そこがいちばん問われます。
| 助詞 | 接続 | 意味 | 訳 |
|---|---|---|---|
| ば | 未然形 | 順接の仮定条件 | もし〜ならば |
| ば | 已然形 | 順接の確定条件(原因・理由/偶然/恒常) | 〜ので/〜すると・〜したところ/〜するといつも |
| とも | 終止形 | 逆接の仮定条件 | たとえ〜ても |
| ど・ども | 已然形 | 逆接の確定条件 | 〜けれども |
| を・に・が | 連体形 | 順接・逆接・単純接続 | 〜ので/〜のに/〜すると・〜が |
| て・して | 連用形 | 単純接続 | 〜て |
| で | 未然形 | 打消接続 | 〜ないで |
| つつ | 連用形 | 反復・継続・同時 | 〜しては・〜し続けて・〜しながら |
| ながら | 連用形・体言 | 同時・逆接 | 〜しながら・〜のに |
分かれ目は次の 3 つ。
- 「ば」は未然形につけば仮定、已然形につけば確定。同じ動詞でも「降らば」と「降れば」で意味が違う。
- 仮定の逆接は「とも」、確定の逆接は「ど・ども」。
- 「で」は打消。「知らで」は「知って」ではなく「知らないで」。
1. 「ば」の仮定と確定
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
口語の「降れば」は仮定ですが、古文の「降れば」はすでに降っていることを表します。
古文の仮定は「降らば」と未然形で言います。これは 01 で見た「已然形」という名前のとおりです。
「未然形+ば」は何を表すか? どう訳すか?
順接の仮定条件。「もし〜ならば」と訳す
雨降らば、行かじ。(もし雨が降るならば、行くまい。)
「已然形+ば」が表す 3 つの意味は?
原因・理由(〜ので)、偶然(〜すると・〜したところ)、恒常(〜するといつも)
どれも順接の確定条件。文脈でどれかに決める。
「雨降れば、行かず。」の「降れば」はどう訳すか?
雨が降るので(已然形+ば=原因・理由)
すでに降っていることを表す。「もし降れば」と訳すのは誤り。
「戸を開くれば、月出でたり。」の「ば」の意味は?
偶然条件(〜したところ)
戸を開けたところ、月が出ていた。前の動作のあとに、たまたま後のことが見つかる。
「春来れば、花咲く。」のように、いつもそうなることを表す「已然形+ば」を何というか?
恒常条件(〜するといつも)
春が来るといつも花が咲く。
2. 逆接の「ど・ども」「とも」
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
逆接も、仮定か確定かで助詞が分かれます。「とも」は終止形、「ど・ども」は已然形につきます。
接続助詞「ど・ども」の接続と意味は?
已然形につき、逆接の確定条件(〜けれども)を表す
呼べども答へず。(呼んだけれども答えない。)
接続助詞「とも」の接続と意味は?
終止形(形容詞は連用形)につき、逆接の仮定条件(たとえ〜ても)を表す
雨降るとも行かむ。(たとえ雨が降っても行こう。)
3. 「を・に・が」と「て・して・で」
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
「を・に・が」は連体形につき、順接にも逆接にもなります。形だけでは決まらないので、前後の内容の関係で訳を決めます。
「で」は「ずて」がつまった形と言われ、打消を含みます。
連体形につく接続助詞「を・に・が」は、どういう意味を表すか?
順接(〜ので)・逆接(〜のに)・単純接続(〜すると・〜が)
形では決まらないので、前後の関係から判断する。
接続助詞「て」「して」は、どういう意味でつなぐか?
単純接続(〜て)
「て」は連用形につく。「して」は形容詞・形容動詞や打消「ず」の連用形につく(若くして、あらずして)。
接続助詞「で」の接続と意味は?
未然形につき、打消接続(〜ないで)を表す
知らで過ぎぬ。(知らないで過ぎた。)
4. 「つつ」と「ながら」
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
「つつ」は動作がくり返されたり続いたりすることを、「ながら」は 2 つのことが同時にあることを表します。
「ながら」には、今の「〜ながらも」と同じ逆接もあります。
『竹取物語』の「野山にまじりて竹を取りつつ」の「つつ」の意味は?
反復・継続(〜しては・〜し続けて)
野山に分け入って竹を取っては。接続助詞「つつ」は反復・継続・同時を表す。
「身はいやしながら」の「ながら」の意味は?
逆接(〜けれども・〜のに)
身分は低いけれども。「ながら」は同時(〜しながら)のほか、逆接を表す。