形容詞と形容動詞
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
古文の形容詞は終止形が「〜し」、形容動詞は「〜なり」「〜たり」で終わります。
どちらも、ふつうの活用(本活用)と、助動詞に続けるための補助活用の 2 列を持ちます。
| 種類 | 例 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 形容詞ク活用(本活用) | 高し | (く) | く | し | き | けれ | ○ |
| 同・補助活用(カリ活用) | から | かり | ○ | かる | ○ | かれ | |
| 形容詞シク活用(本活用) | うつくし | (しく) | しく | し | しき | しけれ | ○ |
| 同・補助活用(シカリ活用) | しから | しかり | ○ | しかる | ○ | しかれ | |
| 形容動詞ナリ活用 | 静かなり | なら | なり/に | なり | なる | なれ | なれ |
| 形容動詞タリ活用 | 堂々たり | たら | たり/と | たり | たる | たれ | たれ |
分かれ目は次の 3 つ。
- ク活用かシク活用かは「なる」をつけて見分ける(高く・なる → ク、うつくしく・なる → シク)。
- 補助活用は、下に助動詞が続くときに使う(高から・ず、高かり・けり)。
- タリ活用は、漢語(音読みの語)について堂々と・悠然とした様子を表す。和語の形容動詞はナリ活用。
1. 形容詞のク活用とシク活用
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
形容詞は語尾の形で 2 種類に分かれます。終止形はどちらも「〜し」なので、終止形だけでは見分けられません。
形容詞のク活用とシク活用は、どうやって見分けるか?
「なる」をつけて、「〜くなる」ならク活用、「〜しくなる」ならシク活用
高し → 高くなる(ク活用)、をかし → をかしくなる(シク活用)。
形容詞「うつくし」の活用の種類は?
シク活用
「うつくしく・なる」。語幹は「うつく」で、語尾が「しく・しく・し・しき・しけれ」と変わる。
古文の形容詞の終止形と已然形の語尾は?
終止形は「し」、已然形は「けれ」(シク活用は「しけれ」)
高し・高けれ、うつくし・うつくしけれ。口語の「高い」「高けれ(ば)」にあたる。
2. 補助活用(カリ活用)
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
形容詞の本活用には、助動詞を続けにくい形があります。そこで連用形「く」に「あり」が付いて縮んだ
「かり(から・かり・かる・かれ)」の列ができました。これを補助活用(カリ活用)といいます。
形容詞の補助活用(カリ活用)は、どんなときに使うか?
下に助動詞が続くとき
高から・ず、高かり・けり。本活用のままでは「高く・ず」とは言えない。
形容詞の補助活用は、どうやってできた形か?
連用形「〜く」に動詞「あり」が付いて縮んだ形
高く+あり → 高かり。だから語尾がラ変「あり」と同じように「から・かり・かる・かれ」と変わる。
「よからず」の「よから」は、どの語の何形か?
形容詞「よし」の補助活用の未然形
打消の助動詞「ず」に続くので、補助活用の「から」を使っている。
3. 形容動詞のナリ活用とタリ活用
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
形容動詞は、「静かに+あり」「堂々と+あり」が縮んでできた語で、活用はラ変「あり」とよく似ています。
古文の形容動詞の活用の種類を 2 つ挙げると?
ナリ活用とタリ活用
静かなり(ナリ活用)、堂々たり(タリ活用)。
ナリ活用の形容動詞の連用形を 2 つ挙げると?
「〜なり」と「〜に」
静かなり・けり(助動詞に続く)、静かに・歩む(用言に続く)。
タリ活用の形容動詞は、どんな語について作られるか?
漢語(音読みの語)
堂々たり・漫々たり・悠然たり。連用形は「たり」と「と」(堂々と)。
4. 語幹の用法
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
形容詞・形容動詞は、活用語尾を付けない語幹だけで使われることがあります。
とくに和歌の「〜を+語幹+み」は、読み違えると歌の意味が取れません。
「あな、めでた」「あな、かしこ」のように、形容詞の語幹を使う言い方は何を表すか?
感動(ああ、すばらしい・ああ、恐れ多い)
感動詞「あな」と語幹で、心が動いた瞬間を短く言い切る。
和歌の「〜を+形容詞の語幹+み」(瀬を早み)は、どういう意味を表すか?
原因・理由(〜が…なので)
「瀬を早み」=川瀬の流れが速いので。「瀬を」が主語にあたり、「み」は原因を表す接尾語。