動詞の見分け方
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
9 種類の活用のうち、属する語が多いのは四段・上二段・下二段の 3 つだけです。
残りの 6 種類は語の数が少ないので、先に覚えてしまい、それ以外を「ず」で見分けます。
| 見分け方 | 活用の種類 | 語 |
|---|---|---|
| 覚える | 上一段 | 干る・射る・鋳る・着る・煮る・似る・見る・居る・率る(と、その複合語:試みる・顧みる・用ゐる など) |
| 覚える | 下一段 | 蹴る(1 語だけ) |
| 覚える | カ変 | 来 |
| 覚える | サ変 | す・おはす(と、「念ず」「具す」のような複合語) |
| 覚える | ナ変 | 死ぬ・往ぬ(去ぬ) |
| 覚える | ラ変 | あり・をり・はべり・いまそかり |
| 「ず」をつける | 四段・上二段・下二段 | 未然形の語尾がア段・イ段・エ段のどれかで決まる |
分かれ目は次の 3 つ。
- 覚える 6 種類に入っていなければ、「ず」をつけて未然形の語尾の段を見る。
- 「見ず」「着ず」もイ段だが上二段ではない。上一段は覚える語なので、先に除いておく。
- ア行に活用するのは「得」「心得」「所得」だけ。「老ゆ」はヤ行、「植う」はワ行で、ア行ではない。
1. 「ず」をつけて見分ける
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
打消の「ず」は未然形につくので、動詞に「ず」をつけると未然形の語尾が出てきます。
その語尾がア段なら四段、イ段なら上二段、エ段なら下二段です。
覚える 6 種類に入らない動詞の活用の種類は、どうやって見分けるか?
「ず」をつけて、未然形の語尾の段を見る
ア段なら四段、イ段なら上二段、エ段なら下二段。
動詞「思ふ」の活用の種類は?
ハ行四段活用
「思は・ず」で語尾がア段。
動詞「過ぐ」の活用の種類は?
ガ行上二段活用
「過ぎ・ず」で語尾がイ段。
動詞「捨つ」の活用の種類は?
タ行下二段活用
「捨て・ず」で語尾がエ段。
「見ず」は語尾がイ段なのに、「見る」が上二段活用でないのはなぜか?
「見る」は上一段活用として覚える語だから
上一段は語尾がいつもイ段(み・み・みる・みる・みれ・みよ)で、終止形が「見る」。上二段なら終止形はウ段で終わる(起く)。
2. 数の少ない種類は覚える
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
上一段の語は、語幹と語尾の区別がない 1 音の動詞がほとんどです。
ラ変の「いまそかり」は「あり」「をり」の尊敬語で、「いますかり」「いまそがり」とも書きます。
上一段活用の動詞を、「ひ・い・き・に・み・ゐ」の順に挙げると?
干る・射る(鋳る)・着る・煮る(似る)・見る・居る(率る)
これに「試みる」「顧みる」「用ゐる」など、見る・居るを含む複合語が加わる。
下一段活用の動詞は?
蹴る(1 語だけ)
け・け・ける・ける・けれ・けよ。
サ行変格活用の動詞は?
す・おはす
「念ず」「具す」「御覧ず」のように、名詞などに「す」が付いた複合語もサ変になる。
ナ行変格活用の動詞は?
死ぬ・往ぬ(去ぬ)
この 2 語だけ。「往ぬ」は「行ってしまう・去る」の意味。
ラ行変格活用の動詞を 4 つ挙げると?
あり・をり・はべり・いまそかり
「いまそかり」は「いますかり」とも書く。
3. ア行・ヤ行・ワ行の動詞
根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ
ア行・ヤ行・ワ行は、歴史的仮名遣いでは「い・ゐ」「え・ゑ」のように別の字で書き分けるので、行を取り違えやすい。
どの行か問われるものは、少数なので覚えます。
ア行に活用する動詞は?
得・心得・所得(ア行下二段活用)
え・え・う・うる・うれ・えよ。ア行の動詞はこの 3 語だけ。
ヤ行上二段活用の代表的な動詞を 3 つ挙げると?
老ゆ・悔ゆ・報ゆ
老い・老い・老ゆ・老ゆる・老ゆれ・老いよ。「老い」の「い」はヤ行のイ。
ワ行下二段活用の動詞を 3 つ挙げると?
植う・飢う・据う
植ゑ・植ゑ・植う・植うる・植うれ・植ゑよ。未然形・連用形は「ゑ」と書く。
上一段活用「居る」「率る」は何行に活用するか?
ワ行(ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ)
「い」ではなく「ゐ」と書く。