みならいノート

言語文化 2027年度版

平安貴族の暮らし

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

0. どういうまとまりか

古文の多くは、平安時代の貴族社会で書かれ、その社会を舞台にしています。書き手は読み手が当然知っていることを書きません。
今の私たちが知らない習慣は、文には書かれないまま筋を動かしています。

まとまり 中身 読むときに効くところ
結婚と恋 通い婚・後朝・垣間見・和歌の贈答 男が夜に訪れ、朝に帰る。恋は和歌で進む
信仰と禁忌 方違え・物忌・陰陽師・出家 行き先を変える、家にこもる理由になる
身分と仕事 官位・女房・内裏と後宮 敬語の重さ、誰が誰に仕えているか
人生の節目 元服・裳着 成人して結婚や出仕ができるようになる
住まい 寝殿造・几帳・簾 女性は奥にいて、顔を見せない
暦と時刻 陰暦・月の呼び名・十二支 季節の言葉、夜の時刻、方角

分かれ目は次の 3 つ。

1. 結婚と恋

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-イ

古文の恋の場面は、今の恋愛とは段取りが違います。この文化的背景を知っていると、
「夜が明ける前に帰る」「翌朝に手紙を送る」といった場面の意味がすぐに分かります。
男性は女性の家に夜に通い、夜明け前に帰ります。夫婦は同じ家に住まないのがふつうでした。

平安貴族の結婚で、夫が夜に妻の家へ通い、夫婦が同じ家に住まない形を何というか?

通い婚(妻問婚)
男性が夜に女性の家を訪れ、夜明け前に帰る。通いが途絶えることは、関係が終わることを意味した。

「後朝(きぬぎぬ)」とは何か?

男女が一夜を共にした翌朝(の別れ)
男性は帰ってからすぐに「後朝の文(ふみ)」という手紙や和歌を女性に送るのが礼儀だった。

「垣間見(かいまみ)」とは何か?

物のすきまから、こっそりのぞき見ること
女性は人に顔を見せないので、男性が垣根や簾のすきまから女性を見ることが恋の始まりになる。

恋の気持ちは和歌の贈答で伝え合いました。歌の出来や筆跡、紙の選び方まで、相手の人柄を知る手がかりにされました。

2. 信仰と禁忌

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-イ

平安の人々は、方角や日の吉凶を強く気にしました。出かける日を変えたり、家にこもったりするのは、
怠けているのではなく、災いを避けるためのきまりです。

「方違え(かたたがえ)」とは何か?

行き先の方角が悪いとき、前日に別の方角の家に泊まり、方角を変えてから目的地へ行くこと
方違えで他人の家に泊まることが、物語の出会いのきっかけにもなる。

「物忌(ものいみ)」とは何か?

悪い夢や占いの結果を受けて、一定の間、家にこもって身を慎むこと
物忌の間は人に会わず、手紙も受け取らないことがある。

方違えや物忌を判断したのは、占い・暦・天文を受け持つ陰陽寮の官人、陰陽師です。

古文で「世を捨つ」「様(さま)を変ふ」「頭(かしら)おろす」は何をすることか?

出家(俗世を捨てて仏門に入ること)
髪をそって僧や尼になる。死や別れ、失意の場面でよく出てくる。

3. 身分と住まい

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-イ

誰がどの地位にいるかで、敬語の使い方も、話の中での重さも変わります。官職の上下をおおまかに押さえます。

地位 中身
摂政・関白 摂政は幼い天皇に代わって、関白は成人した天皇を補佐して政治を行う
大臣 太政大臣・左大臣・右大臣など
上達部(かんだちめ) 大臣・大納言・中納言・参議など、三位以上(と四位の参議)
殿上人 清涼殿の殿上の間に昇ることを許された人
蔵人 天皇のそばに仕え、取り次ぎや身の回りの用を務める
受領 任国に赴いて実際に政治を行う国司の長官(守)

成人した天皇を補佐して政治を行う、臣下の最高の地位を何というか?

関白
天皇が幼いときに代わりに政治を行うのは摂政。藤原氏がこの地位を独占した(摂関政治)。

平安時代の官職で、任国に実際に赴いてその国を治めた国司の長官を何というか?

受領(ずりょう)
中流貴族で、任国で富を蓄えることができた。清少納言・紫式部の父も受領を務めた。

宮中や貴族の家に仕え、自分の部屋(房)を与えられた女性を何というか?

女房
清少納言は中宮定子に、紫式部は中宮彰子に女房として仕えた。女房が宮仕えの経験から多くの作品を書いた。

天皇の住む御殿の区域を内裏、そのうち后や女御たちが住む殿舎(弘徽殿・藤壺など)の区域を後宮といいます。

平安時代の男子と女子の成人の儀式をそれぞれ何というか?

男子は元服(初めて冠をつける)、女子は裳着(もぎ)(初めて裳をつける)。
成人すると結婚や宮仕えができるようになる。

寝殿造の室内で、女性が姿を隠すために使った、台に柱を立てて布を垂らした移動式の仕切りを何というか?

几帳(きちょう)
さらに外側には簾(すだれ・御簾)を下ろす。女性はこの奥にいて、男性とは簾ごしに話す。

4. 暦・時刻・方角

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-イ

平安時代は月の満ち欠けで日を数える陰暦(太陰太陽暦)です。十五日が満月(望月)で、そこから月の出が毎晩遅くなるので、
月の出を待つ姿で名前が付いています。

陰暦の日 月の名前 名前の由来
十五日 望月(十五夜) 満月
十六日 十六夜(いざよい) ためらう(いさよふ)ように少し遅れて出る
十七日 立待月 立って待つうちに出る
十八日 居待月 座って待つうちに出る
十九日 寝待月(臥待月) 寝て待つほど遅く出る
二十日 更待月 夜が更けてから出る

時刻と方角は、どちらも十二支で表します。一日を 12 に分けて 1 つの刻を 2 時間とし、子の刻が真夜中、午の刻が真昼です。
方角は子が北、卯が東、午が南、酉が西です。

季節 陰暦の月 月の異名
春 一・二・三月 睦月・如月・弥生
夏 四・五・六月 卯月・皐月・水無月
秋 七・八・九月 文月・葉月・長月
冬 十・十一・十二月 神無月・霜月・師走

陰暦で、春・夏・秋・冬はそれぞれ何月にあたるか?

春は一〜三月、夏は四〜六月、秋は七〜九月、冬は十〜十二月
陰暦の一月は今の二月ごろにあたるので、季節の区切りが今の感覚より 1 か月ほど早い。七夕(七月七日)はもう秋の行事になる。

陰暦十六日の夜の月を何というか? その名の由来は?

十六夜(いざよい)
満月の翌晩で、月の出が少し遅れる。ためらう意味の「いさよふ」から。

陰暦十七日・十八日・十九日の月を、月の出を待つ姿からそれぞれ何というか?

十七日は立待月、十八日は居待月、十九日は寝待月(臥待月)
二十日の月は、夜が更けてから出るので更待月という。

十二支で表す時刻で、「子(ね)の刻」と「午(うま)の刻」はそれぞれいつごろか?

子の刻は真夜中(午前零時ごろ)、午の刻は真昼(正午ごろ)
「正午」「午前」「午後」の「午」はここから来ている。

北東(丑と寅の間、艮)は鬼が出入りする鬼門として忌まれました。

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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