みならいノート

言語文化 2027年度版

否定の句法

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

0. どういうまとまりか

漢文の否定は、何を打ち消すかで字が分かれます。さらに否定を 2 つ重ねると強い肯定に、
否定の字と副詞(常・倶 など)の順序を入れ替えると「全部ではない」と「全部〜ない」に分かれます。

字 読み 意味
不・弗 ず 〜しない(動作・状態の打消)
非・匪 あらズ 〜ではない(名詞・判断の打消)
無・莫・毋 なシ 〜がない(存在の打消)
勿・毋・莫・無 なカレ 〜するな(禁止)
未 いまダ〜ず まだ〜しない(再読文字)

分かれ目は次の 3 つ。

1. 否定の字

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ

書き下しでは、「不・弗」は助動詞「ず」なのでひらがなに、「非」「無」は動詞・形容詞なので漢字のまま残します。

否定の字「不」「弗」の読みと意味は?

ず(〜しない)
例: 「不㆑知」→「知らず」(知らない)。書き下しでは助動詞なので「ず」とひらがなにする。

否定の字「非」の読みと意味は?

あらズ(〜ではない)。名詞や判断を打ち消す。
例: 子非魚、安知魚之楽 →「子は魚に非ず、安くんぞ魚の楽しみを知らんや」(君は魚ではない、どうして魚の楽しみが分かろうか)。荘子「秋水」。

否定の字「無」「莫」を「なシ」と読むとき、意味は?

〜がない(存在の打消)
例: 「無㆑人」→「人無し」(人がいない)。

「勿」「毋」を「なカレ」と読むとき、意味は?

〜するな(禁止)
例: 己所不欲、勿施於人 →「己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ」(自分が望まないことは、人にしてはならない)。論語「顔淵」。

2. 二重否定

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ

否定を 2 つ重ねると、強い肯定になります。訳すときは「〜しないものはない」とそのまま訳すか、「必ず〜する」と言い換えます。

二重否定「無不〜」の読みと意味は?

〜ざル(ハ)なシ(〜しないものはない=すべて〜する)
例: 「無㆓不㆑学者㆒」→「学ばざる者無し」(学ばない者はいない)。

二重否定「非不〜」の読みと意味は?

〜ざルニあらズ(〜しないのではない)
例: 城非不高也 →「城高からざるに非ざるなり」(城が高くないのではない)。孟子「公孫丑下」。

二重否定「不可不〜」の読みと意味は?

〜ざルベカラず(〜しなければならない)
例: 「不㆑可㆑不㆑学」→「学ばざるべからず」(学ばなければならない)。

二重否定「未嘗不〜」の読みと意味は?

いまダかつテ〜ずンバアラず(今まで〜しなかったことはない=いつも〜した)
例: 未嘗不歎息痛恨於桓霊也 →「未だ嘗て桓・霊に歎息痛恨せずんばあらざるなり」(桓帝・霊帝のことを嘆き恨まなかったことはなかった)。諸葛亮「出師表」。

3. 部分否定と全部否定

根拠: 学習指導要領 言語文化-(2)-ウ

否定の字と副詞(常・倶・必・甚・復 など)の順序で意味が変わります。
部分否定は、副詞の送り仮名に「ハ」を付けて「常には」「倶には」と読むのが目印です。

語順 読み 意味
不常〜(部分否定) 常には〜ず いつも〜するとは限らない
常不〜(全部否定) 常に〜ず いつも〜しない
不倶〜(部分否定) 倶には〜ず 両方とも〜するわけではない
倶不〜(全部否定) 倶に〜ず 両方とも〜しない
不必〜(部分否定) 必ずしも〜ず 必ず〜するとは限らない
必不〜(全部否定) 必ず〜ず 決して〜しない

否定の字と副詞の順序で、部分否定になるのはどちらが先のときか?

否定の字が先(不+副詞+動詞)のとき。副詞が先なら全部否定。
部分否定では副詞に「ハ」を送り、「常には〜ず」「倶には〜ず」と読む。

部分否定「不常〜」の読みと意味は?

常には〜ず(いつも〜するとは限らない)
例: 千里馬常有、而伯楽不常有 →「千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず」(名馬はいつもいるが、名馬を見抜く人はいつもいるとは限らない)。韓愈「雑説」。

全部否定「常不〜」の読みと意味は?

常に〜ず(いつも〜しない)
例: 「常不㆑怒」→「常に怒らず」(いつも怒らない)。

部分否定「不倶〜」の読みと意味は?

倶には〜ず(両方とも〜するわけではない)
例: 今両虎共闘、其勢不倶生 →「今両虎共に闘はば、其の勢ひ倶には生きず」(今二頭の虎が闘えば、どちらも生き残るというわけにはいかない)。史記「廉頗藺相如列伝」。

全部否定「倶不〜」の読みと意味は?

倶に〜ず(両方とも〜しない)
例: 「倶不㆑生」→「倶に生きず」(両方とも生きない)。

このノートの 13 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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