翻訳
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (3) ア (ア) ㋐「遺伝情報とその発現」。
内容の取扱いは「『遺伝子の発現の仕組み』については、転写及び翻訳を扱い、RNA ポリメラーゼと
リボソームに触れること」を求めている。
0. どういう論点か
翻訳 は、mRNA の塩基配列をアミノ酸の並びに読み替える反応です。
場所は リボソーム、読み替えの規則は 3 塩基で 1 アミノ酸。
| 用語 | どこにあるか | 何を指すか |
|---|---|---|
| コドン | mRNA | 3 つ組の塩基(アミノ酸 1 個に対応) |
| アンチコドン | tRNA | コドンと相補的に結合する 3 つ組 |
| トリプレット | DNA | もとになる DNA 側の 3 つ組 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- コドンは 64 通り、アミノ酸は 20 種類(だから 1 つのアミノ酸に複数のコドンがある)
- 開始コドンはメチオニンも指定する(AUG は 2 つの役割を持つ)
- 終止コドンに対応するアミノ酸は無い(tRNA が結合せず、そこで終わる)
1. 翻訳のしくみ
根拠: 学習指導要領 生物-(3)-ア-(ア)-㋐
mRNA の情報をもとにアミノ酸をつなげ、タンパク質を作ることを何という?
翻訳
塩基の言葉をアミノ酸の言葉に「訳す」ことからこう呼ばれる。
翻訳が行われる場所は?
リボソーム
rRNA とタンパク質からなり、mRNA の上を移動しながら合成を進める。
mRNA の 3 つの塩基の並びを何という? それが指定するものは?
コドン。アミノ酸 1 個を指定する
3 塩基で 1 アミノ酸という対応が、すべての生物でほぼ共通。
アミノ酸を運んでくる RNA は? mRNA と結合する部分の名前は?
tRNA(運搬 RNA)。結合する部分はアンチコドン
コドンと相補的な 3 塩基をもつ。
コドンは何通りある? アミノ酸は何種類?
コドンは 64 通り、アミノ酸は 20 種類
4 × 4 × 4 = 64。数が合わないので、1 つのアミノ酸に複数のコドンが対応する。
翻訳が始まるコドンは? そのとき指定されるアミノ酸は?
AUG(開始コドン)。指定されるのはメチオニン
開始の合図と、アミノ酸の指定を兼ねている。
終止コドンは、どんなアミノ酸を指定する?
指定しない
対応する tRNA が無く、そこで翻訳が終わってポリペプチドが放出される。
コドンが 2 塩基では足りないと分かるのはなぜ?
4 × 4 = 16 通りしかなく、20 種類のアミノ酸を指定できないから
3 塩基なら 64 通りで足りる。
2. 翻訳の進み方
根拠: 学習指導要領 生物-(3)-ア-(ア)-㋐
リボソームは mRNA の上をどう動く?
開始コドンから終止コドンへ向かって、3 塩基ずつ移動する
移動に合わせて tRNA が次々にアミノ酸を運んでくる。
運ばれてきたアミノ酸どうしは、どんな結合でつながる?
ペプチド結合
つながった鎖がポリペプチドで、折りたたまれてタンパク質になる。
役目を終えた tRNA はどうなる?
リボソームから離れ、再びアミノ酸を運ぶのに使われる
使い捨てではない。
1 本の mRNA に、リボソームは 1 個だけ付く?
複数付くことがある
数珠つなぎになった状態をポリソームといい、短時間で多数のタンパク質を作れる。
できたポリペプチドは、そのまま働ける?
多くはそのままでは働けない
折りたたまれ、糖鎖の付加などの加工を受けてから機能をもつ。
原核生物では、転写が終わる前に翻訳が始まることがある。なぜ可能?
核膜が無く、転写と翻訳が同じ場所で起こるから
真核生物では核と細胞質に分かれているので起こらない。
DNA の塩基配列 TAC を鋳型にしたとき、mRNA のコドンと、それが指定するものは?
AUG。開始コドンでメチオニンを指定する
T→A、A→U、C→G と読み替える。
遺伝暗号がほぼすべての生物で共通であることは、何を示す?
すべての生物が共通の祖先に由来すること
だからヒトの遺伝子を大腸菌に入れても、同じタンパク質が作れる。