種分化
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (1) ア (イ) ㋒「進化の仕組み」。
内容の取扱いは「種分化の過程も扱うこと」を求めている。
0. どういう論点か
1 つの種が 2 つに分かれることを 種分化 といいます。
鍵は「交配できなくなること(生殖的隔離)」で、
それがどうやって成立したかの筋道が問われます。
| 型 | きっかけ | 例 |
|---|---|---|
| 異所的種分化 | 地理的隔離(山・海・川で分断) | ガラパゴスのフィンチ |
| 同所的種分化 | 同じ場所で生殖的隔離が生じる | 倍数化した植物 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 地理的隔離だけでは種分化ではない(分かれたまま交配できるなら、まだ同じ種)
- 決め手は生殖的隔離(再び出会っても子孫を残せない状態)
- 同所的種分化もある — 倍数化のように、地理的に離れずに一気に隔離が生じる場合
1. 種と生殖的隔離
根拠: 学習指導要領 生物-(1)-ア-(イ)-㋒
生物学で「種」を区別する基準としてよく使われる定義は?
自然状態で交配でき、生殖能力のある子孫を残せる集団
この基準を満たさなくなることが、種が分かれたということ。
交配や受精ができなくなる、あるいは子が生殖能力を持たなくなることを何という?
生殖的隔離
種分化が完了したかどうかは、この成立で判断する。
ウマとロバの子(ラバ)が生殖能力を持たないのは、何が成立しているから?
生殖的隔離(受精後の隔離)
交配はできても子孫が残せないので、両者は別種とされる。
繁殖期がずれる・求愛行動が通じない・花粉を運ぶ昆虫が違う。これらはどの段階の隔離?
受精前(交配前)の隔離
そもそも交配に至らないことで隔離が成立する。
2. 異所的種分化
根拠: 学習指導要領 生物-(1)-ア-(イ)-㋒
もっとも典型的な筋道です。「隔離 → 独自の変化 → 再会しても交配できない」の 3 段で覚えます。
山脈や海によって集団が分断されることを何という?
地理的隔離
遺伝子の行き来(遺伝子流動)が止まる。
地理的隔離が起きただけで、種分化は完了する?
しない
分断された集団が別々に変化し、生殖的隔離が成立してはじめて別種になる。
地理的隔離をきっかけに起こる種分化を何という?
異所的種分化
もっとも一般的な種分化の様式とされる。
分断された集団が別々に変化していくのはなぜ?
それぞれの環境で異なる自然選択を受け、遺伝的浮動も独立に働くから
行き来が無いので、生じた変異が混ざらない。
ガラパゴス諸島のフィンチで、島ごとにくちばしの形が違うのはなぜと説明される?
島ごとの餌に応じた自然選択を受けたから
地理的隔離のもとで適応放散が起きた例。
3. 同所的種分化
根拠: 学習指導要領 生物-(1)-ア-(イ)-㋒
地理的に分かれないまま種分化が起こることを何という?
同所的種分化
同じ場所にいながら生殖的隔離が生じる場合をいう。
染色体数が倍加することで、一気に生殖的隔離が成立することがある。この変化を何という?
倍数化
植物で多く見られ、同所的種分化の代表的な仕組み。
四倍体の植物と、もとの二倍体をかけ合わせると、子はどうなる?
三倍体になり、減数分裂が正常に進まないため生殖能力を持たない
このため倍数化が起きた瞬間に生殖的隔離が成立する。
食草や産卵場所の好みが変わることで、同じ場所にいても交配しなくなることがある。これは何の成立?
生殖的隔離(同所的種分化の例)
出会う機会が分かれることで、遺伝子の行き来が止まる。
種分化が繰り返されると、生物の系統はどのような形になる?
枝分かれした樹状(系統樹)になる
共通祖先から分かれた歴史が、枝の分岐として表される。