呼吸
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (2) ア (イ) ㋐「呼吸」。
内容の取扱いは「ATP 合成の仕組みを扱うこと。その際、解糖系、クエン酸回路及び電子伝達系に
触れること。また、発酵にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
呼吸は、有機物を分解して ATP 合成 を行う異化です。
3 つの段階に分かれ、どこで起きるかと何ができるかの対応が問われます。
| 段階 | 場所 | 酸素 | できる ATP(グルコース 1 分子あたり) |
|---|---|---|---|
| 解糖系 | 細胞質基質 | 不要 | 2 |
| クエン酸回路 | ミトコンドリアのマトリックス | 不要 | 2 |
| 電子伝達系 | ミトコンドリアの内膜 | 必要 | 最大 34 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 酸素を使うのは電子伝達系だけ(解糖系とクエン酸回路は酸素を直接使わない)
- 二酸化炭素が出るのはクエン酸回路(電子伝達系ではない)
- 水ができるのは電子伝達系(酸素が電子と水素を受け取って水になる)
1. 呼吸の全体像
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(イ)-㋐
呼吸の反応全体を 1 つの式で表すと?
C₆H₁₂O₆ + 6H₂O + 6O₂ → 6CO₂ + 12H₂O(+エネルギー)
放出されたエネルギーの一部が ATP 合成に使われる。
呼吸の 3 つの段階を、順に挙げると?
解糖系 → クエン酸回路 → 電子伝達系
前の段階の産物が次の段階の材料になる。
グルコース 1 分子から、呼吸で最大何分子の ATP ができる?
最大 38 分子
解糖系 2・クエン酸回路 2・電子伝達系 34。
呼吸で酸素が使われるのは、どの段階?
電子伝達系だけ
酸素は最後に電子と水素を受け取り、水になる。
呼吸で二酸化炭素が放出されるのは、どの段階?
クエン酸回路
炭素が段階的に外れて CO₂ になる。
2. 解糖系とクエン酸回路
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(イ)-㋐
解糖系が行われる場所は?
細胞質基質
ミトコンドリアの中ではない。
解糖系では、グルコースは何になる?
ピルビン酸 2 分子
このとき ATP が 2 分子でき、NADH も生じる。
解糖系は酸素が無くても進む?
進む
酸素を必要としないため、発酵でも同じ経路が使われる。
クエン酸回路が行われる場所は?
ミトコンドリアのマトリックス
内膜に囲まれた内側の液状部分。
ピルビン酸は、クエン酸回路に入る前に何に変わる?
アセチル CoA(活性酢酸)
このとき CO₂ が 1 分子外れる。
クエン酸回路の役割を 1 行で言うと?
炭素を CO₂ として外し、電子(水素)を NADH・FADH₂ として取り出すこと
ここでできる ATP は 2 分子だけで、本体は電子の回収にある。
3. 電子伝達系と ATP 合成
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(イ)-㋐
呼吸で得られる ATP の大部分は、ここで作られます。
「電子を渡す → H⁺ を汲み上げる → 戻る流れで ATP 合成」の 3 段で覚えます。
電子伝達系が行われる場所は?
ミトコンドリアの内膜
内膜はひだ状に折れ込んでおり(クリステ)、表面積が大きい。
電子伝達系で、NADH や FADH₂ が運んできた電子はどうなる?
内膜のタンパク質を次々に渡され、最後に酸素に受け取られる
酸素は水素イオンとともに水になる。
電子が渡されるとき、そのエネルギーは何に使われる?
水素イオン(H⁺)をマトリックスから膜間腔へ汲み出すことに使われる
内膜をはさんで H⁺ の濃度差ができる。
ATP 合成酵素は、何をエネルギー源にして ATP を作る?
膜をはさんだ H⁺ の濃度勾配(H⁺ が戻る流れ)
この仕組みを酸化的リン酸化という。
呼吸で作られる ATP のうち、電子伝達系が占めるのはどれくらい?
最大 34 分子=大部分
解糖系とクエン酸回路は 2 分子ずつしか作らない。
酸素が無いと、電子伝達系はどうなる?
電子の行き場が無くなり、止まる
NADH が再び NAD⁺ に戻れないため、クエン酸回路も進まなくなる。
呼吸基質としてタンパク質や脂肪が使われるとき、どこから経路に入る?
分解されてから、解糖系やクエン酸回路の途中に入る
脂肪酸はアセチル CoA に、アミノ酸は炭素骨格になって回路へ入る。
呼吸商(RQ)とは何の比?
放出した CO₂ の体積 ÷ 吸収した O₂ の体積
炭水化物なら約 1.0、脂肪は約 0.7、タンパク質は約 0.8 になる。