個体群の成長
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (5) ア (ア) ㋐「個体群」。
告示は「個体群内の相互作用に関する観察、実験などを行い、個体群が維持される仕組みや個体間の
関係性を見いだして理解すること」としている。
0. どういう論点か
個体群は、放っておけば増え続けるわけではありません。
増えると、増えにくくなる — このはたらき返しが密度効果です。
| 内容 | |
|---|---|
| 個体群 | 同じ場所にすむ同種個体の集まり |
| 個体群密度 | 単位面積(体積)あたりの個体数 |
| 成長曲線 | ふつう S 字形(上限で頭打ちになる) |
| 環境収容力 | その環境が支えられる個体数の上限 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- S 字形になるのは密度効果があるから(資源の不足・排出物・感染)
- 生命表は「生き残った数」の表(死亡数の表ではない)
- 標識再捕法は「移動する動物」に使う(動かない生物には区画法)
1. 個体群と密度
根拠: 学習指導要領 生物-(5)-ア-(ア)-㋐
ある地域にすむ同種の個体の集まりを何という?
個体群
異なる種の個体群が集まったものは生物群集という。
単位面積あたりの個体数を何という?
個体群密度
個体数 ÷ 生活空間の面積(体積)で表す。
移動する動物の個体数を推定する方法は?
標識再捕法
捕まえて印を付けて放し、再び捕まえたときの印付きの割合から全体を推定する。
標識再捕法で、最初に 50 個体に印を付け、次に捕まえた 40 個体のうち 10 個体に印があった。推定個体数は?
200 個体
50 ÷ x = 10 ÷ 40 より x = 200。
標識再捕法が成り立つために必要な前提は?
印を付けた個体が全体に十分に混ざり、出入りや死亡が無視できること
印が取れたり、行動が変わったりしないことも必要。
植物のように動かない生物の密度は、どう調べる?
区画法
一定面積の区画をいくつか調べ、平均から全体を推定する。
2. 個体群の成長と密度効果
根拠: 学習指導要領 生物-(5)-ア-(ア)-㋐
個体数の変化を時間に対して表したグラフを何という? ふつうどんな形になる?
成長曲線。ふつう S 字形になる
はじめは急に増え、やがて頭打ちになる。
成長曲線が頭打ちになるのはなぜ?
食物や生活空間が不足し、排出物や感染の影響も増えるから
これらをまとめて密度効果という。
その環境が支えられる個体数の上限を何という?
環境収容力
成長曲線が近づいていく水平の線にあたる。
個体群密度によって、個体の成長や形質が変わることを何という?
密度効果
植物では、密度が高いほど 1 個体が小さくなる。
植物で、密度を変えても単位面積あたりの収量がほぼ一定になることを何という?
最終収量一定の法則
密度が高ければ 1 個体が小さくなるため。
トノサマバッタが高密度で育つと、移動に適した姿になる。この現象を何という?
相変異
低密度で育つ孤独相に対し、高密度では群生相になる。
3. 生命表と齢構成
根拠: 学習指導要領 生物-(5)-ア-(ア)-㋐
生まれた個体が、各時期にどれだけ生き残っているかを示した表を何という?
生命表
グラフにしたものが生存曲線。
生存曲線の 3 つの型と、それぞれの特徴は?
晩死型(初期の死亡が少ない)・平均型(一定の割合で死ぬ)・早死型(初期の死亡が多い)
ほ乳類は晩死型、魚類や貝類は早死型が多い。
早死型の生物が産卵数を多くするのはなぜ?
幼い時期の死亡率が非常に高いから
親の保護が少ないぶん、数で補っている。
晩死型の生物に共通する特徴は?
産む数が少なく、子の保護が手厚いこと
死亡率が低いので、少数でも残せる。
個体群を発育段階ごとに分けた構成を何という? 図にしたものは?
齢構成。図にしたものを年齢ピラミッドという
幼若型・安定型・老齢型に分けられ、将来の増減を予測できる。
年齢ピラミッドが幼若型のとき、その個体群は今後どうなると予想される?
増加する
若い個体が多く、これから繁殖に加わるため。