転写と翻訳
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物基礎」の内容 (1) ア (イ) ㋑「遺伝情報とタンパク質の合成」。
内容の取扱いは、転写と翻訳の概要を扱い、タンパク質の生命現象における重要性にも触れることを求めている。
0. どういう論点か
遺伝子の情報は、タンパク質のアミノ酸配列という形で使われます。
情報の流れは一方向で、2 段階しかありません。
DNA の塩基配列 ──転写──→ mRNA の塩基配列 ──翻訳──→ タンパク質のアミノ酸配列
| 転写 | 翻訳 | |
|---|---|---|
| 何から何へ | DNA → mRNA | mRNA → タンパク質 |
| 場所(真核細胞) | 核の中 | 細胞質(リボソーム) |
| 対応 | 塩基 1 個 → 塩基 1 個 | 塩基 3 個 → アミノ酸 1 個 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 転写では T のかわりに U が入る(mRNA はチミンをもたない)
- アミノ酸 1 個に対応するのは塩基 3 個(1 個でも 2 個でもない)
- タンパク質を運んでくるのは tRNA ではなくアミノ酸(tRNA が運ぶのはアミノ酸)
1. 転写
根拠: 学習指導要領 生基-(1)-ア-(イ)-㋑
DNA の塩基配列が RNA に写し取られる過程を何という?
転写
写し取られてできる RNA が mRNA(伝令 RNA)。
転写では、DNA の 2 本鎖はどうなる?
一部がほどけて、一方の鎖が鋳型として使われる
2 本とも写し取られるのではない。
転写で DNA のアデニン(A)に対応して入る RNA の塩基は?
ウラシル(U)
RNA にはチミンがないため。DNA の T に対しては A が入る。
DNA の塩基配列が GAT のとき、転写でできる mRNA の塩基配列は?
CUA
G → C、A → U、T → A。相補性に従い、T のかわりに U を使う。
真核細胞で転写が行われる場所は?
核の中
DNA が核内にあるため。できた mRNA は核から細胞質へ出る。
2. 翻訳
根拠: 学習指導要領 生基-(1)-ア-(イ)-㋑
mRNA の塩基配列にもとづいてタンパク質が合成される過程を何という?
翻訳
塩基の並びが、アミノ酸の並びに読みかえられる。
翻訳が行われる場所(細胞小器官)は?
リボソーム(細胞質にある)
mRNA がリボソームと結合して翻訳が進む。
mRNA の塩基いくつが、アミノ酸 1 個を指定する?
3 個
この 3 個の並びをコドンという。
アミノ酸 1 個を指定する mRNA の塩基 3 個の並びを何という?
コドン
4 種類の塩基から 3 個を選ぶ並びは 64 通りある。
アミノ酸をリボソームまで運んでくる RNA は?
tRNA(転移 RNA/運搬 RNA)
コドンに対応する部分をもち、指定されたアミノ酸を運ぶ。
タンパク質は何が多数つながってできている?
アミノ酸
つながる順序(アミノ酸配列)がタンパク質の種類を決める。
100 個のアミノ酸からなるタンパク質をつくるには、mRNA の塩基は最低いくつ必要?
300 個
アミノ酸 1 個につき塩基 3 個(コドン)が対応するため。
3. 情報の流れとタンパク質の働き
根拠: 学習指導要領 生基-(1)-ア-(イ)-㋑
遺伝情報がタンパク質になるまでの流れを、順に言うと?
DNA →(転写)→ mRNA →(翻訳)→ タンパク質
流れは一方向。この順序が問われる。
DNA の塩基配列とタンパク質のアミノ酸配列は、どんな関係にある?
塩基配列が、アミノ酸配列を指定している(塩基 3 個でアミノ酸 1 個)
だから塩基配列が変われば、アミノ酸配列も変わりうる。
合成されたタンパク質は、体の中でどんな働きをする?
酵素・ホルモン・抗体・筋肉や皮膚などの材料として、生命現象を支える
「遺伝子が形質を決める」のは、タンパク質を通してのこと。
遺伝子の本体が DNA であるのに、形質に現れるのはなぜ?
DNA の情報からタンパク質がつくられ、そのタンパク質が体の構造や働きを担うから
DNA →タンパク質→形質、という間接的な関係。