代謝とATP
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物基礎」の内容 (1) ア (ア) ㋑「生物とエネルギー」。
内容の取扱いは、呼吸と光合成の概要を扱い、ATP の役割に触れることを求めている。
0. どういう論点か
生命活動にはエネルギーが要ります。ただし生物は、食べた有機物のエネルギーを直接は使えません。
いったん ATP という物質に移してから使います。
| 同化 | 異化 | |
|---|---|---|
| 向き | 単純な物質 → 複雑な物質 | 複雑な物質 → 単純な物質 |
| エネルギー | 吸収する(ためる) | 放出する(取り出す) |
| 例 | 光合成 | 呼吸 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 同化と異化の向き(「同」の字に引かれて逆に覚えやすい。同化=組み立てる)
- ATP はエネルギーそのものではない(エネルギーを運ぶ・受け渡す物質)
- ATP をつくるのは呼吸だけではない(光合成でもつくられる)
1. 代謝の 2 つの向き
根拠: 学習指導要領 生基-(1)-ア-(ア)-㋑
生物の体内で起こる化学反応全体を何という?
代謝
代謝は同化と異化に分けられる。
単純な物質から複雑な物質をつくり、エネルギーを吸収する代謝を何という?
同化
代表が光合成。エネルギーをためる向き。
複雑な物質を単純な物質に分解し、エネルギーを取り出す代謝を何という?
異化
代表が呼吸。エネルギーを取り出す向き。
生命活動にエネルギーが必要であることは、どんな例から分かる?
筋肉の収縮・物質の合成・体温の維持・物質の輸送などに、たえずエネルギーが使われていること
エネルギーが十分に得られないと、これらの活動が続けられなくなる。
2. ATP のしくみ
根拠: 学習指導要領 生基-(1)-ア-(ア)-㋑
ATP は「エネルギーの通貨」とよばれます。どの生物も同じ通貨を使っているのが共通性です。
ATP の正式な名前は?
アデノシン三リン酸
アデノシン(アデニン + リボース)に、リン酸が 3 つ結合した物質。
ATP はどんな構造をしているか?
アデニン(塩基)とリボース(糖)が結合したアデノシンに、リン酸が 3 個つながった構造
リン酸どうしの結合を高エネルギーリン酸結合という。
ATP のエネルギーは、どこに蓄えられている?
リン酸どうしの結合(高エネルギーリン酸結合)
この結合が切れるときにエネルギーが取り出される。
ATP が分解されると何になり、そのとき何が起こる?
ADP(アデノシン二リン酸)とリン酸になり、エネルギーが放出される
放出されたエネルギーが生命活動に使われる。
ADP とリン酸から ATP がつくられるのはどんなとき?
呼吸や光合成などでエネルギーが得られたとき
ATP ⇄ ADP + リン酸 を繰り返し、エネルギーを受け渡している。
ATP が「エネルギーの通貨」とよばれるのはなぜ?
どの生物でも、どの生命活動でも、共通してエネルギーの受け渡しに使われるから
お金のように、いったんこれに換えてから使う。
呼吸で取り出されたエネルギーは、直接生命活動に使われるか?
使われない。いったん ATP の合成に使われる
有機物 → ATP → 生命活動、という順になる。
光合成と呼吸は、ATP との関係でいうと共通して何をしている?
どちらも ATP を合成している
呼吸だけが ATP をつくるのではない。すべての生物が、この過程で ATP を合成している。
生物に共通する性質のうち、ATP が担っているのはどれ?
エネルギーを利用して生命活動を行うこと
共通性の 3 つ(細胞・DNA・エネルギー)の 3 つめ。