琉球王国とアイヌの文化
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「日本史探究」B (3) ア (イ) は「琉球王国」の成立を名指しし、内容の取扱いで「アイヌや琉球の文化の形成」に触れるよう求めています。
中世の日本列島の南と北で、室町幕府の支配の外にある人々が、それぞれ独自の国家や文化を形づくっていった過程を押さえます。
0. 何を押さえるか
南の琉球では 15 世紀前半に統一王国ができ、明への朝貢を軸に東アジアと東南アジアを結ぶ中継貿易で栄えました。
北の蝦夷ヶ島(北海道)では、アイヌの人々が交易を広げる一方、南部に進出した和人との対立が深まりました。
| 琉球王国 | 蝦夷ヶ島(アイヌ) | |
|---|---|---|
| まとまり | 1429 年、中山王の尚巴志が統一 | 統一国家はつくらず、地域ごとの集団 |
| 中心・拠点 | 首里(王府)、那覇(港) | 和人は渡島半島南部に館を築く |
| 交易 | 明への朝貢と、日本・東南アジアとの中継貿易 | 和人と交易(津軽の十三湊が本州側の拠点) |
| 画期となる出来事 | 三山の統一 | 1457 年のコシャマインの戦い |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 琉球を統一したのは北山・南山ではなく中山の王(尚巴志)。三山のうち中山が他の 2 つを併せた
- 琉球の中継貿易は明への朝貢の形をとった。海禁で中国商人が海外に出られないなか、琉球の船が各地の産物を運んだ
- コシャマインの戦いを鎮めたのは蠣崎氏(のちの松前氏)。アイヌと和人の争いはこの後も続いた
1. 琉球王国の成立と中継貿易
根拠: 学習指導要領 日本史探究-B-(3)-ア-(イ)
沖縄本島では、各地の有力者(按司)がグスクと呼ばれる城を拠点に争い、14 世紀には北山・中山・南山の 3 つの勢力にまとまりました。
14 世紀の沖縄本島で分立していた 3 つの勢力をまとめて何という?
三山(北山・中山・南山)
それぞれが明に朝貢していた。
1429 年、三山を統一して琉球王国を建てたのは?
中山王の尚巴志
首里を都とし、王府を置いた。
琉球王国が栄えた中継貿易とは、どのようなものか?
明・日本・朝鮮・東南アジアの間を行き来し、各地の産物を運んで取り引きした貿易
東南アジアの香料などを明や日本へ、日本の刀剣などを明へと運んだ。明への朝貢を軸にしたことで、海禁の時代に有利な立場を得た。
琉球王国の貿易の拠点として栄えた港は?
那覇
王府のある首里の外港として、各地の船が集まった。
16 世紀後半に琉球の中継貿易が衰えた背景は?
明の海禁がゆるみ、中国商人が自ら各地と直接取り引きするようになったから
ポルトガル人が東アジアの海に進出してきたことも重なり、琉球の船が仲立ちする必要が薄れた。
2. 琉球の文化
根拠: 学習指導要領 日本史探究-B-(3)-ア-(イ)
琉球の文化は、中国・日本・東南アジアとの交流のなかで、それぞれの影響を受けながら独自の形をとっていきました。
琉球王府が編んだ、古くから伝わる歌謡を集めた書物は?
『おもろさうし』
「おもろ」と呼ばれる歌謡を、16 世紀から 17 世紀にかけてまとめた。琉球の人々の信仰や暮らしを伝える。
琉球の文化が独自の形をとったのはなぜか?
中国・日本・東南アジアとの交流で取り入れたものを、島の信仰や暮らしと結びつけたから
琉球の文化は、日本の本土の文化とも中国の文化とも同じではない。交易の国であったことが、その形成を支えた。
沖縄本島の有力者が拠点として各地に築いた城を何という?
グスク
首里城もその一つで、王国の中心となった。
3. 蝦夷ヶ島とアイヌ
根拠: 学習指導要領 日本史探究-B-(3)-ア-(イ)
北海道では、13 世紀ごろまでにアイヌの文化が形づくられたとされます。アイヌの人々は狩猟や漁労を営み、本州や大陸との交易を広げていました。
中世、現在の北海道は何と呼ばれていたか?
蝦夷ヶ島
本州の和人から見た呼び名。アイヌの人々が暮らし、交易を通じて本州や大陸とつながっていた。
鎌倉時代から津軽の十三湊を拠点に、蝦夷ヶ島との交易で栄えた豪族は?
安藤氏(安東氏)
北方の産物(鮭・昆布など)が十三湊を経て日本海の航路で運ばれた。
14〜15 世紀、蝦夷ヶ島の南部に進出した和人が拠点として築いたものは?
館(道南十二館)
渡島半島の海岸に並び、アイヌとの交易の拠点ともなった。
1457 年、和人の圧迫に対してアイヌの人々が起こした大規模な蜂起は?
コシャマインの戦い
和人の館の多くが落とされたが、蠣崎氏(のちの松前氏)の武田信広に鎮められた。
アイヌの文化の特色として、文字の代わりに受け継がれてきたものは?
ユーカラなどの口承文芸
文字を用いず、英雄の物語や神々の話を語り伝えた。自然の万物に神(カムイ)が宿ると考える信仰と結びついている。