漸化式
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学B (1) 数列 ア (ウ)「漸化式について理解し,事象の変化を漸化式で表したり,簡単な漸化式で表された数列の一般項を求めたりすること。」。
0. どういうまとまりか
数列は、第 項を の式で表す(一般項)ほかに、初項と、前の項から次の項を決める規則でも決まります。この規則の式を漸化式といいます。
数学Bで扱う「簡単な漸化式」は、隣り合う 2 つの項 と の関係を表す一次の形、つまり隣接二項間の漸化式です。
どの形も、最後は等差数列・等比数列・階差数列のどれかに直して一般項を求めます。
| 漸化式の形 | 何の数列か | 一般項 |
|---|---|---|
| 公差 の等差数列 | ||
| 公比 の等比数列 | ||
| 階差数列が | のとき | |
| () | が公比 の等比数列 | () |
分かれ目は次の 3 つ。
- 階差型の式は でしか導けない。最後に のときも成り立つかを確かめる
- は、 を満たす を両辺から引く。 は一般項ではなく、変形のための定数
- 等比数列になるのは で、その初項は 。 のまま を掛けない
1. 漸化式とは
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(ウ)
数列を、初項と「前の項から次の項を作る規則」で定めることができます。規則だけでは数列は決まらず、初項が要ります。
漸化式とは? 数列を漸化式で定めるとき、規則のほかに何が必要か?
前の項から次の項を決める関係式(例 )。規則のほかに初項 が必要
初項と漸化式があれば、、、… が順に 1 つずつ決まる。隣り合う 2 項の関係を表すものを隣接二項間の漸化式という。
、 で定まる数列の 、、 は?
、、
を代入して 、 を代入して 、と順に計算する。初めの何項かを書き出すと、一般項の見当がつく。
2. 等差型・等比型
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(ウ)
は「毎回 を足す」、 は「毎回 倍する」という規則なので、それぞれ等差数列・等比数列になります。
、 で定まる数列の一般項は?
初項 3、公差 4 の等差数列なので 。
、 で定まる数列の一般項は?
初項 2、公比 3 の等比数列。 ではなく になるのは、 には 1 回も 3 を掛けていないから。
3. 階差型
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(ウ)
は、階差数列が であることを表します。 に階差を 個足せば になります。
の形の漸化式から一般項を求める式は? 注意することは?
のとき 。最後に のときも成り立つかを確かめる
和が から までなので、 では式が作れない。求めた式に を代入して と一致すれば、まとめて書ける。
、 で定まる数列の一般項は?
のとき 。 を代入すると 1 になり と一致するので、 でも成り立つ。
4. の形
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(ウ)
一次の形の隣接二項間の漸化式は、ある定数 を両辺から引くと、 が等比数列になります。その は、漸化式の と をどちらも に置きかえた式から求めます。
()の一般項を求める手順は?
を満たす を求め、辺々引いて と変形する。 は初項 、公比 の等比数列
よって 。 を特性方程式ということがある。
特性方程式 を引くと、なぜ になるのか?
から を辺々引くと、 が消えて が残るから
は数列の項ではなく、 を消すために選んだ定数。 のときは が決まらないが、そのときは等差型になる。
、 で定まる数列の一般項は?
から 。 なので、 は初項 、公比 2 の等比数列。。
、 で定まる数列の一般項は?
から 。 なので、 は初項 、公比 3 の等比数列。
を解くときに起きやすい誤りは?
の初項を のままにして、 としてしまうこと
等比数列になるのは なので、初項は 。答えを出したら 、 を代入して、漸化式から計算した 、 と一致するかを確かめる。
練習問題
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(ウ)
問 1 、 で定められる数列 の一般項を求めよ。
方針 漸化式を と見ると、隣り合う項の差が 、つまり階差数列が だと分かる。だから一般項は「初項 + 階差の和(第 項まで)」で求まる。
- なので、階差数列の第 項は
- のとき、
- は、公式の を に置きかえて 。よって
- 展開すると なので、
- を代入すると で、 と一致する。よって でも成り立つ。
- 確かめ: 漸化式から は 。式に を入れても で合っている。
ここで間違えやすい 和の上の端を にしてしまうこと。 から までに足す階差は 個。
問 2 、 で定められる数列 の一般項を求めよ。
方針 の形。定数 があるので、そのままでは等比数列にならない。 を満たす を両辺から引いて、 を等比数列にする。
- を解く。 なので、
- 漸化式 の両辺から 2 を引くと、
- 右辺を 4 でくくると、
- これは「 を 4 倍すると次の になる」という式なので、数列 は公比 4 の等比数列。初項は で、
- よって
- 2 を移項して、
- 確かめ: で、式に を代入しても 。
ここで間違えやすい 等比数列の初項を の 4 のままにすること。等比数列になるのは なので、初項は 。
問 3 、 で定められる数列 の一般項を求めよ。
方針 の形なので、 を満たす を両辺から引いて、 を等比数列にする。
- を解く。 なので、
- 漸化式 の両辺から 1 を引くと、
- 右辺を でくくると、
- 数列 は公比 の等比数列。初項は で、
- よって 、つまり
- 1 を移項して、
- 確かめ: 漸化式から は 、 は 。式でも 、 で合っている。公比が負なので の符号が交互に変わり、この数列では の符号も交互に変わる(、)。
ここで間違えやすい のかっこを外して と書くこと。別の数になる。
問 4 、 で定められる数列 の一般項を求めよ。
方針 の形なので、 を満たす を両辺から引いて、 を等比数列にする。
- を解く。 なので、
- 漸化式 の両辺から 2 を引くと、
- 右辺を でくくると、
- 数列 は公比 の等比数列。初項は で、
- よって
- 2 を移項して、
- 確かめ: 漸化式から は 。式に を入れても で合っている。
- 引いている は正で、 が大きくなるほど 0 に近づく。だから各項は 2 より小さく、 が大きくなるほど 2 に近づいていく。
問 5 、 で定められる数列 の一般項を求めよ。
方針 なので階差型。一般項は「初項 + 階差の和(第 項まで)」で、階差が等比数列だから、その和に等比数列の和の公式を使う。
- 階差数列の第 項は 。 のとき、
- は、初項 3( を代入)、公比 3、項数 の等比数列の和。
- 和の公式に入れると、
- よって
- を代入すると で、 と一致する。よって でも成り立つ。
- 確かめ: 漸化式から は 。式に を入れても で合っている。
ここで間違えやすい 和の初項を 1 としてしまうこと。指数が なので、 を代入した 3 が初項になる。