いろいろな数列の和
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学B (1) 数列 ア (イ)「いろいろな数列の一般項や和を求める方法について理解すること。」。
0. どういうまとまりか
や の公式が使えない数列の和は、足したときに項が消える形に書きかえて求めます。
分数の数列は「差の形」に分けると隣どうしで消え、(等差数列)×(等比数列)の形は公比を掛けてずらして引くと等比数列の和が残ります。
群数列や、奇数番目と偶数番目で規則が違う数列は、区切り方を決めてから数えます。
| 数列の形 | 方針 | 残るもの |
|---|---|---|
| 分数 など | 部分分数に分ける(差の形にする) | 最初と最後の項 |
| 根号 | 分母を有理化して差の形にする | 最初と最後の項 |
| (等差)×(等比) | を作る | 等比数列の和と最後の 1 項 |
| 群数列 | 第 群の最初の項が、全体の何番目かを数える | 群の中は等差数列などとして計算 |
| 奇数番目・偶数番目で分かれる | 2 項ずつ組にする/ の偶奇で場合分け | 組ごとの和 |
分かれ目は次の 3 つ。
- 部分分数に分けたら、係数を必ず確かめる。 は ではなく、その 倍
- 消えずに残る項は、前と後ろで同じ個数。1 つ飛びで消えるときは 2 個ずつ残る
- 群数列は「第 群の終わりまでに何項あるか」を先に求める
1. 分数の数列の和
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(イ)
1 つの分数を 2 つの分数の差に分けることを、部分分数に分けるといいます。差の形にして足すと、隣り合う項が打ち消し合います。
これは階差数列の考えを逆に使ったもので、一般項を「ある数列の隣り合う項の差」で表せれば、和は両端だけになります。
を部分分数に分けると?
右辺を通分すると で、元に戻ることが確かめられる。
の値は? どう求めるか?
。差の形にして書き並べると、間の項が消える
。残るのは最初の と最後の 。
を部分分数に分けると?
差 を通分すると分子が 2 になるので、 を掛けて合わせる。分母の 2 つの因数の差が係数の分母になる。
では、消えずに残る項はどれか?
前から 2 つ( と )と、後ろから 2 つ( と )
。1 つ飛びで消えるので、前後に 2 個ずつ残る。和は 。
の和は、どう求めるか?
分母を有理化して の差の形にする。 から までの和は
分子・分母に を掛けると、分母は で 1 になる。
2. (等差数列)×(等比数列)の和
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(イ)
等比数列の和の公式を導いたのと同じ方法を使います。公比を掛けてずらして引くと、等差の部分が公差だけになり、等比数列の和が現れます。
のような(等差)×(等比)の和は、どう求めるか?
等比の部分の公比 を掛けた を作り、 を計算する
項を 1 つずつずらして引くと、係数の差が公差で一定になり、等比数列の和と最後の 1 項が残る。
の値は?
。よって 。
を計算するとき、間違えやすいところは?
最後に残る 1 項( の末項)を引き忘れないこと。その符号はマイナス
の末項 には、引く相手が の側にない。等比数列の和の項数も、書き並べて確かめる。
3. 群数列
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(イ)
数列をいくつかの項ずつの群に区切ったものを群数列といいます。区切りを外せば元の 1 つの数列なので、「第 群の最初の項は全体の何番目か」が分かれば解けます。
第 群に 個の項が入る群数列で、第 群の最初の項は、全体の何番目か?
番目
第 群の終わりまでに で 項ある。その次の項が第 群の最初。
自然数の列を と第 群に 個入るように区切るとき、100 は第何群の何番目か?
第 14 群の 9 番目
第 群の最後の数は 。第 13 群の最後は 91、第 14 群の最後は 105 なので、100 は第 14 群にあり、 で 9 番目。
4. 奇数番目と偶数番目で分かれる数列
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(イ)
符号が交互に変わる数列などは、奇数番目と偶数番目で規則が違います。2 項ずつ組にすると、組ごとの和がきれいな数列になります。
のように符号が交互に変わる数列の和は、どう求めるか?
2 項ずつ組にして、組の和の数列を足す。項数が奇数のときは、偶数項までの和に最後の 1 項を足す
は各組が 。第 項までの和は 、第 項までの和は で 。
練習問題
根拠: 学習指導要領 数学B-(1)-ア-(イ)
問 1 和 を求めよ。
方針 分数の和には などの公式が使えない。1 つの分数を「差の形」に分けて(部分分数に分ける)、足したときに隣どうしが消えるようにする。
- 差 を通分すると、
- 分子が 3 になるので、 を掛けて合わせる。
- に 1 から までを入れて書き並べると、和は
- と次の のように間の項が消えて、最初の 1 と最後の だけが残る。和は
- かっこの中を通分すると、
- よって和は
- 確かめ: のとき、もとの和は 、答えの式も で合っている。
ここで間違えやすい 係数 を付け忘れること。分けたら、通分して元に戻るかを必ず確かめる。
問 2 和 を求めよ。
方針 部分分数に分けて、足すと消える形にする。分母の 2 つの因数 と が 2 離れているので、項は 1 つ飛びで消え、前と後ろに 2 個ずつ残る。
- 差 を通分すると 。分子が 2 になるので、
- 書き並べると、和は
- は 2 つ後ろのかっこの と消える。こうして 1 つ飛びで消えるので、残るのは前から 2 つ( と )と、後ろから 2 つ( と )。
- よって和は
- かっこの中を、分母 で通分すると、
- 分子を展開する。 なので、
- よって和は
- 確かめ: のとき、もとの和は 、答えの式は で合っている。
ここで間違えやすい 残る項を、最初の 1 と最後の の 2 つだけにしてしまうこと。1 つ飛びで消えるときは、前後に 2 個ずつ残る。
問 3 和 を求めよ。
方針 (等差数列)×(等比数列)の形の和は、等比の部分の公比 3 を掛けた を作り、 を計算する。項を 1 つずらして引くと係数の差がどれも 1 になり、ただの等比数列の和が残る。
- に 3 を掛けると、各項の 3 の指数が 1 つずつ上がる。
- から を、3 の指数が同じ項どうしをそろえて引く。例えば の項は で 、 の項は で と、係数がどれも 1 になる。
- の最後の だけは引く相手が の側にないので、そのまま引く。
- かっこの中は初項 1、公比 3、項数 の等比数列の和で、
- 左辺は なので、
- 右辺を通分すると、
- 両辺を で割ると、
- 確かめ: のとき、もとの和は で 7、式の値も になり合っている。
ここで間違えやすい 最後の を引き忘れること。また、残る等比数列の項数は ではなく 。
問 4 正の奇数の列を と、第 群に 個入るように区切る。第 群の最初の数と、第 群に入る数の和を求めよ。また、99 は第何群の何番目か。
最初の数は 、和は 。99 は第 10 群の 5 番目
方針 区切りを外せばただの奇数の列なので、「第 群の最初の項は全体の何番目か」が分かれば解ける。そのために、第 群の終わりまでの項数を先に数える。
- 第 1 群から第 群までの項数は、
- だから第 群の最初の数は、全体の 番目の奇数。
- 番目の正の奇数は なので、最初の数は
- 第 群は、初項 、公差 2、項数 の等差数列。末項は
- 第 群の和は、
- 99 の位置を調べる。 から なので、99 は 50 番目の奇数。
- 第 9 群の終わりまでに 項、第 10 群の終わりまでに 項ある。50 は 45 より大きく 55 以下なので、99 は第 10 群にある。
- 第 10 群の中では、 番目。
- 確かめ: 第 10 群の最初の数は で、、、、、 と数えて 5 番目。また第 2 群は 3 と 5 で、最初の数は 、和は で と合っている。
ここで間違えやすい 第 群の終わりまでの項数 と、第 群の終わりまでの項数 を取り違えること。
問 5 和 を求めよ。
方針 符号が交互に変わるので、2 項ずつ組にする。項は全部で 個あるから、ちょうど 組できる。組の和を の式で表せば、ふつうの の計算になる。
- 第 組は 。展開すると、
- 組は から までの 個なので、求める和は
- ばらして公式を入れると、
- でくくると、
- 確かめ: のとき、もとの和は 、答えの式も で合っている。