みならいノート

数学B 2027年度版

二項分布

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学B (2) 統計的な推測 ア (ウ)「二項分布と正規分布の性質や特徴について理解すること。」のうち、二項分布。

0. どういうまとまりか

数学Aの反復試行の確率を、確率変数の分布として見直したものが二項分布です。
1 回の試行で事象 が起こる確率が のとき、この試行を 回くり返して が起こる回数 の分布を と書きます。

式()
確率 (、1、…、)
期待値
分散
標準偏差

分かれ目は次の 3 つ。

1. 二項分布とは

根拠: 学習指導要領 数学B-(2)-ア-(ウ)

さいころを 10 回投げて 1 の目が出る回数、硬貨を 100 回投げて表が出る回数のように、同じ試行のくり返しで起こる回数を数える確率変数を考えます。

二項分布 とは、どんな確率変数の分布か?

1 回の試行で事象 が起こる確率が の独立な試行を 回くり返したときの、 が起こる回数 の分布

は binomial(二項)の頭文字。 は に従う、という。

が二項分布 に従うとき、 は?

(、、1、…、)

数学Aの反復試行の確率と同じ式。 回のうちどの 回で が起こるかの選び方が 通り。

二項分布 の確率の和が 1 になることは、何から分かるか?

二項定理

。各項が を展開した項になっていることが「二項分布」の名前の由来。

赤玉 3 個と白玉 2 個の袋から 1 個ずつ 4 回取り出すとき、赤玉の回数が二項分布に従うのはどちらか? 取り出した玉を戻す場合と、戻さない場合。

戻す場合( に従う)

戻さないと、2 回目以降に赤が出る確率が前の結果によって変わり、「同じ確率の独立な試行」にならない。

2. 二項分布の期待値と分散

根拠: 学習指導要領 数学B-(2)-ア-(ウ)

を直接計算するのは大変です。そこで、1 回ごとの結果を表す確率変数の和に分けます。

が に従うとき、・・ は?

、、()

分散は に、さらに起こらない確率 を掛ける。

の期待値と分散を導くとき、 をどんな確率変数の和に分けるか?

回目に が起これば 1、起こらなければ 0 をとる確率変数 の和

を全部足すと、ちょうど が起こった回数になる。

回目に が起これば 1、起こらなければ 0 をとる確率変数 ( の確率 )の期待値と分散は?

、

。 なので 、。

から と を出すとき、それぞれ何を使うか?

期待値は和の期待値の性質(独立でなくてよい)、分散は 、…、 が独立であること

。各回は独立な試行なので 。

さいころを 60 回投げて 1 の目が出る回数 の期待値と標準偏差は?

、

は に従う。。、。

硬貨を 100 回投げて表が出る回数 の期待値・分散・標準偏差は?

、、

。、。

練習問題

問 1 硬貨を 5 回投げて表が出る回数を とする。 と、 の期待値・分散を求めよ。

、、

方針 表が出る確率 の独立な試行を 5 回くり返して、表の回数を数えているので、 は二項分布に従う。確率は反復試行の式で、期待値と分散は 、 で求める(確率分布の表を全部作る必要はない)。

  1. 回数は 、表が出る確率は 、出ない確率は 。 は に従う。
  2. 5 回のうち表が 2 回、裏が 3 回になる確率なので、
  3. 5 回のうちどの 2 回で表が出るかの選び方は、 通り。
  4. を合わせて 5 回掛けるので、
  5. 掛け合わせて、
  6. 期待値は なので、
  7. 分散は なので、

問 2 さいころを 4 回投げて、1 または 2 の目が出る回数を とする。 の確率分布を求め、確率分布から計算した期待値が と一致することを確かめよ。

、、、、。

方針 1 または 2 の目が出る確率は毎回 で、4 回の試行は独立なので、 は二項分布 に従う。回数 が 0 から 4 までの確率を反復試行の式で 1 つずつ求めて分布を作り、その分布から定義どおりに期待値を計算して、 と比べる。

  1. 1 回の試行で 1 または 2 の目が出る確率は 、出ない確率は
  2. 回数が になる確率は、
  3. 分母は、3 を合わせて 4 回掛けるので、どの でも 。分子は になる。
  4. 分子を ごとに計算する。 が 0 のとき 、1 のとき 、2 のとき 、3 のとき 、4 のとき
  5. 確率は順に 、、、、。和は で確かめられる。
  6. この分布から期待値を計算する。
  7. 公式では で、一致する。

ここで間違えやすい 分子で 2 の肩にのるのは ではなく、起こらなかった回数 。 が大きいほど、2 を掛ける回数は減る。

問 3 確率変数 は二項分布 に従い、期待値が 12、分散が 8 である。 と を求めよ。

、

方針 二項分布の期待値 と分散 ()が分かっているので、これを と の連立方程式とみる。分散の式には期待値 がそのまま入っているので、代入すると だけの式になる。

  1. 期待値と分散を式にする。 …①、 …②
  2. ②の に ① を代入すると、
  3. 両辺を 12 で割って、
  4. なので、
  5. ① に代入すると なので、両辺を 3 倍して
  6. 確かめ。期待値は 、分散は で、どちらも合う。

ここで間違えやすい 手順 3 で出てくる は ではなく 。1 から引くのを忘れない。

問 4 さいころを 180 回投げるとき、6 の目が出る回数 の期待値と標準偏差を求めよ。

、

方針 6 の目が出る確率 の独立な試行を 180 回くり返して、起こる回数を数えているので、 は二項分布に従う。181 通りの確率を 1 つずつ足すのではなく、期待値は 、標準偏差は で求める。

  1. 回数は 、6 の目が出る確率は 、出ない確率は 。 は に従う。
  2. 期待値は なので、
  3. 分散は なので、
  4. 標準偏差は分散の正の平方根なので、

ここで間違えやすい 分散は の 30 ではなく、さらに を掛けた 25。また、25 は分散なので、標準偏差にするには平方根をとる。

問 5 赤玉 3 個と白玉 2 個が入った袋から 1 個取り出して色を見てから戻す。これを 10 回くり返すとき、赤玉を取り出す回数 の期待値と分散を求めよ。

、

方針 まず、二項分布になるかを確かめる。取り出した玉を戻すので、袋の中身は毎回同じで、赤玉を取り出す確率は変わらず、各回は独立である。だから は二項分布に従い、期待値は 、分散は で求められる。

  1. 袋には 5 個の玉があり、そのうち赤玉は 3 個なので、1 回で赤玉を取り出す確率は
  2. 赤玉を取り出さない確率は、
  3. これを 10 回くり返すので、 は に従う。
  4. 期待値は なので、
  5. 分散は なので、

ここで間違えやすい 玉を戻さない取り出しでは、前の結果によって次に赤玉が出る確率が変わるので、二項分布にならない。問題文の「戻す」を確かめてから公式を使う。

このノートの 10 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 期待値と分散の性質
正規分布 次

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