みならいノート

数学Ⅲ 2027年度版

数列の極限

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅲ (1) 極限 ア (ア)「数列の極限について理解し,数列{}の極限などを基に簡単な数列の極限を求めること。」。このノートは、収束と発散のことばの意味と、収束する数列どうしで使える極限値の性質を扱います。

0. どういうまとまりか

項が限りなく続く数列 で、 を限りなく大きくしたときに がどうなっていくかを調べるのが数列の極限です。
ある 1 つの値に限りなく近づくなら収束、そうでなければ発散といい、発散はさらに 3 つに分かれます。

分類 書き方 例(一般項)
収束する (極限値 0)
正の無限大に発散する
負の無限大に発散する
振動する 極限はない

分かれ目は次の 3 つ。

1. 収束と極限値

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(ア)

「限りなく近づく」が収束の意味です。途中の項が何であっても、 を大きくした先だけを見ます。

数列 が に収束するとは、どういうことか?

を限りなく大きくするとき、 が一定の値 に限りなく近づくこと。この を数列 の極限値という

が に一致する必要はない。 はどの項も 0 でないが、0 に収束する。

数列 が に収束することを、記号で 2 通りに書くと?

、または「 のとき 」

は極限(limit)の記号。 は「 を限りなく大きくする」と読む。

すべての項が同じ値 である数列 の極限は?

に収束する()

近づいていく途中がなくても、収束という。

2. 発散

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(ア)

収束しない数列は、すべて発散するといいます。発散のしかたは 3 通りです。

数列が発散するとは?

収束しないこと

「限りなく大きくなる」ことだけを指すのではない。振動も発散に入る。

数列の発散の 3 つの場合は?

正の無限大に発散する・負の無限大に発散する・振動する

正の無限大に発散は 、負の無限大に発散は と書く。

数列が振動するとは?

収束せず、正の無限大にも負の無限大にも発散しないこと。このとき極限はない

(一般項 )や、(一般項 )が例。

のとき、数列 は収束するといえるか?

いえない。正の無限大に発散する

は数ではないので、極限値とはいわない。「極限は 」とはいうが、「極限値は 」「 に収束する」とはいわない。

3. 極限値の性質

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(ア)

収束する数列どうしなら、極限をとってから計算しても、計算してから極限をとっても同じです。以下では 、 とします。

数列 、 がそれぞれ 、 に収束するとき、 は?(、 は定数)

定数倍・和・差は、極限値どうしの定数倍・和・差になる。、 もこの形に含まれる。

数列 、 がそれぞれ 、 に収束するとき、積 と商 の極限は?

、(商は のとき)

商の性質は、分母の極限値 が 0 でないときにだけ使える。

、 のとき、 は 0 と決まるか?

決まらない。数列によって結果が変わる

、 なら差は 1 に収束し、、 なら差は正の無限大に発散する。極限値の性質は、どちらも収束するときにしか使えない。

を正の整数とするとき、 と は?

、

も正の無限大に発散し、 は 0 に収束する。極限の計算は、最後にこの形に持ち込む。

4. 大小関係と極限

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(ア)

項の大小は極限値に引き継がれますが、等号が付くことに注意します。

すべての で で、、 がそれぞれ 、 に収束するとき、 と の大小は?

収束することが前提。小さいほうの数列の極限値が、大きいほうの極限値を超えることはない。

すべての で (等号なし)のとき、極限値も といえるか?

いえない。 になることがある(いえるのは まで)

、 はつねに だが、どちらも 1 に収束する。

練習問題

問 1 一般項が次の式で表される数列の収束、発散を調べよ。(1)  (2)  (3)

(1) 0 に収束する (2) 負の無限大に発散する (3) 振動する(極限はない)

方針  に大きな数を入れたとき、項がどこへ向かうかを見る。1 つの値に近づけば収束、限りなく大きく(小さく)なれば正(負)の無限大に発散、どちらでもなければ振動。

  1. (1) は、 を大きくすると分母 が限りなく大きくなるので、 は 0 に限りなく近づく。0 に収束する
  2. (2) は、項を並べると 。負の値のまま絶対値が限りなく大きくなるので、負の無限大に発散する
  3. (3) は、項を並べると 。符号が交互に変わるので、1 つの値に近づかず、正の無限大にも負の無限大にも発散しない。振動する

ここで間違えやすい (3) を「絶対値が大きくなるから正の無限大に発散」としない。奇数番目の項は負なので、正の無限大に発散するとはいえない。

問 2 、 のとき、次の極限を求めよ。(1)  (2)  (3)

(1) 12 (2)  (3)

方針  も も収束するので、極限値の性質がそのまま使える。 を 2 に、 を に置きかえて計算する。

  1. (1) は定数倍と差の性質から、
  2. (2) は積の性質から、
  3. (3) は分母の極限値 が 0 でないので、商の性質が使える。

問 3  を求めよ。

6

方針  と はどちらも 0 に収束する。2 つのかっこの中がそれぞれ収束するので、和・差の性質でかっこごとに極限を求め、積の性質でかけ合わせる。

  1. なので、
  2. なので、
  3. どちらも収束するので、積の極限は極限値の積になる。

問 4 数列 、 について、、 のとき、、、 を求めよ。

、、

方針 収束すると分かっているのは と の 2 つ。 と を、この 2 つの和・差・定数倍で表せば、極限値の性質が使える。

  1. 、 とおく。、
  2. 2 つをたすと なので、
  3. 2 つをひくと なので、
  4. 、 は収束するので、
  5. 同じように、
  6. 、 がどちらも収束すると分かったので、積の性質から

ここで間違えやすい いきなり「、 とおくと 、」と始めない。それは 、 が収束することを先に仮定している。手順 2・3 のように、収束する数列で表してから極限をとる。

問 5 数列 について、 のとき、 を求めよ。

4

方針 収束すると分かっているのは のほうで、 が収束するかどうかはまだ分からない。そこで とおき、 を の式で表してから、極限値の性質を使う。

  1. とおくと、
  2. 分母をはらう。
  3. 展開して を含む項を右辺に集める。
  4. でくくる。
  5. は 2 に収束するので、 が十分大きければ は 0 でない。両辺を で割って、
  6. 分子は に、分母は に収束する。分母の極限値が 0 でないので商の性質が使えて、

問 6 次の (1)、(2) は正しいか。正しくなければ反例をあげよ。(1) 、 ならば  (2) 、 ならば

どちらも正しくない。反例は、(1) 、 (2) 、(反例はほかにもある)

方針 極限値の性質は、どちらの数列も収束するときにしか使えない。 や の形は、 を数のように計算できないので、具体的な数列で結果が変わることを見せる。

  1. (1) の反例として 、 をとる。どちらも正の無限大に発散する
  2. このとき で、正の無限大に発散する。0 に収束しないので、(1) は正しくない
  3. (2) の反例として 、 をとる。 は正の無限大に発散し、 は 0 に収束する
  4. このとき で、1 に収束する。0 に収束しないので、(2) も正しくない

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

極限の計算 次

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