面積
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅱ (5) 微分・積分の考え ア (ウ)「不定積分及び定積分の意味について理解し,関数の定数倍,和及び差の不定積分や定積分の値を求めること。」。
0. どういうまとまりか
グラフと 軸で囲まれた部分の面積は、定積分で求められます。
2 つのグラフで囲まれた部分なら「上のグラフの式 下のグラフの式」を積分します。面積は正の量なので、どちらが上かを必ず確かめます。
| 位置関係() | 面積 |
|---|---|
| ( 軸より上) | |
| ( 軸より下) | |
| (2 曲線の間) | |
| 放物線と直線(交点 ) | ( は差の式の の係数) |
分かれ目は次の 3 つ。
- 軸より下にある部分は、定積分が負になるので符号を反転する
- 2 曲線の間は「上 下」。 軸より上か下かには関係なく使える
- 途中で上下が入れかわるときは、交点で区間を分ける(絶対値を含む定積分も同じ)
1. グラフと x 軸の間の面積
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(5)-ア-(ウ)
関数の値が正の区間では、定積分がそのまま面積になります。負の区間では、定積分は面積の 倍になります。
で のとき、 のグラフと 軸、2 直線 、 で囲まれた部分の面積は?
定積分の値そのものが面積になる。
で のとき、 のグラフと 軸、2 直線 、 で囲まれた部分の面積は?
軸より下にある部分では定積分が負になるので、符号を反転する。(上 下)と同じ。
放物線 と 軸で囲まれた部分の面積は?
交点は で、その間では 。。
区間の途中でグラフが 軸と交わるとき、面積はどう求めるか?
交点の 座標で区間を分け、 軸より上の部分はそのまま、下の部分は符号を反転して積分し、足す
区間全体で一度に定積分すると、上の部分と下の部分が打ち消し合って面積にならない。
2. 2 曲線の間の面積
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(5)-ア-(ウ)
2 つのグラフで囲まれた部分は、上のグラフと下のグラフの差を積分します。 軸との位置関係は気にしなくてかまいません。
で のとき、2 曲線 、 と 2 直線 、 で囲まれた部分の面積は?
(上 下)
2 曲線が 軸をまたいでいても、この式のままでよい。
2 曲線で囲まれた部分の面積を求める手順は?
2 式を連立して交点の 座標を求め(積分区間)、その間でどちらが上かを調べて「上 下」を積分する
区間の途中で上下が入れかわるなら、交点で分けて別々に積分する。
3. 放物線と直線で囲まれた面積(1/6 公式)
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(5)-ア-(ウ)
放物線と直線(または 2 つの放物線)で囲まれた部分では、「上 下」が の定数倍になります。そこで次の定積分の値を覚えておくと、計算が速くなります。
の値は?
なら区間内で なので、値は負になる。
放物線 と直線が 、()で交わるとき、囲まれた部分の面積は?
「上 下」は または の形になり、1/6 公式が使える。
放物線 と直線 で囲まれた部分の面積は?
から交点は 。。
2 つの放物線で囲まれた部分の面積に 1/6 公式を使うとき、 の係数は何を使うか?
2 式の差(上 下)の の係数
と なら、差は で、面積は 。
4. 絶対値を含む関数の定積分
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(5)-ア-(ウ)
絶対値は中身の符号で外し方が変わります。中身が 0 になる で区間を分ければ、各区間では普通の定積分です。
はどう計算するか?
となる で区間を分け、 の区間では 、 の区間では として積分し、足す
グラフでは、 の 軸より下の部分を折り返したグラフと 軸の間の面積になる。
の値は?
。前半は 、後半は で、和は 。
【発展】三次関数と接線で囲まれた面積(1/12 公式)
学習指導要領は積分を二次までの関数を中心に扱うと定めるが、三次関数のグラフとその接線で囲まれた部分の面積も同じ考えで求められる。
を使うと、 の係数が の三次関数と、 で接し で交わる直線で囲まれた部分の面積は になる。
練習問題
問 1 放物線 と 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
方針 まず放物線と 軸の交点を求めて、積分する区間を決める。次に、その区間でグラフが 軸より上にあるか下にあるかを確かめる。上にあれば、定積分の値がそのまま面積になる。
- 軸との交点を求める。 から なので、
- では なので 。グラフは 軸より上にあるので、
- 区間が原点について対称で、偶数次の項だけなので、0 から 2 までの 2 倍にする。
- 上端 での値は 、下端 での値は 0
- よって
別解(1/6 公式): 交点が で、 の係数の絶対値が 1 なので、。
問 2 放物線 と 軸、および 2 直線 、 で囲まれた 2 つの部分の面積の和を求めよ。
方針 区間の途中でグラフが 軸と交わると、 軸より上の部分と下の部分で定積分の符号が逆になる。 軸との交点で区間を分け、上の部分はそのまま、下の部分は符号を反転して積分し、足す。
- 因数分解して、 軸との交点を求める。 なので、
- 上下を調べる。 では と がともに 0 以下なので ( 軸より上)、 では 0 以上と 0 以下なので ( 軸より下)
- 原始関数は 。 での値は 0、 での値は 、 での値は
- 上の部分の面積は、
- 下の部分の面積は、符号を反転して、
- 和をとる。
別解: 下の部分は、放物線と 軸が で交わるので、1/6 公式で とも求められる。
ここで間違えやすい 0 から 3 まで一度に積分すると、 になる。上の部分と下の部分が打ち消し合うからで、これは面積ではない。
問 3 放物線 と直線 で囲まれた部分の面積を求めよ。
方針 2 つのグラフで囲まれた部分の面積は、「上の式 下の式」を積分する。2 式を連立して交点の 座標(積分する区間)を求め、その間でどちらが上かを確かめる。放物線と直線なので、最後の計算には 1/6 公式が使える。
- 交点を求める。 の右辺を移項して、
- 因数分解して なので、
- どちらが上かを調べる。間の では、放物線は 、直線は なので、直線が上
- 上 下を積分する。
- 中身は と書けるので、1/6 公式から
- 計算して、
確かめ: 公式を使わずに計算すると 。上端の値は 、下端の値は で、差は 。同じ値になる。
ここで間違えやすい 3 乗するのは交点の 座標の差 。 としない。
問 4 2 つの放物線 と で囲まれた部分の面積を求めよ。
方針 2 つのグラフで囲まれた部分の面積は、「上の式 下の式」を積分する。連立して交点を求め、その間でどちらが上かを確かめる。放物線どうしでも、差は二次式になるので 1/6 公式が使える。そのとき使う係数は、差の式の の係数である。
- 交点を求める。 の右辺を移項して、
- でくくって なので、
- どちらが上かを調べる。間の では、 は 、 は なので、 が上
- 上 下を計算する。
- 差の式の の係数は で、絶対値は 2。交点の差は なので、1/6 公式から
- 計算して、
確かめ: 公式を使わずに計算すると 。同じ値になる。
ここで間違えやすい 公式の係数に、もとの放物線の の係数 1 を使わない。 では半分になってしまう。
問 5 定積分 の値を求めよ。
方針 絶対値は、中身の符号によって外し方が変わる。中身が 0 になる で区間を分け、中身が 0 以上の区間ではそのまま、負の区間では をかけて積分し、最後に足す。
- 中身を因数分解する。 なので、0 になるのは
- 符号を調べる。 では 0 以上、 では 0 以下、 では 0 以上。区間を 3 つに分ける
- 原始関数は 。 での値は 0、 での値は
- 同じ原始関数で、 での値は 、 での値は
- 0 から 1 までは、そのまま積分する。
- 1 から 2 までは、符号を反転する。
- 2 から 3 までは、そのまま積分する。
- 和をとる。
ここで間違えやすい 絶対値を外さずに 0 から 3 まで積分すると になり、正しい値より小さくなる。1 から 2 までの部分()が、足されずに引かれるからである。
問 6 放物線 上の点 における接線と、この放物線および 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
方針 まず接線の式を求める。囲まれた部分は、左が 軸()、右が接点()なので、積分する区間は 0 から 1 まで。その間で放物線と接線のどちらが上かを確かめて、「上 下」を積分する。
- 微分する。 なので、点 での接線の傾きは 2
- 接線の式を立てる。 を整理して、
- 放物線 接線を計算する。
- なので、放物線が接線より上にある(一致するのは接点の だけ)
- 0 から 1 まで、上 下を積分する。
- 上端 での値は 、下端 での値は 0 なので、
別解: の形のまま積分すると、。
ここで間違えやすい 放物線と接線は接点 1 つでしか出会わないので、2 つだけでは図形が閉じない。 軸が左の境界になることを読み落とさない。