統計量
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
たくさんの数値を一つひとつ見ても、全体の様子はつかめません。そこで、データの特徴を少数の数値にまとめます。
まとめ方は、中心がどこか(代表値)、どれだけ散らばっているか(散らばり)、2 つの量が一緒に動くか(相関)の 3 つです。
| 知りたいこと | 統計量 | 図 |
|---|---|---|
| 中心 | 平均値・中央値・最頻値 | ヒストグラム |
| 散らばり | 範囲・四分位範囲・分散・標準偏差 | 箱ひげ図 |
| 2 つの量の関係 | 相関係数 | 散布図 |
分かれ目は次の 3 つ。
- 外れ値に強いのは中央値、弱いのは平均値。 飛び離れた値が 1 つあると、平均値だけが大きく動く。
- 分散は単位が 2 乗になる。 元のデータと同じ単位で散らばりを言いたいときは、その平方根の標準偏差を使う。
- 相関があっても、因果関係があるとは限らない。
1. 代表値
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ウ)
データ全体を 1 つの値で代表させるものを代表値といいます。どの代表値が適切かは、データの分布の形で変わります。
データの個数が偶数のとき、中央値はどう求めるか?
小さい順に並べて、真ん中にある 2 つの値の平均をとる
個数が奇数なら、真ん中の 1 つの値がそのまま中央値になる。
最頻値とは何か?
データの中で、最も多く現れる値
度数分布表で表したときは、度数が最も大きい階級の階級値を最頻値とする。
極端に大きい値が 1 つ混じったとき、平均値と中央値のどちらが影響を受けにくいか?
中央値
中央値は並び順の真ん中を見るだけなので、端の値がどれだけ大きくても変わらない。平均値は引っぱられる。
2. 散らばりと箱ひげ図
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ウ)
平均値が同じでも、値が平均のまわりに集まっているデータと、広く散らばっているデータがあります。
散らばりの大きさを表す値を見ます。
四分位数とは何か?
データを小さい順に並べて 4 等分する位置にある 3 つの値(第 1 四分位数・第 2 四分位数・第 3 四分位数)
第 2 四分位数は中央値と同じ。第 1 四分位数は下半分の中央値、第 3 四分位数は上半分の中央値。
四分位範囲はどう求めるか?
第 3 四分位数 − 第 1 四分位数
データの真ん中あたり、約半数が入る範囲の幅。最大値 − 最小値の「範囲」と違い、外れ値の影響を受けにくい。
箱ひげ図は、どの 5 つの値で描くか?
最小値・第 1 四分位数・中央値・第 3 四分位数・最大値
箱の両端が第 1・第 3 四分位数、箱の中の線が中央値、ひげの両端が最小値と最大値。複数の集団の分布を並べて比べるのに向く。
分散とは何か?
各データの値と平均値との差(偏差)を 2 乗し、その平均をとった値
偏差をそのまま足すと、正と負が打ち消し合って必ず 0 になる。2 乗してから平均する。
標準偏差とは何か?また、分散ではなく標準偏差を使う理由は?
分散の正の平方根。元のデータと同じ単位で散らばりを表せるから
身長(cm)の分散の単位は cm の 2 乗になるが、標準偏差なら cm で表せる。
3. 相関と回帰
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ウ)
2 つの量の関係は、一方を横軸、もう一方を縦軸にとって点を打った散布図で見ます。
点の並びが右上がりか右下がりか、どれだけ直線に近いかを数値にしたのが相関係数です。
相関係数がとる値の範囲は?
−1 以上 1 以下
1 に近いほど強い正の相関、−1 に近いほど強い負の相関、0 に近いほど直線的な関係が弱い。
散布図の点が右下がりの直線に沿って並んでいるとき、2 つの量にはどんな相関があるか?
負の相関(相関係数は −1 に近い)
一方が大きいほど、もう一方は小さい傾向がある。右上がりなら正の相関。
「アイスクリームの売上」と「水難事故の件数」に正の相関があっても、一方が他方の原因とは言えないのはなぜか?
気温という第三の要因が、両方を増やしているだけかもしれないから
相関は「一緒に動く」ことしか示さない。見かけの相関(疑似相関)を因果関係と取り違えない。
回帰直線とは何か?
散布図の点の並びに最もよく当てはまるように引いた直線
一方の量から、もう一方の量を予測するのに使う。各点と直線との縦のずれの 2 乗の和が最も小さくなるように引く(最小二乗法)。
練習問題
問 1 次の 5 個のデータの平均値・中央値・最頻値を求めよ。
3、5、5、7、10
平均値 6、中央値 5、最頻値 5
平均値は 。
小さい順に並んでいるので、真ん中(3 番目)の 5 が中央値。2 回現れる 5 が最頻値。
問 2 次の 8 個のデータの第 1 四分位数・第 2 四分位数(中央値)・第 3 四分位数と、四分位範囲を求めよ。
2、4、5、7、8、10、12、15
第 1 四分位数 4.5、中央値 7.5、第 3 四分位数 11、四分位範囲 6.5
中央値は 4 番目と 5 番目の平均で 。
下半分(2、4、5、7)の中央値が第 1 四分位数で 。
上半分(8、10、12、15)の中央値が第 3 四分位数で 。
四分位範囲は 。
問 3 次の 4 個のデータの分散と標準偏差を求めよ。
2、4、6、8
分散 5、標準偏差 (約 2.24)
平均値は 。
偏差は −3、−1、1、3。それぞれ 2 乗すると 9、1、1、9。
分散はその平均で 。標準偏差は分散の正の平方根なので 。