可視化とテキストマイニング
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
同じデータでも、図の選び方しだいで伝わることが変わります。先に「何を知りたいか」を決め、それに合う図を選びます。
また、アンケートの自由記述や SNS の投稿のような文章のデータも、語に分けて数えれば分析できます。
| 知りたいこと | 分析の目的 | 向いている図 |
|---|---|---|
| どちらが多いか | 比較 | 棒グラフ |
| 時間とともにどう変わったか | 変化 | 折れ線グラフ |
| 全体のうちどれだけを占めるか | 割合 | 円グラフ・帯グラフ |
| どの範囲にどれだけ集まっているか | 分布 | ヒストグラム・箱ひげ図 |
| 2 つの量が一緒に動くか | 関連 | 散布図 |
| 項目の組み合わせごとにいくつあるか | 分類 | クロス集計表 |
分かれ目は次の 3 つ。
- 棒グラフは量の比較、折れ線グラフは時間の変化。 横軸が時間なら折れ線。
- ヒストグラムは棒グラフに似ているが、横軸が数値の区間(階級)で、柱の間をあけない。
- テキストマイニングは「語に分ける → 数える → 関係を見る」の順。 最初の分ける処理が形態素解析。
1. 目的に合った図を選ぶ
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ウ)
グラフを選ぶ前に、比較・変化・割合・分布・関連のどれを見せたいのかを決めます。
目的に合わない図を選ぶと、データが正しくても読み手に誤った印象を与えます。
項目ごとの量の大小を比較したいとき、向いているグラフは?
棒グラフ
棒の長さで量を比べる。縦軸を 0 から始めないと、差が実際より大きく見えるので注意する。
月ごとの気温のように、時間とともにどう変化したかを見せたいとき、向いているグラフは?
折れ線グラフ
線の傾きで、増え方・減り方の速さが読み取れる。
複数の集団について、内訳の割合を並べて比べたいとき、向いているグラフは?
帯グラフ
帯を横に並べると、集団ごとの割合の違いが比べやすい。1 つの集団の割合だけなら円グラフでもよい。
2 つの量の関連(一方が大きいと他方も大きいか)を見たいとき、向いているグラフは?
散布図
一方を横軸、もう一方を縦軸にとって、1 件のデータを 1 つの点で表す。
ヒストグラムとは、何を表すグラフか?
数値のデータを区間(階級)に分け、各階級に入るデータの個数(度数)を柱で表したグラフ
データの分布の形(山がどこにあるか、左右に偏っていないか)を見る。横軸が連続した数値なので、柱の間をあけない。
2. クロス集計
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ウ)
アンケートの結果を「学年ごと」「回答ごと」のように、2 つ以上の項目を組み合わせて数え直すと、
単独の集計では見えない違いが見えてきます。
クロス集計とは何か?
2 つ以上の項目を組み合わせ、それぞれの組み合わせに当てはまるデータの個数などを表にまとめること
「学年」と「通学手段」を組み合わせれば、学年によって通学手段の割合が違うかが分かる。
表計算ソフトで、元の表からクロス集計表を手早く作る機能を何というか?
ピボットテーブル
どの項目を行に、どの項目を列に置くかを選ぶだけで、組み合わせごとの個数や合計を集計できる。
3. テキストマイニング
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ウ)
アンケートの自由記述、商品のレビュー、SNS の投稿のような文章のデータは、そのままでは集計できません。
文章を語に分け、語の現れ方を数えることで、多くの文章に共通する話題や評価を取り出します。
このような分析をテキストマイニングといいます。
テキストマイニングとは何か?
大量の文章のデータを語に分けて分析し、よく現れる話題や語どうしの関係などの有用な情報を取り出すこと
アンケートの自由記述や商品のレビューから、多くの人が挙げている意見や不満を見つけるのに使われる。
形態素解析とは何か?
文章を、意味をもつ最小の単位(形態素)に区切り、それぞれの品詞を判別する処理
日本語は単語の間に空白が無いので、テキストマイニングの最初にこの処理が要る。「データを分析する」は「データ/を/分析/する」に分かれる。
ワードクラウドとは、どんな図か?
文章の中に多く出てくる語ほど大きな文字で並べた図
出現頻度の高い語が一目で分かる。「する」「こと」のようにどの文章にも出る語は、あらかじめ除いておくことが多い。
テキストマイニングでいう共起とは何か?
ある語と別の語が、同じ文や文章の中に一緒に現れること
よく一緒に現れる語どうしを線で結んだ図を、共起ネットワークという。「駅」と「遠い」がよく共起すれば、駅からの距離への不満が読み取れる。
練習問題
問 1 次の分析をしたい。それぞれ、どのグラフが最も向いているか。
(1) ある町の 10 年間の人口の移り変わり
(2) クラス全員の 50 m 走のタイムが、どのあたりに多く集まっているか
(3) 生徒ごとの 1 日の勉強時間とテストの点数の関係
(4) 3 つの学年それぞれの、通学手段の内訳の割合
(2) クラス全員の 50 m 走のタイムが、どのあたりに多く集まっているか
(3) 生徒ごとの 1 日の勉強時間とテストの点数の関係
(4) 3 つの学年それぞれの、通学手段の内訳の割合
(1) 折れ線グラフ (2) ヒストグラム (3) 散布図 (4) 帯グラフ
(1) 時間による変化。(2) 1 つの量の分布。(3) 2 つの量の関連。(4) 複数の集団の割合を並べて比べるので、円グラフを 3 つ並べるより帯グラフが比べやすい。
問 2 6 人に「部活に入っているか」を聞いた。次の回答をクロス集計表にまとめよ。
1 年・入っている、1 年・入っていない、1 年・入っている、2 年・入っていない、2 年・入っていない、2 年・入っている
次の表になる。
| 入っている | 入っていない | 計 | |
|---|---|---|---|
| 1 年 | 2 | 1 | 3 |
| 2 年 | 1 | 2 | 3 |
| 計 | 3 | 3 | 6 |
全体の集計(入っている 3・入っていない 3)だけでは見えない、1 年のほうが入っている割合が高いという違いが見える。