情報システムとサービス
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
お店のレジ、ネット通販、交通系の IC カード、高速道路の料金所。どれも、コンピュータとネットワークと
データベースが組み合わさって一つのサービスを提供しています。このノートでは、身近なサービスがどんな仕組みで
動いているかと、止まってはいけないシステムをどう作るかを押さえます。
| 仕組み | 何をするか | 例 |
|---|---|---|
| POS システム | 売れた時点で、何が・いつ・いくつ売れたかを記録する | コンビニのレジ |
| 電子商取引 | ネットワークを通じて商品やサービスを売買する | ネット通販・ネットオークション |
| 電子決済 | 現金を使わずにお金を払う | 電子マネー・クレジットカード・QR コード決済 |
| クラウドコンピューティング | ソフトウェアや計算資源を、ネットワーク越しにサービスとして使う | Web メール・オンラインのファイル保存 |
分かれ目は次の 3 つ。
- POS は「販売時点」の記録。 売れた瞬間のデータが、在庫の管理・発注・売れ筋の分析に使われる。
- クラウドは「何を借りるか」で 3 つに分かれる。 アプリまで借りる SaaS、開発の土台を借りる PaaS、機械そのものを借りる IaaS。
- 信頼性の 4 語は、何に備えるかで分かれる。 故障しても機能を保って動き続ける(フォールトトレラント)、機能を減らしてでも動き続ける(フェールソフト)、故障したら安全側に止まる(フェールセーフ)、人が間違えても大丈夫(フールプルーフ)。
1. 身近な情報システム
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(イ)
情報システムとは、コンピュータやネットワーク、データベースなどを組み合わせて、
データを集め・ためて・処理し・必要な人に届ける仕組みのことです。
一台のコンピュータの中で完結せず、ネットワークを介して多くの利用者にサービスを提供するのが特徴です。
情報システムとは何か?
コンピュータ・ネットワーク・データベースなどを組み合わせて、情報を集め、蓄え、処理し、提供する仕組み
レジ・ネット通販・予約・交通系 IC カードなど、多くの利用者にネットワーク越しにサービスを提供する。
POS システムは、何をいつ記録するシステムか?
商品が売れた時点で、何が・いつ・いくつ売れたかを記録する(販売時点情報管理)
集めたデータは、在庫の管理・自動の発注・売れ筋や時間帯ごとの分析に使われる。
電子商取引(EC)とは何か?
インターネットなどのネットワークを通じて、商品やサービスを売買すること
企業と消費者の間(BtoC)、企業どうし(BtoB)、消費者どうし(CtoC、ネットオークションやフリマアプリ)がある。
消費者どうしが、フリマアプリやネットオークションで売り買いする電子商取引を、アルファベットで何と表すか?
CtoC(Consumer to Consumer)
企業と消費者の間は BtoC、企業どうしは BtoB。
電子マネーとは何か?
お金の価値を電子的なデータにして、現金の代わりに支払いに使えるようにしたもの
交通系 IC カードのように、先にチャージしておく前払い(プリペイド)の方式が多い。現金を使わない支払いをまとめてキャッシュレス決済という。
クレジットカードは、支払いの時期で分けると前払い・即時払い・後払いのどれか?
後払い
使った分があとでまとめて請求される。デビットカードは即時払い(口座からすぐ引き落とし)、チャージ式の電子マネーは前払い。
ETC は、何を自動で行う情報システムか?
高速道路などの料金所で、止まらずに通行料金を支払う(自動料金収受システム)
車載器と料金所のアンテナが無線で通信し、利用の記録をもとに料金を精算する。
列車や飛行機の座席を予約するシステムが、一つの座席を二人に売ってしまわないために欠かせないものは?
すべての窓口・端末が、同じ一つのデータベースをネットワーク越しに共有すること
どこから予約しても同じ座席の状況を見て書き換えるので、空席がその場で正しく分かる(同時に予約されたときの扱いは データベースと管理システム)。
2. クラウドコンピューティングと Web サービス
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(イ)
以前は、ソフトウェアは自分のコンピュータに入れ、データも手元に保存するのが普通でした。
いまは、事業者のサーバにあるソフトウェアやデータを、ネットワーク越しに使う形が広がっています。
クラウドコンピューティングとは何か?
ソフトウェアやデータの保存場所・計算資源を、手元に持たずにネットワーク越しにサービスとして利用すること
利用者は機器の管理をしなくてよく、どこからでも同じデータにアクセスできる。反面、ネットワークにつながらないと使えない。
クラウドのサービスのうち、アプリケーションそのものをネットワーク越しに提供するものを何というか?
SaaS(Software as a Service)
Web メールやオンラインの文書作成など。開発の土台(OS や実行環境)を提供するのが PaaS、サーバや記憶装置などの機器を提供するのが IaaS。
Web サービスとは何か?
Web ブラウザなどから、ネットワーク越しに利用できるサービス
検索・地図・動画共有・SNS など。利用者の手元にはブラウザがあればよく、処理とデータは事業者のサーバ側にある。
3. 情報システムの信頼性
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(イ)
情報システムは社会の基盤になっているので、止まると多くの人が困ります。
機械はいつか故障し、人はいつか操作を間違える——それを前提に設計しておく考え方があります。
| 考え方 | 何に備えるか | 例 |
|---|---|---|
| フォールトトレラント | 一部が故障しても、全体の機能を保つ | サーバや電源を 2 台にしておく(二重化) |
| フェールソフト | 一部が故障したら、機能を減らしてでも動き続ける | 複数台のサーバの 1 台が止まったとき、処理を遅くして受付を続けるシステム |
| フェールセーフ | 故障したら、安全な側に止まる | 故障すると赤を出す信号機 |
| フールプルーフ | 人が誤った操作をしても、危険が起きないようにする | 扉を閉めないと動かない電子レンジ |
フォールトトレラントとは、どんな設計の考え方か?
一部が故障しても、システム全体としては正常に動き続けるようにする考え方
装置を二重化(冗長化)しておき、故障した側を切り離して予備に切りかえる。
フェールセーフとは、どんな設計の考え方か?
故障したときに、安全な側にシステムが止まるようにする考え方
故障すると赤を出す信号機、異常を感じると止まるエレベーター。動き続けることより、事故を起こさないことを選ぶ。
フールプルーフとは、どんな設計の考え方か?
利用者が誤った操作をしても、危険が起きない・誤った操作そのものができないようにする考え方
扉を閉めないと加熱が始まらない電子レンジ、ギアがパーキングでないとエンジンがかからない車。
一部が故障したとき、機能を減らしてでも動き続けるようにする考え方を何というか?
フェールソフト
全体の機能をそのまま保つフォールトトレラントとの違いは、性能や機能が落ちるのを受け入れる点。