個人認証
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
システムを使おうとしている人が、本当に本人かを確かめることを個人認証といいます。
確かめる手がかりは、大きく 3 つの種類(認証の 3 要素)に分かれます。
| 種類 | 何で確かめるか | 例 |
|---|---|---|
| 知識認証 | 本人だけが知っていること | パスワード・暗証番号・秘密の質問 |
| 所有物認証 | 本人だけが持っているもの | IC カード・スマートフォン・ワンタイムパスワードを出す機器 |
| 生体認証 | 本人の体の特徴 | 指紋・顔・静脈・虹彩 |
分かれ目は次の 3 つ。
- 多要素認証は「違う種類」を 2 つ以上組み合わせる。 パスワードと秘密の質問は、どちらも知識なので多要素ではない。
- 二段階認証は「2 回に分けて」確かめること。 種類が同じでも二段階になる。
- 認証は「だれか」を確かめ、アクセス制御は「その人に何を許すか」を決める。
1. 認証の 3 要素
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ア)
どの種類にも弱点があります。知識は盗み見や推測で知られ、所有物はなくしたり盗まれたりし、
生体の特徴は変えられないので、一度盗まれると取りかえがききません。
システムを使おうとしている人が、本人であることを確かめることを何というか?
個人認証(本人認証)
確かめる手がかりの種類で、知識認証・所有物認証・生体認証に分ける。
パスワードや暗証番号のように、本人だけが知っていることで確かめる認証を何というか?
知識認証
盗み見られたり、推測されたりすると他人に使われる。
IC カードやスマートフォンのように、本人だけが持っているもので確かめる認証を何というか?
所有物認証
なくしたり盗まれたりすると、他人に使われるおそれがある。
指紋・顔・静脈など、本人の体の特徴で確かめる認証を何というか?
生体認証(バイオメトリクス認証)
忘れたりなくしたりしないが、特徴そのものは変更できない。
2. 多要素認証と二段階認証
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ア)
1 つの種類だけで確かめると、その種類の弱点を突かれたら突破されます。
種類の違うものを組み合わせれば、1 つが漏れてももう 1 つが守ります。
知識・所有物・生体のうち、異なる種類の認証を 2 つ以上組み合わせる認証を何というか?
多要素認証
2 つの種類を組み合わせるものは、特に二要素認証という。
二段階認証とは何か。多要素認証とどこが違うか?
認証を 2 回の段階に分けて行うこと。同じ種類の認証を 2 回重ねても二段階認証になる
パスワードの後に秘密の質問を聞くのは、二段階認証だが(どちらも知識なので)多要素認証ではない。
パスワードを入れた後に、スマートフォンに届いた確認コードを入れてログインした。これは何認証と何認証の組み合わせか?
知識認証(パスワード)と所有物認証(スマートフォン)
種類が違うので、多要素認証にあたる。
3. パスワードの扱い
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ア)
パスワードは、長く、いろいろな種類の文字を混ぜ、ほかのサービスと使い回さないのが原則です。
推測されにくいパスワードにするには、どうするか?
長くし、英大文字・英小文字・数字・記号を混ぜ、名前や誕生日・辞書にある単語を使わない
文字の種類と長さが増えるほど、考えられる組み合わせの数が増え、総当たりで見つけにくくなる。
同じパスワードを複数のサービスで使い回すと、どんな危険があるか?
1 つのサービスから漏れたパスワードで、ほかのサービスにも不正にログインされる
漏れた ID とパスワードの組を、別のサービスで順に試す攻撃がある。
一度使うと無効になり、ログインのたびに変わるパスワードを何というか?
ワンタイムパスワード
盗み見られても、次のログインには使えない。専用の機器やスマートフォンのアプリが表示する。
4. ファイアウォールとアクセス制御
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(4)-ア-(ア)
認証で本人を確かめたうえで、その人がどの情報を読めるか・書きかえられるかを決めます。
また、ネットワークの出入り口では、許可していない通信そのものを止めます。
組織の LAN とインターネットの境目に置き、あらかじめ決めた規則に従って、許可していない通信を遮断するしくみを何というか?
ファイアウォール
外から内への不正な侵入を防ぐ「防火壁」。内から外への不要な通信を止めることもできる。
利用者ごとに、どの情報やファイルを閲覧・変更できるかの権限を決めて制限することを何というか?
アクセス制御
認証で「だれか」を確かめ、アクセス制御で「何を許すか」を決める。仕事に必要な権限だけを与える。
練習問題
問 1 数字だけの 4 桁の暗証番号と、英小文字(26 種類)だけの 4 文字のパスワードでは、考えられる組み合わせはそれぞれ何通りか。
数字 4 桁は 10000 通り、英小文字 4 文字は 456976 通り
1 桁あたり 10 通りなので 通り。
1 文字あたり 26 通りなので 通り。長さが同じでも、使える文字の種類が多いほど組み合わせが増える。
問 2 次の (1)〜(3) のうち、多要素認証にあたるものをすべて選べ。
(1) パスワードを入れた後、秘密の質問に答える
(2) IC カードをかざした後、暗証番号を入れる
(3) 指紋で認証した後、顔で認証する
(1) パスワードを入れた後、秘密の質問に答える
(2) IC カードをかざした後、暗証番号を入れる
(3) 指紋で認証した後、顔で認証する
(2) だけ
(1) は知識と知識、(3) は生体と生体で、種類が 1 つしかない(二段階認証ではある)。
(2) は所有物(IC カード)と知識(暗証番号)で、種類が違う。