デジタル化の仕組み
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
音や明るさのように切れ目なく変わる量(アナログ)を、コンピュータが扱える数の並び(デジタル)に直すことをデジタル化といいます。
音の波を例にすると、次の 3 段階で行います。
| 段階 | 何をするか | 細かさを決めるもの |
|---|---|---|
| 標本化 | 一定の時間ごとに波の高さを取り出す(時間を区切る) | 標本化周期(標本化周波数) |
| 量子化 | 取り出した高さを、決めた段階のいちばん近い値にそろえる(大きさを区切る) | 量子化ビット数 |
| 符号化 | そろえた値を 0 と 1 の並びに置き換える | (量子化ビット数で桁数が決まる) |
分かれ目は次の 3 つ。
- 標本化は時間(横軸)を区切り、量子化は大きさ(縦軸)を区切る。
- 標本化周波数は標本化周期の逆数(周期 0.001 秒なら 1 秒に 1000 回で 1000 Hz)。
- 細かくするほど元の波に近づくが、データ量は増える。
1. アナログとデジタル
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(2)-ア-(ア)
アナログは量を連続した値で表し、デジタルは量をとびとびの値(数)で表します。
デジタルにすると、どんな情報もすべて 0 と 1 の並びとして同じように扱えます。
アナログとデジタルの違いは?
アナログは連続的に変わる量で表し、デジタルは段階的な(とびとびの)数値で表す
針で示す時計はアナログ、数字で示す時計はデジタル。
アナログの信号をデジタルの信号に直すことを何というか?
A/D 変換(アナログ・デジタル変換)
逆にデジタルからアナログに戻すことを D/A 変換という。スピーカーで音を鳴らすときに行う。
2. 標本化・量子化・符号化
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(2)-ア-(ア)
A/D 変換は、標本化 → 量子化 → 符号化の順に行います。
A/D 変換の 3 つの段階を、行う順に答えよ。
標本化 → 量子化 → 符号化
時間を区切って値を取り、値を段階にそろえ、0 と 1 に置き換える。
標本化(サンプリング)とは何か?
連続した波から、一定の時間間隔ごとに値を取り出すこと
取り出す時間の間隔を標本化周期という。
標本化周波数とは何か?
1 秒間に標本化を行う回数。単位は Hz(ヘルツ)
標本化周期の逆数になる。周期 0.0001 秒なら 10000 Hz。
量子化とは何か?
標本化で取り出した値を、あらかじめ決めた段階の近い値にそろえること
段階の数は量子化ビット数で決まる。
量子化ビット数が 4 ビットのとき、値を何段階で表せるか?
16 段階
n ビットなら 段階。1 ビット増やすごとに段階は 2 倍になる。
符号化とは何か?
量子化した値を、0 と 1 の並び(2 進数)に置き換えること
量子化ビット数が 3 なら、1 つの値を 3 桁の 0 と 1 で表す。
標本化周期を短くし、量子化ビット数を大きくすると、どうなるか?
元のアナログの波に近くなるが、データ量が増える
細かさと量は引き換えになる。用途に合わせて決める。
元の波を再現するには、標本化周波数をどのくらいにすればよいか(標本化定理)?
元の波に含まれる最も高い周波数の 2 倍より高くする
人が聞き取れる音は約 20000 Hz までなので、音楽 CD はその 2 倍を超える 44100 Hz で標本化している。
3. デジタル化の利点と誤差
根拠: 学習指導要領 情報Ⅰ-(2)-ア-(ア)
デジタルの情報は数の並びなので、何度写しても変わらず、計算で加工できます。
一方で、量子化の段階で端数を丸めるため、元の値との小さなずれが必ず生じます。
情報をデジタル化する利点を 4 つ挙げよ。
劣化せずに複製・伝送できる/編集・加工しやすい/圧縮できる/文字・音・画像などを統合して扱える
どの情報も 0 と 1 の並びになるので、1 台のコンピュータでまとめて扱える(マルチメディア)。
アナログの情報を何度もコピーすると質が落ちるのに、デジタルの情報は落ちないのはなぜか?
デジタルは 0 と 1 の並びなので、多少の雑音が混じっても元の値を読み取れ、同じ並びを写せるから
アナログは雑音がそのまま信号に重なり、コピーのたびに積み重なる。
量子化誤差とは何か?
量子化で値を段階にそろえるときに生じる、元の値とのずれ
量子化ビット数を大きくして段階を細かくすると、ずれは小さくなるが 0 にはならない。
練習問題
問 1 ある音を 0.00005 秒ごとに標本化した。標本化周波数は何 Hz か。
20000 Hz
標本化周波数は標本化周期の逆数。。1 秒間に 20000 回値を取り出している。
問 2 ある波を標本化して、次の 4 つの値を得た。量子化ビット数を 3 ビット(0〜7 の 8 段階)とし、
四捨五入で量子化してから、それぞれを 3 桁の 2 進数に符号化せよ。
標本
1
2
3
4
値
2.2
5.8
6.4
3.1
四捨五入で量子化してから、それぞれを 3 桁の 2 進数に符号化せよ。
| 標本 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| 値 | 2.2 | 5.8 | 6.4 | 3.1 |
010、110、110、011
| 標本 | 値 | 量子化した値 | 符号化(3 桁の 2 進数) |
|---|---|---|---|
| 1 | 2.2 | 2 | 010 |
| 2 | 5.8 | 6 | 110 |
| 3 | 6.4 | 6 | 110 |
| 4 | 3.1 | 3 | 011 |
標本 2 と 3 は元の値が違うのに、量子化すると同じ 6 になる。これが量子化誤差である。