みならいノート

宅建 2027年度版

時効

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

根拠は民法 144 条(時効の効力)、145 条(援用)、146 条(利益の放棄)、147 条〜152 条(完成猶予・更新)、
162 条(所有権の取得時効)、163 条、166 条(債権等の消滅時効)、
187 条(占有の承継)。2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。

0. どういう制度か

長く続いた事実状態を、あとから覆させないための制度である。
証拠が失われた後に争わせても正しい結論は出ないし、権利の上に眠っていた者を守る必要も薄い。

期間の数字は 2 系統だけ覚えればよい。

取得時効(162 条) 期間
占有開始時に善意無過失 10 年
それ以外(悪意・有過失) 20 年
消滅時効(166 条) 期間
権利を行使できることを知った時から 5 年
権利を行使できる時から 10 年

(人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、客観的起算点から 20 年。)

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 取得時効

根拠: 民法 162 条 1 項・2 項、163 条、186 条、187 条

守っているのは「長く自分の物として使ってきた」という外観である。だから
所有の意思が要る(借りている人はいくら長く使っても所有権を得ない)。

所有権の取得時効の要件は?

所有の意思をもって、平穏かつ公然に、他人の物を占有すること。
期間は、占有開始時に善意無過失なら 10 年、それ以外は 20 年

所有の意思の有無は占有取得の原因(売買か賃貸借か)から客観的に判断する。

占有開始時は善意無過失だったが、5 年後に他人の物と知った。取得時効の期間は?

10 年のまま

善意無過失は占有開始の時点でのみ判断する。
途中で悪意になっても期間は伸びない。

前の占有者の占有期間を、自分の占有期間に合算できる?

できる(187 条)

ただし合算する場合は、前の占有者の瑕疵(悪意・有過失)も引き継ぐ。
自分の占有だけを主張することもできる(選択できる)。

賃借人として 30 年間住み続けた。所有権を時効取得できる?

できない

賃借人の占有には所有の意思がない(他主占有)ため。
なお、所有権以外の財産権(地上権・賃借権など)は 163 条により時効取得できる。

2. 消滅時効

根拠: 民法 166 条 1 項・2 項、167 条、168 条

債権の消滅時効の期間は?

  • 債権者が権利を行使できることを知った時から 5 年
  • 権利を行使することができる時から 10 年

いずれか早いほうの経過で時効が完成する。

確定期限のある債権の、消滅時効の起算点は?

期限が到来した時

不確定期限の債権も期限到来時、期限の定めのない債権は債権成立時から
権利を行使できる(=そこが客観的起算点)。

所有権は時効で消滅する?

消滅しない

所有権は消滅時効にかからない。
ただし、他人が所有権を時効取得することによって失われることはある。

3. 完成猶予と更新

根拠: 民法 147 条 1 項・2 項、148 条、150 条、152 条

「時計を止める(完成猶予)」と「ゼロに戻す(更新)」の 2 段構えになっている。
裁判を起こしただけでは止まるだけで、確定判決で権利が確認されて初めて振り出しに戻る。

裁判上の請求をすると、時効はどうなる?

その事由が終了するまで完成が猶予され、
確定判決等で権利が確定したときに更新される(147 条)

訴えを取り下げた場合は更新されず、終了から 6 か月を経過するまで猶予されるだけ。

催告(内容証明などの請求)をすると、時効はどうなる?

催告の時から 6 か月を経過するまで完成が猶予される(150 条)

更新はしない。また、催告による猶予中に再度催告しても、
猶予の効力は重ねて生じない。

債務者が債務の存在を認めた(承認)。時効はどうなる?

更新される(そこからまた新たに進行を始める・152 条)

承認には相手の権利についての処分能力は不要なので、
被保佐人が単独でした承認も有効。

協議を行う旨の合意が書面でされた場合は?

合意から 1 年(1 年未満の協議期間を定めたときはその期間)を経過するまで
完成が猶予される(151 条)

更新はしない。猶予は通算で 5 年を超えられない。

4. 援用と放棄

根拠: 民法 145 条、146 条、144 条

時効の利益を押しつけないため、援用しなければ効果が生じない。
一方、あらかじめ放棄させると債権者が契約時に放棄を強要できてしまうので、それは禁じられている。

時効の効果はいつ生じる?

当事者が援用したときに確定的に生じる(145 条)

裁判所は、当事者が援用しない限り時効によって裁判できない。

時効を援用できる「当事者」に含まれるのは?

債務者のほか、保証人・連帯保証人・物上保証人・第三取得者など、
時効によって直接に利益を受ける者

一般債権者は、原則として他人の債務の時効を援用できない。

時効の利益をあらかじめ放棄できる?

できない(146 条)

完成後に放棄するのは自由。
また、時効完成を知らずに債務を承認した場合、その後に時効を援用することは
信義則上許されない(判例)。

時効の効力はいつにさかのぼる?

起算日にさかのぼる(144 条)

取得時効なら占有開始時から所有者であったことになるので、
その間の果実(賃料など)も取得者のものになる。

このノートの 15 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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