みならいノート

宅建 2027年度版

免許の要否

みならいノートで覚える(無料)

このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

根拠は宅建業法 2 条(用語の定義)、3 条(免許)、77 条(信託会社等の特例)、78 条 1 項(国・地方公共団体への適用除外)。
2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。

0. どういう制度か

免許は「素人が食い物にされやすい取引を、業として繰り返す者」だけを国の監督下に置くための入口。
だから対象は狭く精密に切ってある。

この 3 つがすべて揃ったときだけ免許が要る。1 つでも欠ければ不要。
問題文を読むときは「土地は宅地か」「自ら貸借になっていないか」「1 回きりでないか」を順に潰すのが速い。

なお、裁判所が選任した破産管財人が破産財団を換価するために自ら売主となる場合は、
裁判所の関与のもとで行う職務であって業として営むものではないので、管財人に免許は要らない
(媒介を依頼された業者のほうは当然に免許が要る)。

1. 何をすると免許が要るか

根拠: 宅建業法 2 条 2 号

免許が要る関わり方は、条文上 自ら / 代理 / 媒介 × 売買 / 交換 / 貸借 の表で決まる。
このうち 「自ら貸借」だけが抜けている。自分の物を自分で貸すのは、
他人の財産を預かって取引を仲立ちする場面ではなく、大家業という別の商売だからで、
規模がどれだけ大きくても業法の出番はない。

免許が必要になる「宅地建物取引業」とは、どんな行為を業として行う場合か?

自ら行う売買・交換と、売買・交換・貸借の代理・媒介

自ら行う貸借だけが入っていない。
交換は売買と同じ扱いで、自ら行っても免許が要る。

自分が所有するアパートを、多数の入居者に反復継続して貸す。免許は必要?

不要

「自ら貸借」は宅地建物取引業に当たらない。
戸数がどれだけ多くても、反復継続していても変わらない。

他人から借りた建物を、自ら貸主として不特定多数に転貸(サブリース)する。免許は必要?

不要

転貸も自らする貸借。
自分が契約の当事者になっている以上、代理でも媒介でもない。

自分が所有するビルを、多数の相手に反復継続して貸すために、貸借の媒介を業者に依頼した。依頼した側に免許は必要?

不要(依頼を受けた業者のほうは必要)

自ら貸借は免許不要のまま。
媒介を業として行う側にだけ免許が要る。

2. 宅地とは何か

根拠: 宅建業法 2 条 1 号

「宅地」は現況ではなく建物を建てるための土地かどうかで決まるのが原則。
ただしそれだけだと線引きが曖昧になるので、条文は用途地域内を丸ごと取り込んだ。
用途地域は市街化を進める区域なので、そこの土地はいずれ建物の敷地になる蓋然性が高いからで、
逆に現に道路・公園・河川等として使われている土地は、建物が建つ見込みがないので外してある。

宅建業法上の「宅地」とは?

建物の敷地に供せられる土地、および用途地域内のその他の土地

用途地域内は、現に道路・公園・河川その他政令で定める公共施設の用に供されているものだけが除かれる。
用途地域の外では「建物の敷地かどうか」だけで判断する。

用途地域内にある農地の売買を、反復継続して媒介する。免許は必要?

必要

用途地域内の土地は、公共施設の用に供されているものを除いてすべて宅地。
現況が農地でも宅地に当たる。

用途地域外にある青空駐車場(建物なし)を、反復継続して売買する。免許は必要?

不要

用途地域外では「建物の敷地に供せられる土地」だけが宅地。
建物が建っていない資材置場・青空駐車場は宅地に当たらない。

用途地域内で、現に道路・公園・水路として使われている土地。宅地に当たる?

当たらない

用途地域内でも、道路・公園・河川その他政令で定める公共施設の用に供されているものは除かれる。
建物が建つ見込みがないため。

マンションの一室(建物の一部)の売買を反復継続して媒介する。免許は必要?

必要

条文が「建物(建物の一部を含む。)」と定めている。
一棟でなくても建物。

3. 「業として」とは

根拠: 宅建業法 2 条 2 号(「業として」)

同じ売買でも、免許が要るのは不特定多数を相手に反復継続する場合だけ。
1 回きりの取引や、特定の相手との個別の取引まで国の監督下に置く必要はないからで、
逆に区画割りして次々に売るような形は、たとえ自分の土地でも事業そのものになる。

自己所有の土地を 10 区画に分割し、不特定多数に分譲する。免許は必要?

必要

自ら売主として、不特定多数を相手に反復継続している。
売る土地が自分のものかどうかは関係ない。

自己所有の土地を、1 回だけ、まとめて 1 社に売却した。免許は必要?

不要

反復継続していないので「業として」に当たらない。

4. そもそも法が適用されない者

根拠: 宅建業法 78 条 1 項、77 条

免許の要否より手前で、法そのものが働かない相手がいる。
国・地方公共団体は監督する側であり、監督される側に置く意味がない。
信託会社は既に信託業法で厳格な監督を受けているので、免許制を二重にかけない。

国や地方公共団体が売主となって宅地を分譲する。免許は必要?

不要(そもそも宅建業法が適用されない)

78 条 1 項が国・地方公共団体を適用除外にしている。
一方、その分譲の媒介をする業者には当然に免許が要る。

信託会社が宅地建物取引業を営むとき、免許は必要?

不要。ただし国土交通大臣への届出が要る

免許に関する規定(3 条〜7 条等)は適用されないが、
それ以外の規定は大臣免許を受けた業者とみなして適用される。
つまり 35 条・37 条書面などの義務はすべて負う。

5. 免許の種類と有効期間

根拠: 宅建業法 3 条 1 項〜5 項、施行規則 3 条

大臣免許か知事免許かは、事務所をどこに置いたかだけで決まる。
複数の都道府県にまたがると 1 つの知事では監督しきれないから大臣が見る、という役割分担にすぎず、
どこの物件を扱えるかという営業範囲の話ではない。

国土交通大臣免許と都道府県知事免許は、何で分かれる?

事務所の所在。2 以上の都道府県に事務所を置けば大臣、1 つの都道府県内だけなら知事

事務所の数ではなく、またがっているかどうかで決まる。
同じ県内に支店を 10 個置いても知事免許のまま。

甲県知事免許の業者が、乙県にある物件の売買を媒介できる?

できる

免許の区分は事務所の所在で決まるだけで、業務を行える地域の制限ではない。

免許の有効期間は? 更新の申請はいつまでに?

有効期間は 5 年。更新の申請は有効期間満了の日の 90 日前から 30 日前まで

期間は免許の種類(大臣・知事)で変わらない。

更新の申請をしたが、満了日までに処分がされなかった。免許はどうなる?

従前の免許が、処分がされるまで効力を持ち続ける

申請者の落ち度ではないため。
更新されたときの新しい有効期間は、従前の満了の日の翌日から起算する
(処分の日からではないので、空白も延長も生じない)。

このノートの 17 問を、暗記カードで復習できます

みならいノートで覚える(無料)

答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

免許の申請と届出 次

このノートは無償で公開しています。当方は内容の正確性・完全性・最新性を保証しません。学習にあたっては、法令の原文・公式の出題範囲その他の一次資料を必ずご確認ください。試験への合格その他の効果を保証するものでもありません。

本文の転載・再配布はお断りしています(利用規約)。手元に置いて使いたい方は、ストアから Markdown ファイルとして入手できます。