生活圏の調査
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理総合」C (2) ア (ア) の「生活圏の調査を基に,地理的な課題の解決に向けた取組や探究する手法などについて理解すること」。
自分の住む地域を対象に、課題を見つけ、資料と現地で確かめ、解決の方向を考えてまとめる地域調査の手順と手法を扱います。
調べる力そのものは実際にやってみて身につけるものですが、手順の順番と、手法の名前と使い分けはカードになります。
0. 何を押さえるか
地域調査は、次の順に進めます。前の段で分かったことが、次の段の問いを決めます。
| 段階 | すること | 使う手法・資料 |
|---|---|---|
| 1. 課題の設定 | 地域の気になることから問いを立て、仮説を置く | 地形図・ハザードマップ・統計の下調べ |
| 2. 文献調査 | 役所や図書館の資料・統計・地図で調べる | 市町村の統計書・広報・新旧地形図・e-Stat |
| 3. 野外調査 | 現地を歩いて観察し、聞き取る | ルートマップ・写真・聞き取り調査・アンケート |
| 4. 整理と分析 | 集めた情報を地図やグラフにして比べる | 主題図・GIS |
| 5. まとめと発表 | 仮説を確かめ、解決に向けた取組を提案する | レポート・ポスター・発表 |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 文献調査が先、野外調査があと。先に資料で見当をつけてから現地に行くと、何を見て、誰に聞けばよいかが決まる
- 人口のような「量」は図形表現図やドットマップ、人口密度や割合のような「率」は階級区分図で表す。量を階級区分図にすると、面積の大きい地域ほど目立って誤解を招く
- まとめで終わらず、地域の課題の解決に向けた取組を考えて提案するところまでが生活圏の調査
1. 課題の設定と文献調査
根拠: 学習指導要領 地理総合-C-(2)-ア-(ア)
調べる対象は、通学路の危険、商店街の衰退、公共交通の減少、災害の危険など、ふだんの生活で気づく地域の課題です。
問いを立てたら、答えの見当(仮説)を置いてから調べ始めます。
地域調査で、課題を設定したあと、調べ始める前に立てておく「答えの見当」を何という?
仮説
仮説があると、どんな資料を集め、現地で何を確かめればよいかがはっきりする。調べた結果、仮説が違っていれば修正する。
地域調査で、野外調査の前に、役所・図書館の資料や統計・地図で地域のことを調べておく手法を何という?
文献調査
市町村の統計書や広報、郷土史、新旧の地形図などを使う。政府の統計はポータルサイトの e-Stat で探せる。
統計や報告書などのうち、他人が調べてまとめたものを二次資料と呼ぶのに対し、自分で現地に行って観察・聞き取りして得た資料を何という?
一次資料
野外調査で集める。文献調査で分からないことを確かめるために集める。
2. 野外調査
根拠: 学習指導要領 地理総合-C-(2)-ア-(ア)
野外調査(フィールドワーク)は、現地を歩いて自分の目で確かめる調査です。事前に地図に歩く道筋を書き込み、見るべき所を決めておきます。
実際に現地を訪れ、土地の様子を観察したり人に話を聞いたりして調べる調査を何という?
野外調査(フィールドワーク)
文献調査で立てた見当を、現地で確かめる。
野外調査の前に、歩く道筋と観察する地点を地図に書き込んで作る地図を何という?
ルートマップ
調査中は、気づいたことや撮った写真の地点をこの地図に書き加えていく。
地域の人や役所・商店などを訪ね、直接話を聞いて、資料にない事情や人々の考えを調べる手法を何という?
聞き取り調査
前もって質問を用意し、相手の了解を得て行う。多くの人に同じ質問をして傾向を知るにはアンケート調査を使う。
3. 整理と分析
根拠: 学習指導要領 地理総合-C-(2)-ア-(ア)
集めた情報は、地図に表すと場所どうしの違いや広がりが見えてきます。表し方は、表す数値の種類で選びます。
人口密度や高齢者の割合のような「率」を、地域ごとに色の濃さや模様で塗り分けて表す主題図を何という?
階級区分図
人口などの「量」を階級区分図にすると、面積の大きい地域が目立って誤解を招く。量は図形表現図やドットマップで表す。
人口などの「量」を、円や棒などの図形の大きさで地域ごとに表す主題図を何という?
図形表現図
点の数で量と分布を表すものはドットマップ、人や物の移動の量と向きを線の太さで表すものは流線図という。
さまざまな地理情報をコンピュータ上で地図に重ね合わせ、分析したり表示したりするしくみを何という?
GIS(地理情報システム)
ハザードマップと避難所の位置、人口の分布などを重ねると、地域の課題が見えやすくなる。
4. まとめと地域の展望
根拠: 学習指導要領 地理総合-C-(2)-ア-(ア)
調査の最後には、分かったことをまとめ、地域の課題について解決に向けた取組を考えます。
取組は、ほかの地域の似た事例と比べたり、その地域の強みを生かしたりして考えます。生活圏の調査は、地域を持続可能にするための提案で締めくくります。
生活圏の調査の最後の段階で、調べて分かったことをもとに行うことは?
地域の課題の解決に向けた取組を考え、提案・発表する
調べた結果を報告するだけで終わらせず、地域の将来のあり方(展望)まで考える。
高齢化や人口減少が進む地域で、住まいや病院・商店などの機能を中心部に集め、公共交通で結んで、歩いて暮らせるまちをつくろうとする考え方を何という?
コンパクトシティ
郊外に広がった市街地を維持する費用を抑え、車を運転できない人も暮らしやすくすることをめざす。