宗教と生活
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理総合」B (1) ア (ア) の「人々の生活文化が地理的環境から影響を受けたり,影響を与えたりして多様性をもつこと」。
内容の取扱いは、生活と宗教の関わりなどについて取り上げるよう求めています。
宗教は、食べ物・一日や一年の過ごし方・町の景観など、生活文化の多くの部分に表れます。
このノートは、どの地域にどの宗教が広まっているかと、それぞれの宗教で守られているきまりが暮らしにどう表れるかを扱います。
宗教どうしに優劣はなく、ここでは信仰の中身を「〜とされる」「〜を守る」という形で書きます。
0. 何を押さえるか
| 宗教 | 広がり方 | 主な地域 | 暮らしに表れるきまりの例 |
|---|---|---|---|
| キリスト教 | 世界宗教 | ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニア | 日曜日に教会で礼拝する、クリスマス・復活祭 |
| イスラーム | 世界宗教 | 西アジア、北アフリカ、中央アジア、東南アジアの一部 | 豚肉を口にしない、1 日 5 回の礼拝、ラマダーンの断食 |
| 仏教 | 世界宗教 | 東アジア、東南アジア大陸部、チベット・モンゴル | 僧侶の托鉢、出家 |
| ヒンドゥー教 | 民族宗教 | インド、ネパール | 牛を神聖なものとし牛肉を口にしない、ガンジス川での沐浴 |
| ユダヤ教 | 民族宗教 | イスラエル | 安息日を守る、定められた食べ物のきまり |
信者の数は調べる年や方法で変わるので、このノートでは扱いません。
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 世界宗教は民族を超えて広まった宗教、民族宗教は特定の民族と結び付いた宗教。信者の多さで分けているのではない
- 上座仏教は東南アジア大陸部、大乗仏教は東アジア。タイ・ミャンマーは上座仏教、中国・朝鮮半島・日本は大乗仏教
- ラマダーンの時期は毎年ずれる。イスラームの暦(ヒジュラ暦)は月の満ち欠けによる太陰暦で、1 年が太陽暦より短いから
1. 宗教の分布
根拠: 学習指導要領 地理総合-B-(1)-ア-(ア)
宗教の分布は、布教・交易・植民地支配・移民など、人の移動の歴史を映しています。
ラテンアメリカにカトリックが多いのは、スペインやポルトガルの植民地だった歴史的背景によるものです。
| キリスト教の宗派 | 主な地域 |
|---|---|
| カトリック | 南ヨーロッパ、ラテンアメリカ、フィリピン |
| プロテスタント | 北西ヨーロッパ、アメリカ合衆国 |
| 正教会 | 東ヨーロッパ、ロシア |
民族の枠を超えて世界の広い地域に広まった世界宗教とされる 3 つの宗教は?
キリスト教・イスラーム・仏教
世界宗教か民族宗教かは、信者の数ではなく、特定の民族を超えて広まったかどうかで分ける。
ヒンドゥー教やユダヤ教のように、特定の民族と結び付いて信仰されてきた宗教を何という?
民族宗教
日本の神道も民族宗教にあたる。
キリスト教のうち、東ヨーロッパやロシアに広まっている宗派は?
正教会(東方正教)
南ヨーロッパやラテンアメリカにはカトリック、北西ヨーロッパにはプロテスタントが広まっている。
仏教のうち、タイやミャンマーなど東南アジア大陸部に広まった系統は?
上座仏教
中国・朝鮮半島・日本に伝わったのは大乗仏教、チベットやモンゴルに広まったのはチベット仏教。
イスラームの 2 つの大きな宗派のうち、イランで信仰する人が多い宗派は?
シーア派
もう 1 つの宗派はスンナ派。
2. イスラームと生活
根拠: 学習指導要領 地理総合-B-(1)-ア-(ア)
イスラームでは、信仰の内容とあわせて、日々の行いのきまりが生活の中で守られています。
イスラームの人々を迎える場では、食事や礼拝の場所への配慮が求められます(多文化の共存と国際理解)。
イスラームの教えで、口にしないとされている肉は?
豚肉
飲酒もしないとされる。
イスラームの教えで食べたり使ったりすることが許されているもの(食品の処理方法なども含む)を何という?
ハラール
教えにかなった処理がされていることを示す認証の表示が、食品などに付けられることがある。
イスラームで、日の出から日没まで飲食をしない断食を行う月を何という?
ラマダーン
ヒジュラ暦(太陰暦)の 9 月にあたり、太陽暦で見ると毎年時期がずれる。
イスラームの人々が 1 日 5 回の礼拝で向く方向は?
聖地メッカ(マッカ)のカーバ神殿の方向
金曜日の昼には、モスクで集団礼拝が行われる。
モスクに付属する塔で、礼拝の時刻を知らせる呼びかけ(アザーン)を行う場所を何という?
ミナレット
モスクとミナレットは、イスラームが広まった地域の町の景観を特徴づけている。
3. ほかの宗教と生活
根拠: 学習指導要領 地理総合-B-(1)-ア-(ア)
どの宗教にも、食べ物・休む日・人生の節目についてのきまりがあり、それが地域の生活文化になっています。
ヒンドゥー教で神聖なものとされ、その肉を口にしないとされている動物は?
牛
インドでは、菜食を守る人も多い。
ヒンドゥー教の人々が聖なる川とし、沐浴を行う、インド北部を流れる川は?
ガンジス川
川沿いのヴァラナシ(ベナレス)は代表的な聖地で、沐浴のための階段状の岸(ガート)が並ぶ。
ユダヤ教で、金曜日の日没から土曜日の日没まで労働を休むとされる日を何という?
安息日
キリスト教では日曜日、イスラームでは金曜日が、礼拝の中心となる日とされる。
上座仏教の地域で、僧侶が朝に家々を回り、人々から食べ物の施しを受ける修行を何という?
托鉢
タイなどでは、男性が一生に一度は出家して寺で修行するのがよいとされてきた。