鉱産資源
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理探究」A (2) ア (ア) の「資源・エネルギーや農業,工業などに関わる諸事象」の空間的な規則性,傾向性を理解すること。
内容の取扱いは、技術革新などによって新たに資源の利用が可能になったり、新たな産業が生まれたりすることを踏まえるよう求めています。
このノートは、鉄鉱石と鉄鋼業、銅・ボーキサイトなどの非鉄金属、先端産業に欠かせないレアメタル、そして技術が資源の範囲を広げる動きを扱います。
0. 何を押さえるか
鉱産資源の分布も、エネルギー資源と同じく地質の成り立ちで説明できます。
| 資源 | 分布の規則 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 鉄鉱石 | 安定陸塊の、先カンブリア時代の古い地層 | 鉄鋼 |
| 銅 | 新期造山帯(環太平洋)の火山の周辺、アフリカのカッパーベルト | 電線・電子部品 |
| ボーキサイト | 熱帯の、岩石が強く風化した土壌 | アルミニウム |
| レアメタル | 特定の国・地域に偏る | 電池・磁石・半導体など先端産業 |
産出量の国別順位は変わるので、このノートでは扱いません。教科書・地図帳の最新の統計で確かめてください。
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 鉄鉱石は安定陸塊、銅は新期造山帯。鉄鉱石は古い大陸の中心部、銅は火山活動の盛んな変動帯に多い
- ボーキサイトの産地とアルミニウムの精錬地は違う。精錬には大量の電力が要るので、電力の安い国で行われる
- レアメタルは量が少ないだけではない。産地が少数の国に偏るため、供給が止まる危険(供給リスク)がある
1. 鉄鉱石と鉄鋼業
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(2)-ア-(ア)
鉄鋼は、鉄鉱石を石炭(コークス)で溶かして還元して作ります。
鉄鉱石の大産地は、オーストラリア北西部のピルバラ地区やブラジルのカラジャスなど、古い大陸の中にあります。
鉄鉱石が安定陸塊に多く分布するのはなぜか?
先カンブリア時代の海に溶けていた鉄分が沈殿してできた地層が、古い大陸に残っているから
長い間大きな地殻変動を受けなかった安定陸塊(楯状地など)に、大規模な鉱床が残っている。
鉄鉱石・コークス・石灰石を炉に入れて、鉄鉱石から鉄を取り出す大型の炉を何というか?
高炉
鉄くず(スクラップ)を電気の熱で溶かして鉄鋼を作る炉は電炉という。電炉は鉄鉱石や原料炭を使わず、国内で出るスクラップを原料にでき、二酸化炭素の排出も少ない。
2. 非鉄金属
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(2)-ア-(ア)
鉄以外の金属を非鉄金属といいます。電気をよく通す銅、軽いアルミニウムなどが代表です。
ザンビアからコンゴ民主共和国にかけて、銅鉱の産地が帯のように連なる地域を何というか?
カッパーベルト
内陸の国なので、鉄道で港まで運び出す。銅の輸出に頼るモノカルチャー経済の例としても挙がる。
南アメリカで、アンデス山脈の周辺に大規模な銅山が集まり、銅の輸出が経済の柱になってきた国はどこか?
チリ
新期造山帯の環太平洋の火山活動に伴って銅の鉱床ができた。北部のチュキカマタ銅山が知られる。
アルミニウムの原料となる鉱石を何というか?
ボーキサイト
熱帯で岩石が強く風化し、アルミニウムの成分が残った赤い土の中にある。ギニア・オーストラリア・ブラジルなどが産地。
アルミニウムの精錬が、水力発電などで電力の安い国で行われるのはなぜか?
精錬に大量の電力を使うから
「電気の缶詰」とも呼ばれる。電力の高い日本では国内での精錬はほとんど行われなくなり、地金を輸入している。
3. レアメタル
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(2)-ア-(ア)
電子機器や電気自動車、再生可能エネルギーの設備が増えるほど、先端産業を支える金属の需要は高まります。
地球上の存在量が少なかったり、取り出すのが難しかったりする金属で、先端産業に欠かせないものをまとめて何というか?
レアメタル(希少金属)
リチウム・コバルト・ニッケル・レアアース(希土類)などがある。少しの量で製品の性能を大きく高める。
チリ・アルゼンチン・ボリビアの国境付近の塩湖に多く、電気自動車やスマートフォンの電池に使われるレアメタルは何か?
リチウム
リチウムイオン電池の材料。電気自動車の普及で需要が急に伸びている。
レアメタルの確保が各国の課題になるのはなぜか?
産地が少数の国に偏り、輸出の制限などで供給が止まる危険があるから
日本は代わりの材料の開発、産出国の分散、国内での備蓄などを進めてきた。
廃棄された携帯電話や家電の中に含まれる金属を、資源として見立てたものを何というか?
都市鉱山
回収して再利用すれば、輸入に頼る金属を国内で得られる。天然の鉱山より金属の濃度が高い場合もある。
4. 技術革新と資源
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(2)-ア-(ア)
ある物質が資源になるかどうかは、それを取り出す技術と、見合う価格があるかで決まります。
採掘や選鉱の技術が進むと、以前は採算が合わなかった品位の低い鉱石や、深い海の底の資源も対象になります。
低温・高圧の海底の地層に、メタンが水と結び付いて氷のような状態で閉じ込められた資源を何というか?
メタンハイドレート
「燃える氷」とも呼ばれる。日本の周辺の海底にも存在が確認され、取り出す技術の開発が進められている。
同じ鉱山でも、ある時代には資源とされなかった低品位の鉱石が、のちに採掘の対象になるのはなぜか?
採掘や精錬の技術が進み、価格とつり合って採算が合うようになるから
大型機械による露天掘りや、少ない金属分を効率よく取り出す技術が、資源の量を実質的に増やしてきた。
深い海底に分布し、マンガン・ニッケル・コバルトなどを含む、じゃがいものような形の塊を何というか?
マンガン団塊
深い海の底にあるため、採掘の技術と費用が課題になっている。日本の南鳥島の周辺ではレアアースを含む泥も見つかっている。