通信と情報通信ネットワーク
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理探究」A (3) ア (ア) の「交通・通信網と物流や人の移動に関する運輸,観光などに関わる諸事象」。
内容の取扱いは、通信施設などの施設とともに、通信手段を介した情報通信ネットワークなどの結び付きを取り上げるとしています。
このノートは、情報を運ぶ仕組みと、それが産業の立地や人々の暮らしをどう変え、どんな格差を生んでいるかを扱います。
0. 何を押さえるか
情報は物と違って重さが無く、通信網さえあれば一瞬で地球の裏側へ届きます。そのため、距離よりも「つながっているかどうか」が大事になりました。
| 手段 | 特徴 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 海底ケーブル(光ファイバー) | 大容量・高速・遅れが小さい | 大陸と大陸の間のデータ通信の大部分 |
| 通信衛星 | ケーブルを敷かずに広い範囲へ届く | 離島・山間部・海上・航空機、放送、災害時 |
| 携帯電話の基地局 | 固定回線を引かずに広い地域をつなげる | 固定電話の普及が遅れた発展途上国 |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 大陸間の通信の主役は衛星ではなく海底ケーブル。衛星は大容量の通信では海底ケーブルに及ばない
- インドのソフトウェア産業は時差を強みにした。アメリカ合衆国と昼夜が逆なので、夜の間に仕事を引き継げる
- デジタルデバイドは国と国の間だけでなく、国の中にもある。所得・年齢・住む地域で差が出る
1. 通信網の仕組み
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(3)-ア-(ア)
電信・電話から始まった通信は、いまはインターネットを通じて文字・音声・映像を同じ網で運んでいます。
大陸と大陸の間のデータ通信の大部分を運んでいるのは、通信衛星と海底ケーブルのどちらか?
海底ケーブル
光ファイバーを使った海底ケーブルは、衛星より一度に送れる量が多く、届くまでの遅れも小さい。
光ファイバーの通信が、銅線を使った通信より優れている点は?
一度に大量の情報を、高速に遠くまで送れる点
光の信号で情報を送るので、弱まりにくく雑音にも強い。海底ケーブルや家庭の高速回線に使われる。
ケーブルを引きにくい場所で通信衛星が役立つのは、どんな所か?
離島・山間部・海上や、災害で地上の回線が切れた地域
地上の設備が無くても、上空の衛星を通して広い範囲に届けられる。放送にも使われる。
情報や通信に関わる技術をまとめて何というか?(アルファベット 3 文字)
ICT(情報通信技術)
コンピュータとインターネットによって情報を集め、処理し、伝える技術の総称。
2. 情報通信と産業の立地
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(3)-ア-(ア)
情報通信網が整うと、仕事の一部を遠く離れた場所に任せられるようになり、新しい産業の集まる地域が生まれました。
インド南部で、ソフトウェア開発などの ICT 産業が集まる都市は?
ベンガルール(旧称バンガロール)
アメリカ合衆国などの企業から、プログラムの開発やデータ処理の仕事を請け負ってきた。
インドで ICT 産業が伸びた理由を、言葉・人材・時差の 3 点から説明すると?
英語を話せる人が多い、数学・理科に強い技術者が多く賃金が比較的安い、アメリカ合衆国と昼夜が逆で夜の間に仕事を進められる
時差がほぼ半日あるので、アメリカで夕方に頼んだ仕事が翌朝には仕上がっている、という分業ができる。
アメリカ合衆国のサンフランシスコ郊外にある、半導体やインターネット関連の企業が集まる地域を何というか?
シリコンバレー
大学の研究と企業、資金を出す投資家が近くに集まり、新しい企業が次々に生まれた。
インターネットを通じて商品を注文・販売することを何というか? それは物流をどう変えたか?
電子商取引(Eコマース)。個人あての小口の宅配が増え、大型の物流拠点が高速道路の近くに増えた
店を通さずに倉庫から家へ直接届けるため、配送の担い手不足が課題になっている。
情報通信技術を使って、会社に行かず自宅などで働くことを何というか?
テレワーク
通勤の負担が減り、大都市から離れた場所に住みながら働くこともできるようになった。
3. デジタルデバイド
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(3)-ア-(ア)
情報通信網は世界を結び付けた一方で、使える人と使えない人の差を広げてもいます。
情報通信技術を使える人と使えない人の間に生まれる格差を何というか?
デジタルデバイド(情報格差)
国の間では、先進国と発展途上国の差。国の中では、所得・年齢・都市と農村の差として現れる。
アフリカなどの発展途上国で、固定電話よりも先に携帯電話が広まったのはなぜか?
電話線を各家庭に引くより、基地局を建てるほうが安く速く広い地域をつなげるから
固定電話の段階を飛ばして、いきなり携帯電話の時代に入った地域が多い。
ケニアなどで広がった、携帯電話を使って送金や支払いをする仕組みを何というか?
モバイルマネー
銀行の支店が少ない農村でも、携帯電話があれば出稼ぎ先から家族へお金を送れる。