大地形とプレート
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理探究」A (1) ア (ア) の「地形,気候,生態系などに関わる諸事象を基に,それらの事象の空間的な規則性,傾向性や,地球環境問題の現状や要因,解決に向けた取組などについて理解すること」。
このノートは地形のうち、大陸や山脈の規模の大地形が、どんな規則で分布しているかを扱います。
0. 何を押さえるか
大地形の分布は、2 つの見方で説明できます。1 つはプレートの境界(いま動いている場所)、もう 1 つは造山運動を受けた時代(どれだけ長く侵食されてきたか)です。
| 区分 | 造山運動を受けた時代 | 地形の様子 | 例 |
|---|---|---|---|
| 安定陸塊 | 先カンブリア時代。その後は大きな変動がない | 長い侵食で平坦(楯状地・卓状地) | カナダ楯状地、バルト楯状地、ブラジル高原、オーストラリア西部 |
| 古期造山帯 | 古生代 | 長い侵食でなだらかな山地 | アパラチア山脈、ウラル山脈、グレートディヴァイディング山脈 |
| 新期造山帯 | 中生代〜新生代(いまも続く) | 高く険しい山地。地震・火山が多い | 環太平洋造山帯、アルプス=ヒマラヤ造山帯 |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 地震・火山が多いのは新期造山帯(変動帯)。安定陸塊と古期造山帯はプレートの境界から離れている
- 古期造山帯が低いのは、古いぶん長く侵食されたから。ただしテンシャン山脈のように、のちに再び隆起して高いものもある
- ハワイの火山はプレートの境界ではない。プレートの内部で地下から熱い物質が上がってくるホットスポットによる
1. プレートの境界の 3 つの型
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(1)-ア-(ア)
地球の表面は十数枚の硬い岩盤(プレート)に分かれ、それぞれが年に数 cm ほどの速さで動いています。
地震・火山活動・大きな山脈の形成は、プレートどうしが接する境界に集中します。
プレートどうしが離れていく「広がる境界」で、海底にできる山脈状の高まりを何というか?
海嶺
地下からマグマが上がって新しいプレートがつくられる場所。大西洋の中央を南北に走る大西洋中央海嶺が代表で、アイスランドはその海嶺が海面上に現れた島。
広がる境界が陸上にある例で、アフリカ東部を南北に走る大きな谷は?
アフリカ大地溝帯(グレートリフトヴァレー)
大陸が引き裂かれつつある場所で、谷に沿って火山や細長い湖が並ぶ。
「狭まる境界」のうち、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むところには、どんな地形がセットでできるか?
海溝と、それに並行する弧状列島(島弧)や火山の列
沈み込んだプレートの上でマグマが生じるため、海溝と並行に火山が並ぶ。日本列島はその典型。
「狭まる境界」で大陸プレートどうしがぶつかると、何ができるか? 代表例とともに答えよ。
高く大きな褶曲山脈。例はヒマラヤ山脈
インド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートにぶつかってできた。沈み込みではなく衝突なので、火山は少ない。
プレートどうしが水平にすれ違う「ずれる境界」の代表で、アメリカ合衆国カリフォルニア州を通る断層は?
サンアンドレアス断層
ずれる境界ではプレートがつくられも沈み込みもしないので火山は少ないが、横ずれの地震が起きる。
日本列島の付近で接している 4 つのプレートは?
ユーラシアプレート・北アメリカプレート・太平洋プレート・フィリピン海プレート
海洋プレート(太平洋・フィリピン海)が陸側のプレートの下に沈み込むため、日本は地震と火山が多い。
2. 安定陸塊・古期造山帯・新期造山帯
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(1)-ア-(ア)
大陸の大地形は、最後に造山運動を受けた時代によって 3 つに分けられます。
時代が古いほど侵食を受けた時間が長く、起伏が小さくなるのが基本の規則です。
先カンブリア時代の岩盤が地表に広く現れている、安定陸塊の平坦な地形を何というか?
楯状地
盾を伏せたようななだらかな形からの名。カナダ楯状地やバルト楯状地が例。
安定陸塊のうち、先カンブリア時代の岩盤の上に、古生代以降の地層がほぼ水平に積み重なった地形を何というか?
卓状地
楯状地との違いは、古い岩盤が露出しているか(楯状地)、新しい地層に覆われているか(卓状地)。東ヨーロッパ平原(ロシア卓状地)が例。
古期造山帯の山地が、新期造山帯に比べて低くなだらかなのはなぜか?
造山運動のあと、長い時間侵食を受けてきたから
アパラチア山脈やウラル山脈が例。テンシャン山脈のように、古期造山帯でものちの断層運動で再び隆起して高いものがある。
新期造山帯の 2 つの大きな帯は?
環太平洋造山帯とアルプス=ヒマラヤ造山帯
環太平洋造山帯はアンデス山脈・ロッキー山脈・日本列島などを含み、太平洋をぐるりと囲む。アルプス=ヒマラヤ造山帯はヨーロッパからヒマラヤを経て東へ延びる。
プレートの境界に沿って地震や火山活動が活発な地域を、安定した地域に対して何と呼ぶか?
変動帯
新期造山帯や海嶺・海溝がこれに当たる。安定陸塊や古期造山帯は変動帯から外れた安定地域。
3. ホットスポットと鉱産資源
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(1)-ア-(ア)
大地形の区分は、火山の分布や鉱産資源の分布を読む手がかりにもなります。
資源の産出量や順位は年ごとに変わるので、ここでは「どの大地形に結び付きやすいか」という傾向だけを押さえます。
ハワイ諸島の火山は、プレートの境界から遠く離れているのに活発である。この火山ができる場所を何というか?
ホットスポット
プレートの下の決まった場所から熱い物質が上がってくる。プレートは動くので、古い火山島ほどホットスポットから離れた位置に並ぶ。
安定陸塊と、古期造山帯に、それぞれ結び付きやすい代表的な鉱産資源は?
安定陸塊は鉄鉱石、古期造山帯は石炭
鉄鉱石は先カンブリア時代の古い地層に多い。石炭は古生代(石炭紀など)に茂った植物が地層に埋もれてできたため、その時代に造山運動を受けた地域に多い。
新期造山帯の環太平洋造山帯に沿って多く産出する金属資源の代表で、アンデス山脈のチリなどで採掘されているものは?
銅鉱
マグマの活動に伴って金属が濃集するため、変動帯の山地に鉱床ができやすい。