サハラ以南のアフリカ
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理探究」B (2) ア (ア) の「諸地域に見られる地域的特色や地球的課題などについて理解すること」。
このノートは、サハラ砂漠より南のアフリカを、気候帯と農業、モノカルチャー経済、植民地支配が残した国境と言語、アフリカ連合(AU)の順に扱います。人口の急増や砂漠化、紛争と難民は、この地域で地球的課題がはっきり現れている例です。
0. 何を押さえるか
アフリカは赤道をまたいで南北に広がるので、気候帯が赤道を軸にほぼ対称に並び、その気候帯ごとに農業の型が変わります。
| 気候帯 | 主な場所 | 主な農業・土地利用 |
|---|---|---|
| 熱帯雨林気候(Af) | コンゴ盆地、ギニア湾岸 | 焼畑農業(キャッサバ・ヤムいも)、カカオなどのプランテーション |
| サバナ気候(Aw) | 熱帯雨林の南北 | 焼畑農業、落花生・綿花などの栽培、牧畜 |
| ステップ気候(BS) | サヘル、南部の内陸 | 遊牧、牧畜 |
| 砂漠気候(BW) | サハラ砂漠、カラハリ砂漠、ナミブ砂漠 | オアシス農業、遊牧 |
| 温帯(Cs・Cw など)・高原 | 南端のケープ地方、東アフリカの高原 | 地中海式農業、茶・コーヒーのプランテーション |
どの国が何をどれだけ生産・輸出しているかは年によって変わるので、このノートでは扱いません。
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 赤道直下でも東アフリカの高原は涼しい。標高が高いので気温が下がり、ヨーロッパ人の入植や茶・コーヒーの栽培が進んだ
- 直線的な国境は自然や民族の境ではない。植民地を分けた列強が経線・緯線を使って引いた
- モノカルチャー経済は「作物が 1 つしか育たない」ことではない。輸出が特定の一次産品に偏っている経済のことで、鉱産資源の国も含む
1. 気候帯と自然
根拠: 学習指導要領 地理探究-B-(2)-ア-(ア)
大陸の中央を赤道が通るため、赤道低圧帯と中緯度高圧帯の季節移動に応じて、熱帯雨林からサバナ、ステップ、砂漠へと帯状に気候が移り変わります。
東部には大地溝帯が南北に走り、火山や細長い湖、高原が並びます。
アフリカの気候帯が、赤道を軸にほぼ南北対称に並ぶのはなぜか?
大陸が赤道をまたいで南北に同じくらい広がっているから
赤道低圧帯と中緯度高圧帯が季節とともに南北へ動くので、赤道から離れるにつれて熱帯雨林→サバナ→ステップ→砂漠と同じ順に並ぶ。
サハラ砂漠の南縁に帯状に広がるサヘルで、干ばつが起きやすいのはなぜか?
ステップ気候の半乾燥地域で、雨季が短く、降水量の年ごとの変動が大きいから
赤道低圧帯が北上する夏だけ雨が降るので、北上が弱い年は雨が足りない。干ばつに、人口増加に伴う過放牧・過耕作・薪の採りすぎが重なり、砂漠化が進んだ。
東アフリカのアフリカ大地溝帯(グレートリフトヴァレー)に沿って並ぶ、プレートが広がる境界ならではの地形は何か?
火山と、細長く深い湖
キリマンジャロ山などの火山や、タンガニーカ湖などの細長い湖が並ぶ。大陸が引き裂かれつつある場所。
2. 農業とモノカルチャー経済
根拠: 学習指導要領 地理探究-B-(2)-ア-(ア)
熱帯の森林やサバナでは、自給のための焼畑農業が今も広く行われています。
一方、植民地時代にはヨーロッパの資本が輸出用の作物を大規模に栽培させ、独立後も特定の一次産品の輸出に頼る経済が残りました。
熱帯の森林やサバナで行われる、樹木を焼き払い、灰を肥料にして数年耕作したら別の土地へ移る農業を何というか?
焼畑農業
キャッサバやヤムいもなどのいも類を主に作る。休閑期間を十分にとれば森林が回復するが、人口が増えて休閑が短くなると土地が荒れる。
ギニア湾岸の国々で、カカオのプランテーションが広がったのはなぜか?
高温多雨の熱帯雨林気候が、カカオの栽培に適しているから
チョコレートの原料。コートジボワールやガーナなどギニア湾岸の国々の重要な輸出品になっている。
赤道に近いケニアの高原で、植民地時代にイギリス人が茶のプランテーションを開けたのはなぜか?
標高が高く、赤道付近でも気温が穏やかだから
高原は低地より涼しく、雨にも恵まれる。エチオピア高原はコーヒーの原産地とされる。
サハラ以南のアフリカの多くの国で、独立後もモノカルチャー経済が続いたのはなぜか?
植民地時代に宗主国向けの一次産品を作る経済の仕組みがつくられ、独立後も工業を育てる資本や技術が足りなかったから
モノカルチャー経済は、国の輸出が特定の農産物や鉱産資源などの一次産品に大きく偏っている経済のこと。
モノカルチャー経済の国は、どのような点で経済が不安定になりやすいか?
輸出品の国際価格の変動や不作で、国の収入が大きく揺れる
輸出品が 1〜2 品目に偏っているため、その価格が下がると外貨収入全体が落ち込む。多角化が課題とされる。
3. 鉱産資源
根拠: 学習指導要領 地理探究-B-(2)-ア-(ア)
アフリカは銅・金・ダイヤモンド・レアメタル・原油などの資源に恵まれていますが、資源の輸出に頼るとモノカルチャー経済の弱点を抱えることになります。
南アフリカ共和国は金や白金、クロムなどのレアメタルを産し、ナイジェリアはギニア湾岸で原油を産出して OPEC に加盟しています。
ザンビアからコンゴ民主共和国にかけてのカッパーベルトで産出する銅を、ザンビアが輸出するうえで不利な点は何か?
海に面していない内陸国なので、隣の国の港まで鉄道などで運ばなければならないこと
ザンビアは銅の輸出に大きく頼ってきたため、モノカルチャー経済の典型とされる。
ニジェール川の河口付近で原油を産し、その輸出に大きく頼るギニア湾岸の国はどこか?
ナイジェリア
石油輸出国機構(OPEC)に加盟している。原油収入の配分や産油地域の環境汚染が国内の対立の火種にもなってきた。
4. 植民地支配と国境・言語
根拠: 学習指導要領 地理探究-B-(2)-ア-(ア)
20 世紀の初めまでに、エチオピアとリベリアを除くアフリカのほぼ全域がヨーロッパ列強の植民地に分割されました。
その境界が独立後の国境になったため、1 つの民族が複数の国に分かれたり、対立する民族が 1 つの国にまとめられたりして、内戦や難民の原因にもなりました。
アフリカに経線や緯線に沿った直線的な国境が多いのはなぜか?
ヨーロッパ列強が、民族の分布と関係なく植民地の境界を引き、それが独立後の国境になったから
1884〜85 年のベルリン会議のころから分割が急速に進んだ。民族が国境で分断され、紛争の背景になっている。
多くのアフリカ諸国で、英語やフランス語が公用語になっているのはなぜか?
旧宗主国の言語が、多くの民族語をまたぐ共通語として使われているから
1 つの国の中に言語の異なる多数の民族が暮らすので、行政や教育では植民地時代の言語が共通語として残った。
17 か国が独立し「アフリカの年」と呼ばれたのは何年か?
1960 年
第二次世界大戦後の独立の波がこの年に集中した。多くは旧フランス領の国々だった。
南アフリカ共和国でアパルトヘイトの関連法が廃止されたあと、1994 年に何が行われ、政治はどう変わったか?
全人種が参加する選挙が行われ、黒人の大統領(マンデラ)が誕生した
アパルトヘイトは、白人以外の人々を差別し居住地などを分けた人種隔離政策で、1991 年に関連法が廃止された。
5. アフリカ連合(AU)と地球的課題
根拠: 学習指導要領 地理探究-B-(2)-ア-(ア)
独立後の国々は、協力して紛争の解決や経済の発展に取り組むための地域機構をつくってきました。
人口の急増、食料不足、都市のスラム、紛争と難民など、地球的課題の多くがこの地域に重なって現れています。
2002 年にアフリカ統一機構(OAU)を改組して発足した、アフリカのほぼすべての国・地域が加わる地域機構は何か?
アフリカ連合(AU)
本部はエチオピアのアディスアベバにある。EU を手本に、政治・経済の統合と紛争の予防・解決をめざす。
サハラ以南のアフリカの多くの国で人口が急増しているのは、人口転換のどの段階にあるからか?
多産少死の段階
医療や衛生の改善で死亡率は下がったが、出生率がまだ高いため人口が急に増える。食料・雇用・都市の住宅の不足につながる。