造山帯と安定地塊
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (2) ア (ア) ㋓「変成作用と変成岩」。
内容の取扱いは「造山帯の特徴を安定地塊と対比させて扱うこと」を求めている。
0. どういう論点か
大陸は、いま動いている場所と動きが止まって久しい場所に分かれます。
告示が「対比させて扱う」と言っているとおり、表で並べて覚える論点です。
| 造山帯 | 安定地塊 | |
|---|---|---|
| 地殻変動 | 活発(隆起・地震・火山) | ほとんど無い |
| 地形 | 高く険しい山脈 | 平坦(平原・台地) |
| 岩石の年代 | 新しい(中生代以降のものを含む) | 古い(先カンブリア時代) |
| 熱流量 | 大きい | 小さい |
| 例 | 環太平洋・アルプス-ヒマラヤ | カナダ楯状地・バルト楯状地 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 安定地塊は「かつて造山帯だった場所」(造山運動を受けていないのではない)
- 標高が低いのは削られたから(もとから低いのではない)
- 古い岩石が地表に出ているのは、上が侵食で取り去られたから
1. 造山運動と造山帯
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋓
造山運動とは?
プレートの収束によって地層が強く変形し、隆起して山脈ができる一連の現象
褶曲・断層・変成作用・火成活動を伴う。
造山帯とは?
造山運動が起きている(または最近起きた)帯状の地域
地震・火山・変成作用が集中する。
現在の造山帯を 2 つ挙げると?
環太平洋造山帯と、アルプス-ヒマラヤ造山帯
どちらもプレートの収束境界にあたる。
造山運動は 2 種類に分けられる。それぞれどんな場所で起こる?
島弧-海溝型(プレートの沈み込み)と、衝突型(大陸どうしの衝突)
日本は前者、ヒマラヤは後者。
大陸が衝突してできた造山帯の特徴は?
海洋の堆積物や海洋地殻の断片が高所に押し上げられている
ヒマラヤの山頂近くに海の化石が出る。
造山帯に変成岩が多いのはなぜ?
強い圧力と高い温度を受ける場所だから(広域変成作用)
→ 変成作用と変成岩
オフィオライトとは何?何を示す?
陸上に押し上げられた海洋地殻とマントルの断片。かつてそこに海洋があったこと
造山帯の成り立ちを読む手がかりになる。
2. 安定地塊
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋓
安定地塊とは?
長い間、大きな地殻変動を受けていない大陸の部分
地震・火山がほとんど無く、平坦な地形をつくる。
安定地塊は、かつて何だった場所?
造山帯(古い時代に造山運動を受けた場所)
運動が終わり、侵食されて平坦になった。
楯状地(盾状地)とは?
先カンブリア時代の岩石が広く地表に露出している、ゆるやかな高まり
カナダ楯状地・バルト楯状地など。
卓状地とは?
先カンブリア時代の岩石の上に、古生代以降の地層がほぼ水平に薄くのっている平坦地
楯状地のまわりに広がる。
安定地塊で古い岩石が地表に出ているのはなぜ?
長い時間に上の地層が侵食で取り去られ、深部にあった岩石が現れたから
変成岩や花こう岩が広く露出する。
安定地塊の熱流量が小さいのはなぜ?
地殻が冷えきっていて、火成活動が無いから
地殻の厚さも安定している(アイソスタシーが成り立っている)。
安定地塊に鉄鉱床などの資源が多いのはなぜ?
先カンブリア時代の岩石が広く露出しているため(縞状鉄鉱層など)
古い時代の環境でできた鉱床が地表で採れる。
3. 日本と世界の対比
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋓
日本列島が造山帯であることは、何から言える?
地震・火山活動が活発で、隆起と侵食が速く、新しい変成岩と付加体が分布すること
平坦な安定地塊とは対照的。
アパラチア山脈が低くなだらかなのはなぜ?
古生代の造山運動でできたあと、長く侵食されてきたから
造山帯から安定地塊へ移る途中の姿。
造山帯と安定地塊で、地震の起こり方はどう違う?
造山帯では多く(浅いものから深いものまで)、安定地塊ではまれ
震源分布の図で大陸内部が空白になるのがこれ。
地球の陸地の面積で、安定地塊と造山帯はどちらが広い?
安定地塊のほうが広い
長い地球の歴史で造山運動を終えた場所が積み重なっている。