海水の組成
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (3) ア (イ) ㋐「海洋の構造」。
告示は「海水の組成を理解するとともに,海洋に関する観測資料などに基づいて,水温と塩分の
分布との関係など海洋の構造を理解すること」を求めている。
0. どういう論点か
海水の要点は 「濃さは場所で変わるが、成分の比は変わらない」の 1 点です。
| 場所による違い | |
|---|---|
| 塩分(全体の濃さ) | 変わる(32〜38 ‰ 程度) |
| 主な成分の割合 | ほとんど変わらない(組成の一定性) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- もっとも多い塩は塩化ナトリウム(約 78 %)で、次が塩化マグネシウム
- 塩分が高いのは亜熱帯(蒸発が多い)。赤道直下はむしろ低い(雨が多い)
- 酸素が多いのは表層と、沈み込んだばかりの深層水(中層に少ない)
1. 塩分と組成
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(イ)-㋐
海水の塩分の平均はどれくらい?
約 35 ‰(パーミル、千分率)= 3.5 %
海水 1 kg に約 35 g の塩類が溶けている。
海水に溶けている塩類のうち、もっとも多いものと 2 番目は?
塩化ナトリウム(約 78 %)、塩化マグネシウム(約 10 %)
硫酸マグネシウム・硫酸カルシウムも含む。
海水の「組成の一定性」とは?
塩分(濃さ)は場所によって違っても、主な成分の割合はほぼ一定であること
塩分は電気伝導度の測定で求められる。
組成がほぼ一定なのはなぜ?
海水が長い時間をかけて世界中で混合されているから
塩分の供給と除去のバランスも長期的に安定している。
海水の塩分の起源は?
岩石の風化で陸から運ばれた成分と、火山活動で放出された成分
原始の海はもっと酸性で、岩石を溶かして中和された。
2. 塩分と水温の分布
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(イ)-㋐
塩分は、蒸発と降水のどちらが多いと高くなる?
蒸発が多いほど高くなる(水だけが抜けるため)
降水や河川水の流入は塩分を下げる。
表層の塩分がもっとも高い緯度はどこ?なぜ?
亜熱帯(緯度 20〜30° 付近)。下降気流で乾燥し、蒸発が降水を上回るから
亜熱帯高圧帯の下にあたる。
赤道直下で塩分がやや低いのはなぜ?
降水量が非常に多いから(赤道低圧帯)
蒸発も多いが、雨のほうが勝つ。
極域の表層で塩分が低いのはなぜ?
蒸発が少なく、氷が融けた水や河川水が入るから
ただし海氷ができるときは塩が残されて塩分が上がる。
表面水温の分布は、おおよそ何と平行になる?
緯度(等温線がほぼ緯線に平行)
暖流・寒流のあるところでゆがむ。
3. 海水に溶けている気体
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(イ)-㋐
海水に溶けている気体で、生物に重要なものを 2 つ挙げると?
酸素と二酸化炭素
酸素は呼吸に、二酸化炭素は光合成と炭酸塩の形成に使われる。
海水中の溶存酸素が多いのはどこ?
表層(大気と接し、光合成もある)と、極域で沈み込んだばかりの深層水
中層では生物の分解に使われて少ない。
気体が水に溶ける量は、水温が上がるとどうなる?
減る
だから冷たい高緯度の海は酸素や二酸化炭素を多く溶かせる。
海洋が大気の二酸化炭素に対して果たしている役割は?
大気の二酸化炭素の一部を吸収して蓄える(大きな貯蔵庫になる)
海洋酸性化はこの吸収の裏面。
深い海で炭酸カルシウムの殻が溶けてしまうのはなぜ?
低温・高圧で二酸化炭素が多く、炭酸カルシウムが溶けやすい条件になるから
だから深海の堆積物はケイ酸質(チャートのもと)になる。