海洋の層構造
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (3) ア (イ) ㋐「海洋の構造」。
告示は「海洋に関する観測資料などに基づいて,水温と塩分の分布との関係など海洋の構造を
理解すること」を求めている。
0. どういう論点か
海は深さ方向に 3 層に分かれます。分け方の基準は水温です。
| 層 | 深さ | 水温 |
|---|---|---|
| 表層混合層(表層) | 0〜100 m 程度 | ほぼ一定(波と風で混ざる) |
| 水温躍層(主水温躍層) | 〜1000 m 程度 | 急に下がる |
| 深層 | 1000 m 以深 | 低温でほぼ一定(2 ℃ 前後) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 表層の水温が一定なのは、風と波で混ざるから(太陽に暖められて一定なのではない)
- 水温躍層は密度の壁になり、上下の水が混ざるのを妨げる
- 高緯度では水温躍層がはっきりしない(表層も冷たいため)
1. 3 つの層
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(イ)-㋐
表層混合層とは?なぜ水温がほぼ一定?
海面から数十〜100 m の層。風と波によってよくかき混ぜられているから
季節や海域で厚さが変わる。
水温躍層(主水温躍層)とは?
深さとともに水温が急に下がる層(およそ 100〜1000 m)
暖かい表層と冷たい深層の境目にあたる。
深層の水温はどれくらい?緯度によって大きく違う?
2 ℃ 前後。緯度によらずほぼ一定
深層水は極域で沈んだ冷たい水だから。
水温躍層が「密度の壁」として働くと、何が起こる?
上下の水が混ざりにくくなり、栄養塩が表層に上がってこない
だから低緯度の外洋は生物生産が低い。
高緯度の海で水温躍層が発達しないのはなぜ?
表層も冷たく、深層との水温差が小さいから
上下が混ざりやすい。
夏の海に季節的な水温躍層ができるのはなぜ?
表層だけが強く暖められ、下との差が大きくなるから
冬には冷却と混合で消える。
2. 水温・塩分と密度
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(イ)-㋐
海水の密度は、水温と塩分によってどう変わる?
水温が低いほど、塩分が高いほど大きい
密度が大きい水は沈む。
海水が真水より凍りにくいのはなぜ?
塩分を含むため凝固点が下がる(約 −1.9 ℃)
だから極域でも凍らない海がある。
海水が凍るとき、塩分はどうなる?
氷にはほとんど入らず、残った海水の塩分が高くなる
そのため周囲の海水は重くなって沈む。
密度が大きい水が沈み込む場所はどこ?
グリーンランド沖(北大西洋)と南極周辺
深層循環の出発点になる(→ 海流と海洋の循環)。
水温が同じでも塩分が違えば密度が違う。これが海洋の構造にどう効く?
水塊(同じ水温・塩分をもつ海水のまとまり)ができ、混ざらずに層をなす
水温と塩分の組み合わせで水の来歴が分かる。
3. 海洋の地形と観測
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(イ)-㋐
海洋の平均の深さはどれくらい?陸の平均の高さと比べると?
平均約 3800 m。陸の平均高度(約 840 m)よりはるかに大きい
地球の表面の約 7 割が海。
大陸棚とは?深さはどれくらいまで?
大陸の縁の浅く平らな海底。深さ約 130〜200 m まで
氷期に陸だった部分が含まれる。
海洋底の主な地形を、浅いほうから 4 つ挙げると?
大陸棚・大陸斜面・深海平原・海溝(および海嶺)
海嶺は大洋の中央にある高まり。
海水温の鉛直分布は、どんな観測で調べる?
水温・塩分・深度を同時に測る観測機器(CTD)や、自動で浮き沈みする観測フロート
人工衛星は表面水温と海面の高さを広く測る。
人工衛星で海面の高さを測ると、何が分かる?
海流の位置と強さ(海面の傾きから)、熱の蓄積、エルニーニョの推移
海流は海面をわずかに盛り上げる。