大気中の水分
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (3) ア (ア) ㋐「大気の構造」。
内容の取扱いは「『大気の組成』については、大気中の水分も扱うこと」を求めている。
0. どういう論点か
大気中の水分は、量としてはわずかでも、熱を運ぶ役と天気をつくる役を担います。
| 概念 | 定義 | 何に使うか |
|---|---|---|
| 飽和水蒸気量 | その気温で含みうる水蒸気の最大量 | 雲ができる条件 |
| 相対湿度 | 実際の量 ÷ 飽和水蒸気量 | 空気の湿り具合 |
| 露点 | 冷やしていくと飽和する温度 | 雲ができる高さ |
| 潜熱 | 状態変化で出入りする熱 | 熱の輸送 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 飽和水蒸気量は気温だけで決まる(気圧や湿度ではない)
- 露点は空気が含む水蒸気の量で決まる(気温ではない)
- 凝結すると熱が出る(蒸発は熱を奪う)
1. 飽和と湿度
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(ア)-㋐
飽和水蒸気量とは?何で決まる?
ある気温の空気が含みうる水蒸気の最大量。気温だけで決まる
気温が高いほど大きい。
相対湿度の定義は?
実際の水蒸気量 ÷ その気温の飽和水蒸気量 × 100(%)
水蒸気量が同じでも、気温が上がれば相対湿度は下がる。
露点とは?
空気を冷やしていったとき、水蒸気が飽和して凝結が始まる温度
含んでいる水蒸気の量で決まる。
気温と露点の差が小さいことは、何を意味する?
空気が湿っている(少し冷えれば雲や霧ができる)
差が 0 なら飽和している。
冬に窓の内側がくもるのはなぜ?
室内の空気が冷たい窓に触れて露点以下に冷やされ、水蒸気が凝結するから
同じ原理で霧や雲ができる。
2. 潜熱と水の循環
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(ア)-㋐
蒸発するとき、まわりの熱はどうなる?
奪われる(気化熱=潜熱を吸収する)
だから汗をかくと体が冷える。
水蒸気が凝結するとき、熱はどうなる?
放出される(まわりを暖める)
雲ができると上昇気流がさらに強まる。
潜熱による熱輸送が地球規模で重要なのはなぜ?
低緯度の海で蒸発した水蒸気が運ばれ、凝結した場所で熱を放出するから
熱が場所を移して配られる。
大気中の水蒸気の量が場所によって大きく違うのはなぜ?
気温と、水面(海)からの距離・供給量が違うから
熱帯の海上で多く、極地や砂漠で少ない。
3. 雲と降水
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(ア)-㋐
雲はどうやってできる?
空気が上昇して膨張し、気温が下がって露点に達し、水蒸気が凝結するから
上昇が雲のできる条件。
空気が上昇すると気温が下がるのはなぜ?
まわりの気圧が低いので膨張し、そのぶんエネルギーを使うから(断熱膨張)
熱の出入りが無くても温度が下がる。
凝結が始まるには、水蒸気以外に何が必要?
凝結核(微小な塩の粒やちり)
まったく核が無いと過飽和になる。
雲をつくる粒はどれくらいの大きさ?雨粒とどう違う?
雲粒は直径 0.01 mm ほど、雨粒は 1 mm 前後(体積で 100 万倍)
雲粒が集まらないと降らない。
中緯度で雨が降る主な仕組みは?
氷晶(氷の粒)が水蒸気を集めて成長し、落下しながら融けて雨になる
冷たい雨(氷晶雨)と呼ばれる。
空気が上昇する主な原因を 4 つ挙げると?
①地表の加熱 ②山にぶつかる ③前線で暖気が押し上げられる ④低気圧の中心に収束する
いずれも雲をつくる。
霧と雲の違いは?
でき方は同じで、地表に接しているものを霧という
放射冷却や暖かい空気が冷たい地面に触れてできる。