大気の大循環
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (3) ア (ア) ㋑「大気の運動と気象」。
告示は「大循環と対流による現象及び日本や世界の気象の特徴を理解すること」を求めている。
0. どういう論点か
大循環は 「低緯度で余った熱を高緯度へ運ぶ仕組み」です。
3 つの循環と、その境目にできる気圧帯・風系をセットで覚えます。
| 緯度 | 循環 | 地表の風 | 気圧帯 |
|---|---|---|---|
| 0〜30° | ハドレー循環 | 貿易風(北東貿易風) | 赤道低圧帯・亜熱帯高圧帯 |
| 30〜60° | 間接的な循環(偏西風が担う) | 偏西風(西風) | 亜熱帯高圧帯・亜寒帯低圧帯 |
| 60〜90° | 極循環 | 極東風 | 極高圧帯 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 貿易風は北半球で北東から吹く(「貿易風=東風」まで含めて覚える)
- 偏西風は西から東へ吹く(日本の天気が西から変わる理由)
- 亜熱帯高圧帯は下降気流で乾燥する(砂漠がこの緯度に並ぶ)
1. 風を曲げる力
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(ア)-㋑
気圧の差によって空気が動くとき、まず働く力は?
気圧傾度力(高圧から低圧へ向かう力)
等圧線の間隔がせまいほど強い。
コリオリの力(転向力)とは?向きは?
地球の自転による見かけの力。北半球では運動の向きに対して右へ、南半球では左へ曲げる
赤道上では働かない。
地衡風とは?
気圧傾度力とコリオリの力がつり合って、等圧線に平行に吹く風
上空(摩擦の無いところ)の風がこれに近い。
地表付近の風が等圧線を斜めに横切るのはなぜ?
摩擦力が働くため
低気圧では中心に向かって吹き込む形になる。
北半球の低気圧・高気圧のまわりの風の回り方は?
低気圧は反時計回りに吹き込み、高気圧は時計回りに吹き出す
南半球では逆になる。
2. 3 つの循環と気圧帯
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(ア)-㋑
ハドレー循環とは?
赤道付近で上昇し、緯度 30° 付近で下降する、低緯度の大きな循環
上空では極方向へ、地表では赤道方向へ流れる。
赤道付近で降水量が多いのはなぜ?
強い上昇気流があり、雲ができやすいから(赤道低圧帯)
熱帯収束帯(ITCZ)と呼ばれる。
緯度 20〜30° に砂漠が多いのはなぜ?
亜熱帯高圧帯の下降気流により、乾燥するから
サハラ・アラビア・オーストラリアの砂漠がこの緯度。
貿易風はどの範囲でどの向きに吹く?
低緯度(亜熱帯高圧帯から赤道へ)。北半球では北東、南半球では南東から吹く
コリオリの力で東寄りになる。
偏西風はどの範囲でどの向きに吹く?
中緯度(30〜60°)で、西から東へ
上空では特に強くなる。
極循環とは?地表の風は?
極付近で冷えて下降し、緯度 60° 付近で上昇する循環。地表では極東風
極高圧帯ができる。
緯度 60° 付近(亜寒帯低圧帯)で降水が多いのはなぜ?
暖かい空気と冷たい空気がぶつかって上昇気流が生じるから(前線帯)
温帯低気圧が発生する。
中緯度に「ハドレー循環のような単純な循環」が無いのはなぜ?
地球の自転が速いため、南北の流れが偏西風(東西の流れ)に変わってしまうから
熱の南北輸送は偏西風の波動と低気圧が担う。
3. 大循環がつくる気候と季節変化
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(ア)-㋑
気圧帯は季節によってどう動く?
太陽の高度に合わせて南北に移動する(夏半球側へずれる)
地中海性気候の乾季・雨季はこれによる。
モンスーン(季節風)はなぜ吹く?
大陸と海の暖まりやすさの違いで、季節ごとに気圧配置が逆転するから
夏は海から陸へ、冬は陸から海へ。
大陸と海洋では、暖まりやすさがどう違う?
陸のほうが暖まりやすく冷えやすい(水は比熱が大きく、混ざって熱を分散する)
だから内陸は寒暖の差が大きい。
大気の大循環は、熱の輸送をどれくらい担っている?
低緯度から高緯度への熱輸送の半分以上(残りは海洋が担う)
中緯度では大気の役割が大きい。
熱帯の東風(貿易風)が海に及ぼす影響は?
海水を西へ押し、赤道の海流と西部の暖水域をつくる
エルニーニョはこの風が弱まって起こる。