先カンブリア時代の地球
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (2) ア (イ) ㋒「地球環境の変遷」。
告示は「大気,海洋,大陸及び古生物などの変遷に関する資料に基づいて,地球環境の移り変わりを
総合的に理解すること」を求めている。
0. どういう論点か
地球史の 88 % を占める時代です。覚えるべきは出来事の羅列ではなく、
「大気・海洋・大陸・生物が互いに影響し合って変わった」筋です。
| 起こったこと | 何がそれを示すか |
|---|---|
| 地球の誕生・マグマオーシャン・核の分離 | 隕石の年代、内部構造 |
| 海の誕生(原始大気の水蒸気が雨に) | 最古の堆積岩(約 40 億年前) |
| 光合成生物(シアノバクテリア)の出現 | ストロマトライト |
| 大気中の酸素の増加 | 縞状鉄鉱層 |
| 全球凍結(スノーボールアース) | 氷河堆積物が低緯度にある |
| 真核生物・多細胞生物の出現 | エディアカラ生物群 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 原始大気に酸素はほとんど無かった(二酸化炭素と窒素、水蒸気が主)
- 酸素をつくったのは生物(シアノバクテリアの光合成)
- 縞状鉄鉱層は酸素が増えた証拠(鉄イオンが酸化して沈殿した)
1. 地球の誕生と最初の 10 億年
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋒
地球が誕生したのはいつ?どうやって求められた?
約 46 億年前。隕石の放射年代から求められた
地球最古の岩石より古い年代になる。
マグマオーシャンとは?
微惑星の衝突による熱で、原始地球の表層が溶けた状態
このとき重い鉄が沈んで核ができた。
核とマントルが分かれたのは、何によって?
溶けた状態で密度差により鉄が中心へ沈んだ(重力による分離)
このときに解放された重力エネルギーも熱源になった。
原始大気の主な成分は?
水蒸気と二酸化炭素(と窒素)。酸素はほとんど無い
微惑星から放出された気体からなる。
海はどうやってできた?
地表が冷えて水蒸気が凝結し、大量の雨となって降った
約 40 億年前までにはできていたと考えられる。
できたばかりの海が酸性だったのはなぜ?その後どうなった?
大気の二酸化炭素や塩化水素が溶けたから。岩石を溶かして中和された
溶け出したカルシウムが炭酸塩をつくった。
大気の二酸化炭素が減っていったのはなぜ?
海水に溶けて石灰岩(炭酸塩)として固定され、のちに光合成でも消費されたから
温室効果が弱まり、気温が下がった。
2. 酸素の増加と縞状鉄鉱層
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋒
最初に酸素をつくった生物は?いつごろ?
シアノバクテリア(光合成をする原核生物)。約 27 億年前には栄えていた
ストロマトライトという層状の構造を残した。
ストロマトライトとは?
シアノバクテリアが砂泥を捕らえながら層状に成長してできた構造
現在もオーストラリアの一部で形成されている。
縞状鉄鉱層はどうやってできた?
海水に溶けていた鉄イオンが、光合成で生じた酸素と結びついて酸化鉄として沈殿した
酸素が増えた証拠になる。
縞状鉄鉱層が約 25〜20 億年前に集中するのは何を示す?
その時期に大気と海洋の酸素が大きく増えたこと(大酸化イベント)
鉄が沈殿しつくすと、それ以降は形成されにくくなった。
酸素が増えたことは、生物にどんな影響を与えた?
酸素呼吸をする生物が現れ、効率よくエネルギーを得られるようになった
一方で、酸素は当時の多くの生物には有害だった。
オゾン層ができたのは、何が増えたため?生物にとっての意味は?
大気の酸素が増えたため。紫外線がさえぎられ、後に生物が陸上へ進出できた
上陸は古生代に起こる。
3. 原生代の大陸と全球凍結
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋒
大陸地殻はどのように成長してきた?
沈み込み帯での火成活動(花こう岩質のマグマ)でつくられ、衝突によって集まって大きくなった
古い大陸は安定地塊として残っている。
超大陸とは?先カンブリア時代の例を挙げると?
多くの大陸が集まった 1 つの巨大な大陸。ロディニア(約 10 億年前)
集合と分裂はくり返されてきた。
全球凍結(スノーボールアース)とは?
赤道付近まで氷におおわれた、地球規模の氷河時代
原生代後期(約 7 億年前)などに起こったとされる。
全球凍結が起こったと考えられる証拠は?
当時の低緯度の地域に氷河堆積物があること(古地磁気で緯度が分かる)
氷河が赤道まで届いていたことを示す。
全球凍結からどうやって回復した?
火山活動で放出された二酸化炭素が蓄積し、温室効果で気温が上がった
凍結中は風化が止まり、二酸化炭素が消費されないため。
真核生物が現れたのはいつごろ?
約 20 億年前(原生代)
ミトコンドリアや葉緑体は共生に由来すると考えられている。
エディアカラ生物群とは?
原生代末(約 6 億年前)の、殻をもたない大型の多細胞生物の化石群
硬い殻をもつ動物が現れるのはカンブリア紀から。