侵食・運搬・堆積と地形
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (2) ア (イ) ㋐「地表の変化」。
内容の取扱いは「段丘,陸上及び海底の堆積物も扱うこと」「『地形の形成』については、
土砂災害にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
流水は 削る・運ぶ・積むの 3 つを場所によって切り替えます。
どこでどれが優勢かが地形を決めます。
| 場所 | 優勢な作用 | できる地形 |
|---|---|---|
| 上流(山地) | 侵食 | V 字谷 |
| 山地から平地へ出るところ | 堆積 | 扇状地 |
| 中流〜下流 | 運搬・側方侵食 | 蛇行、自然堤防、氾濫原 |
| 河口 | 堆積 | 三角州 |
| 隆起した川沿い・海岸 | 侵食の再開 | 段丘 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 粒が大きいものほど早く沈むので、河口から遠いほど細かい堆積物になる
- 段丘は「隆起(または海面低下)で侵食が再開した」証拠
- 扇状地は粗く(礫)、三角州は細かい(泥)
1. 侵食と運搬
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋐
侵食とは何?
流水・氷河・風・波が地表を削り取ること
風化でもろくなった岩石が削られやすい。
河川の上流に V 字谷ができるのはなぜ?
流れが速く、下方への侵食(下刻)が強いから
まだ谷底を広げる余裕がない。
運搬される粒子は、大きさによってどう運ばれる?
大きい礫は川底を転がり、砂は跳ねながら、泥は水に浮いたまま運ばれる
流れが速いほど大きな粒を運べる。
氷河が削った谷は、どんな形になる?
U 字谷
氷河は谷底と側面を広く削る。
海岸で波が削ってできる地形を 2 つ挙げると?
海食崖と海食台(波食棚)
崖が後退し、その前面に平らな面が残る。
2. 堆積と堆積物
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋐
粒子が堆積するのは、流れがどうなったとき?
流れが遅くなったとき(運ぶ力が粒の重さに負けたとき)
大きい粒から先に沈む。
陸上の堆積物の例を、粗いものから 3 つ挙げると?
扇状地の礫、氾濫原の砂、後背湿地の泥
流れが弱まるほど細かくなる。
扇状地はどこにできる?どんな堆積物からなる?
山地から平地に出るところ。礫や砂の粗い堆積物
急に流れが緩み、運べなくなった粗い粒が積もる。
三角州はどこにできる?どんな堆積物からなる?
河口(海や湖に流れ込むところ)。砂や泥の細かい堆積物
流れが止まるので細粒のものまで沈む。
海底の堆積物は、陸から遠ざかるとどう変わる?
細かくなる(砂 → 泥)。さらに遠い深海では生物の遺骸が主になる
陸源の粒子が届かなくなる。
深海底にたまる、放散虫や珪藻の遺骸を主とする堆積物を何という?
放散虫軟泥(のちにチャートになる)
炭酸カルシウムの殻は深い海では溶けるため、ケイ酸質が残る。
石灰岩とチャートは、それぞれ何が集まってできた岩石?
石灰岩はサンゴや有孔虫などの炭酸カルシウムの殻、チャートは放散虫などのケイ酸質の殻
どちらも生物起源の堆積岩。
3. 段丘と土砂災害
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋐
段丘は、平らな面と急な崖が階段状に並ぶ地形です。
つくられた理由を説明できることが問われます。
河岸段丘はどうやってできる?
河川の堆積面や侵食面ができたあと、土地の隆起(または海面低下)で侵食が再開し、
新しい谷が刻まれて古い面が高い位置に残る
くり返すと階段状になる。
海岸段丘は何を示す?
その地域が隆起してきたこと(または海面が下がったこと)
かつての海食台が段丘面として残る。
段丘面と段丘崖では、どちらが古い時代のもの?
高い位置の段丘面のほうが古い
隆起が続くほど古い面が高くなる。
段丘の高さと年代が分かると、何が計算できる?
その地域の平均的な隆起速度
たとえば 10 万年で 100 m なら 1 mm/年。
土砂災害の主な種類を 3 つ挙げると?
土石流、地すべり、崖崩れ(斜面崩壊)
豪雨や地震が引き金になる。
土石流はどんな場所で起こりやすい?
急な谷に不安定な土砂がたまっているところ(扇状地の上流)
大量の雨で一気に流れ下る。
地すべりが起こりやすい地質は?
すべりやすい層(泥岩や粘土層、火山灰層)があり、傾斜がゆるい斜面
ゆっくり動き続けることもある。
扇状地や谷の出口に住宅地が広がっている場所で注意すべき災害は?
土石流(土砂災害)
地形そのものが、過去に土砂が流れ出た証拠になっている。