地層の形成と堆積構造
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (2) ア (イ) ㋑「地層の観察」。
告示は「地層に関する野外観察や実験などを行い,地層の形成及び地質時代における地球環境や
地殻変動について理解すること」を求めている。
0. どういう論点か
地層は「下が古い」だけでは読めません。堆積構造という手がかりを使えば、
上下の判定・当時の流れの向き・水深の変化まで読めます。
| 手がかり | 分かること |
|---|---|
| 級化構造(下が粗く上が細かい) | 地層の上下 |
| 斜交葉理(クロスラミナ) | 流れの向き、上下 |
| リプルマーク(漣痕)・底痕 | 流れ、上下 |
| 不整合 | 陸化して侵食された時期があること |
| 粒の粗さの変化 | 水深や海岸線の移動 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 級化構造は「下が粗く、上が細かい」(逆になっていれば地層が逆転している)
- 不整合は「時間の抜け」(地層が無いのではなく、その間の記録が無い)
- 地層の逆転は褶曲や断層で起こるので、累重の法則だけでは判断できない
1. 地層のでき方と累重
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋑
地層累重の法則とは?
地層は下から上へ順に堆積するので、下の地層のほうが古い(逆転がなければ)
ステノが示した基本原理。
地層累重の法則が使えないのはどんな場合?
褶曲や断層で地層が逆転している場合
堆積構造で上下を確かめる必要がある。
層理(成層構造)はなぜできる?
堆積する粒の大きさや種類が、時期によって変わるから
境界が面として残り、縞に見える。
1 枚の地層の厚さは、何を反映する?
その環境で堆積が続いた時間と、供給された堆積物の量
洪水のたびに 1 枚できることもある。
2. 堆積構造を読む
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋑
級化構造(級化層理)とは?
1 枚の地層の中で、下が粗く上へ向かって細かくなる構造
粗い粒が先に沈むためにできる。
級化構造が逆(上が粗い)に見えたら、何が分かる?
その地層が逆転している(褶曲や断層でひっくり返った)
上下判定の決め手になる。
級化構造をつくる代表的な流れは?
混濁流(乱泥流、タービダイト)
海底斜面を一気に流れ下り、粗いものから順に沈む。
斜交葉理(クロスラミナ)から何が分かる?
当時の水の流れの向きと、地層の上下
流れの下流側へ傾いた細い縞ができる。
リプルマーク(漣痕)とは?何を示す?
水底にできた波状の凹凸。流れや波の存在と、地層の上面
砂の表面に残る。
泥岩に見られる乾裂(デシケーションクラック)は何を示す?
水底が一時的に干上がったこと(浅い環境)
割れ目が上に開いた形で残る。
生物の巣穴や足跡(生痕化石)から何が分かる?
当時の生物の活動と、地層の上下・環境
海底が酸素に富んでいたかも読める。
3. 整合・不整合と地殻変動
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋑
整合と不整合の違いは?
整合は堆積が続いた重なり、不整合は途中に侵食(時間の抜け)がある重なり
不整合面はしばしば凹凸をもつ。
不整合ができる順序を説明すると?
①堆積 → ②隆起して陸になり侵食 → ③再び沈降して堆積
上下の地層の間に、失われた時間がある。
不整合面のすぐ上にある、角ばった礫の層を何という?
基底礫岩
侵食された下の地層の破片からできる。
下の地層が傾いていて、上の地層が水平にのっている不整合を何という?
傾斜不整合(非整合)
間に地殻変動(傾動)があったことを示す。
褶曲はどんな力でできる?向きの呼び方は?
押し(圧縮)の力。山の形が背斜、谷の形が向斜
地層が破壊されずに曲がったもの。
地層の中の断層は、地層の新旧の判断にどう使える?
断層に切られている地層は、断層より古い(切るものは切られるものより新しい)
貫入した火成岩も同じ考え方で読む。
地層の重なりから「その場所が沈降していた」と言えるのは、どんな変化が見えるとき?
上へいくほど深い環境の堆積物になっている(礫 → 砂 → 泥)
逆なら浅くなった(隆起または海面低下)。