自然災害の予測と防災
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学基礎」の内容 (2) ア (イ) ㋑「日本の自然環境」。
この科目の最後の論点で、学んだしくみを「備え」に結ぶところにあたる。
0. どういう論点か
自然災害の予測は、現象によってできることの度合いがまったく違います。
「予測できる/できない」の一言で片づけず、どこまでできるかを分けて言えることが大事です。
| 現象 | 予測の度合い |
|---|---|
| 台風・大雨 | 数日前から進路と強さを予測できる |
| 火山の噴火 | 前兆(地震・地殻変動・ガス)をとらえ、ある程度予測できる |
| 地震 | いつ起きるかは予測できない。長期の確率と、発生直後の速報はできる |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 地震の予知(いつ・どこで・どれくらい)は、いまのところできない
- 緊急地震速報は「予知」ではない(起きた地震の P 波から、S 波の到達前に知らせるもの)
- ハザードマップは過去の記録と地形から作られる(未来を当てる地図ではない)
1. 予測できること
根拠: 学習指導要領 地基-(2)-ア-(イ)-㋑
自然災害の予測ができる度合いは、現象によってどう違う?
台風や大雨は数日前から、火山噴火はある程度、地震はいつ起きるかを予測できない
ひとまとめに「予測できる/できない」とは言えない。
気象災害の予測が比較的できるのはなぜ?
大気の状態を広く観測でき、計算によって将来の変化を求められるから
気象衛星・レーダー・数値予報が使われる。
火山の噴火の前兆として観測されるものは?
火山性地震や微動、山体の膨張などの地殻変動、火山ガスの変化
マグマの移動が、地面やガスに現れる。
噴火の危険度を段階で示し、とるべき行動を知らせる仕組みを何という?
噴火警戒レベル
立ち入り規制や避難の判断に結びつけられている。
地震について「予測できること」は何?
長期的な発生確率(この 30 年でどれくらい起きやすいか)
いつ起きるかを言い当てることはできない。
緊急地震速報は、なぜ「予知」ではない?
すでに起きた地震の P 波をとらえ、遅れて届く S 波の前に知らせるものだから
地震が起きる前に知らせているのではない。
緊急地震速報が、震源に近い場所ほど役に立ちにくいのはなぜ?
P 波と S 波の到達の差が小さく、知らせる前に強い揺れが来てしまうから
遠いほど猶予が長くなる。
津波警報が、地震発生からごく短時間で出せるのはなぜ?
震源の位置と規模から、津波の有無と高さを即座に計算しているから
観測を待たずに避難を始められるようにしている。
2. 備える
根拠: 学習指導要領 地基-(2)-ア-(イ)-㋑
予測には限界があるので、「当てること」だけに頼らない備えが要ります。
防災の考え方が「被害をゼロにする」から「被害を小さくする(減災)」へ移ってきたのは、
そのためです。
予測される被害の範囲や避難場所を示した地図を何という?
ハザードマップ
洪水・土砂災害・津波・火山など、災害ごとに作られている。
ハザードマップは、何をもとに作られている?
過去の災害の記録と、その土地の地形・地質
未来を当てる地図ではなく、起こりうることを示す地図。
地形や古い地名から、その土地の災害の履歴が読めることがある。なぜ?
その土地の成り立ちや、過去に起きたことが地形と呼び名に残っているから
低地・埋立地・旧河道などは、被害の出やすさと結びつく。
防災と減災は、どう違う?
防災は被害を防ごうとすること、減災は被害を小さくすることを目指す考え方
すべてを防ぐことはできない、という前提に立つのが減災。
災害に備える取り組みを、3 つの「助」で言うと?
自助・共助・公助
自分で守る、地域で助け合う、行政が担う、の 3 つを組み合わせる。
建物の耐震化が地震対策の中心になるのはなぜ?
地震そのものは防げないが、建物の倒壊による被害は減らせるから
揺れを止めるのではなく、受け止め方を変える。
津波から身を守るために、まず何をすべきとされている?
強い揺れや長い揺れを感じたら、警報を待たずに高い場所へ避難すること
震源が近いと、数分で到達することがある。
地学を学ぶことが防災につながるのは、なぜ?
その土地で何が起こりうるかを、成り立ちから理解できるようになるから
しくみを知ることで、警報や地図の意味が読み取れる。