電池の仕組み
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (2) ア (ア) ㋑「電池」。
解説は「電気エネルギーを取り出す電池の仕組みを酸化還元反応と関連付けて理解させること」を
ねらいとしている。
0. どういう論点か
電池は、酸化還元反応を 2 か所に分けて、電子を導線に通らせる装置です。
同じ容器で直接反応させると熱になるだけなので、わざと引き離すのがポイントです。
| 負極 | 正極 | |
|---|---|---|
| 起きる反応 | 酸化(電子を出す) | 還元(電子を受け取る) |
| イオン化傾向 | 大きいほうの金属 | 小さいほうの金属 |
| 電子の向き | ここから出ていく | ここへ入ってくる |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 電子は負極から正極へ流れ、電流はその逆向き
- イオン化傾向が大きいほうが負極(溶けるほう)
- 電池の「正極・負極」と、電気分解の「陽極・陰極」は別の言葉
1. 電池の基本
根拠: 学習指導要領 化学-(2)-ア-(ア)-㋑
電池とは、何を何に変える装置か?
化学エネルギーを電気エネルギーに変える装置
自発的に進む酸化還元反応を使う。
電池で酸化反応が起きるのは、正極と負極のどちら?
負極
電子を放出する側が負極になる。
電子は、電池の外部回路をどちら向きに流れる?
負極から正極へ
電流の向きはその逆(正極から負極へ)。
2 種類の金属を電解質水溶液に入れたとき、負極になるのはどちら?
イオン化傾向の大きいほう
溶けてイオンになりやすい金属が電子を出す。
電池の両極間に生じる電位差を何という?
起電力
2 つの金属のイオン化傾向の差が大きいほど、大きくなる。
2. ダニエル電池
根拠: 学習指導要領 化学-(2)-ア-(ア)-㋑
化学基礎でも扱いましたが、ここでは素焼き板(隔膜)の役割まで問われます。
2 つの溶液を分けつつ、イオンだけは通す——これが無いと電池が続きません。
ダニエル電池の負極と正極は、それぞれ何か?
負極:亜鉛 Zn、正極:銅 Cu
亜鉛のほうがイオン化傾向が大きい。
ダニエル電池の負極で起きる反応を式で書くと?
Zn → Zn²⁺ + 2e⁻
亜鉛板が溶けて細くなる。
ダニエル電池の正極で起きる反応を式で書くと?
Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu
銅板に銅が析出して太くなる。
ダニエル電池の素焼き板は何のためにあるか?
2 つの溶液が混ざるのを防ぎつつ、イオンを通して電気的な偏りをなくすため
これが無いと、すぐに電荷の偏りができて電流が流れなくなる。
ダニエル電池を長く使うには、両極の溶液の濃度をどうしておくとよい?
硫酸亜鉛水溶液は薄く、硫酸銅(Ⅱ)水溶液は濃くする
負極側では Zn²⁺ が増え、正極側では Cu²⁺ が減っていくため。
3. ボルタ電池と分極
根拠: 学習指導要領 化学-(2)-ア-(ア)-㋑
ボルタ電池の構成は?
負極:亜鉛、正極:銅、電解液:希硫酸
2 つの金属を同じ溶液に入れた、最も単純な形。
ボルタ電池の正極で起きる反応は?
2H⁺ + 2e⁻ → H₂
銅そのものは変化せず、水素が発生する。
ボルタ電池の起電力がすぐ下がるのはなぜ?
正極に発生した水素が付着して、反応を妨げるから
この現象を分極という。
分極を防ぐために加える物質を何という?
減極剤(酸化剤)
発生した水素を酸化して水に変え、付着を防ぐ。