気体の製法と性質
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (3) ア (ア) ㋐「典型元素」。
告示は「典型元素の性質が周期表に基づいて整理できることを理解すること」を求めている。
族ごとに扱った気体を、製法・捕集・乾燥の観点で横に並べ直す。
0. どういう論点か
族ごとに覚えた気体を、実験の手順から見直す回です。
個別に暗記するのではなく、3 つの分かれ目で仕分けると覚える量が減ります。
| 分かれ目 | 見るところ |
|---|---|
| 捕集法 | 水に溶けるか → 溶けなければ水上置換。溶けるなら空気より重いか |
| 乾燥剤 | 気体と乾燥剤が反応しないか(酸性気体に塩基性乾燥剤は不可) |
| 製法の型 | 弱酸・弱塩基の遊離/揮発性の酸の遊離/酸化還元 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 上方置換で集めるのはアンモニアだけ(水に溶けて空気より軽い気体)
- 塩基性の気体(NH₃)に濃硫酸・塩化カルシウムは使えない
- 塩素の乾燥に濃硫酸は使えるが、ソーダ石灰は使えない(酸性の気体)
1. 捕集法の決め方
根拠: 学習指導要領 化学-(3)-ア-(ア)-㋐
水上置換で集められるのはどんな気体?
水に溶けにくい気体
H₂・O₂・N₂・NO・CO・CH₄ など。純粋に集めやすい。
下方置換で集めるのはどんな気体?
水に溶けて、空気より重い気体
Cl₂・CO₂・NO₂・HCl・SO₂・H₂S など。
上方置換で集める気体は?
アンモニアだけ(高校で扱う範囲では)
水によく溶け、空気より軽い。
水上置換で集めた気体に必ず混ざっているものは?
水蒸気
物質量を計算するときは、飽和水蒸気圧を全圧から引く。
2. 乾燥剤の選び方
根拠: 学習指導要領 化学-(3)-ア-(ア)-㋐
乾燥剤を選ぶときの原則は?
その気体と反応しないものを選ぶ
酸性の気体には酸性・中性の乾燥剤、塩基性の気体には塩基性の乾燥剤。
濃硫酸で乾燥できない気体は?
アンモニア(塩基性の気体)
酸と塩基で反応してしまう。
ソーダ石灰で乾燥できない気体は?
塩素・二酸化炭素・塩化水素・二酸化硫黄などの酸性の気体
ソーダ石灰は塩基性の乾燥剤。
塩化カルシウムで乾燥できない気体は?
アンモニア
塩化カルシウムはアンモニアと化合物をつくってしまう。
アンモニアの乾燥に使えるのは?
ソーダ石灰
塩基性の乾燥剤なので反応しない。
3. 製法の型で覚える
根拠: 学習指導要領 化学-(3)-ア-(ア)-㋐
同じ型の反応が何度も出てきます。「弱いものは強いものに追い出される」が基本です。
弱酸の遊離を使って作る気体の例は?
二酸化炭素・硫化水素・二酸化硫黄
弱酸の塩に強酸(希塩酸・希硫酸)を加える。
弱塩基の遊離を使って作る気体は?
アンモニア
塩化アンモニウム(弱塩基の塩)に水酸化カルシウム(強塩基)を加えて加熱する。
揮発性の酸の遊離を使って作る気体は?
塩化水素・フッ化水素
塩に不揮発性の濃硫酸を加えて加熱する。
酸化還元反応で作る気体の例は?
塩素(酸化マンガン(Ⅳ)+濃塩酸)・酸素(過酸化水素+酸化マンガン(Ⅳ))
酸化剤と還元剤の組合せで考える。
水素を実験室で作るには?
亜鉛や鉄に希硫酸(または希塩酸)を加える
イオン化傾向が水素より大きい金属を使う。
色のついた気体を 2 つ挙げると?
塩素(黄緑)・二酸化窒素(赤褐)
オゾンは淡青色、フッ素は淡黄色。
刺激臭ではなく腐卵臭がする気体は?
硫化水素
塩素・塩化水素・二酸化硫黄・アンモニアは刺激臭。