コロイド溶液
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (1) ア (イ) ㋑「溶液とその性質」。
内容の取扱いは「コロイド溶液も扱うこと」を求めており、解説はチンダル現象、ブラウン運動、
透析、電気泳動などを扱い、疎水コロイド・親水コロイド・保護コロイドにも触れるとしている。
0. どういう論点か
ふつうの溶液より大きな粒子(直径 10⁻⁹〜10⁻⁷ m 程度)が散らばったものがコロイド溶液です。
大きいので、光を散らす・半透膜を通れないという、溶液には無い性質が出ます。
| 性質 | 何が見えるか | 理由 |
|---|---|---|
| チンダル現象 | 光の道筋が見える | 粒子が大きく、光を散乱する |
| ブラウン運動 | 粒子が不規則に動く | 溶媒分子が不規則に衝突する |
| 透析 | 小さいイオンだけ外へ出る | 半透膜を通れない |
| 電気泳動 | 一方の極へ集まる | 粒子が電荷を帯びている |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 疎水コロイドは凝析(少量の電解質)、親水コロイドは塩析(多量の電解質)
- 凝析に効くのは、コロイドと反対符号で価数の大きいイオン
- 保護コロイドは、疎水コロイドを親水コロイドで包んで沈まなくするもの
1. コロイドの性質
根拠: 学習指導要領 化学-(1)-ア-(イ)-㋑
コロイド溶液に横から光を当てると、光の道筋が見える現象を何という?
チンダル現象
コロイド粒子が大きく、光を散乱するために起こる。
限外顕微鏡でコロイド粒子を見ると、不規則に動いている。この運動を何という?
ブラウン運動
熱運動している溶媒分子が、不規則に衝突するために起こる。
半透膜を使って、コロイド溶液から小さなイオンや分子を取り除く操作を何という?
透析
コロイド粒子は半透膜を通れず、イオンだけが外へ出ていく。
コロイド溶液に直流電圧をかけると、粒子が一方の極へ移動する。これを何という?
電気泳動
コロイド粒子が電荷を帯びている証拠になる。
コロイド粒子はろ紙を通るか。半透膜は通るか?
ろ紙は通るが、半透膜は通らない
大きさがその中間にあたる。
2. 疎水コロイドと親水コロイド
根拠: 学習指導要領 化学-(1)-ア-(イ)-㋑
少量の電解質を加えると沈殿するコロイドを何という?またその操作は?
疎水コロイド、操作は凝析
水との親和性が小さく、電荷の反発だけで分散している。
多量の電解質を加えて初めて沈殿するコロイドを何という?またその操作は?
親水コロイド、操作は塩析
多数の水分子が水和しているので、まずその水を奪う必要がある。
凝析に効果が大きいのは、どんなイオン?
コロイド粒子と反対符号で、価数の大きいイオン
負のコロイドには Al³⁺ が Na⁺ よりずっとよく効く。
疎水コロイドに親水コロイドを加えて沈殿しにくくしたものを何という?
保護コロイド
墨汁のにかわ、インクのゼラチンなどがその例。
豆乳ににがりを加えて豆腐ができるのは、どの操作にあたる?
塩析(タンパク質は親水コロイド)
多量の電解質で水和水が奪われ、粒子どうしが集まる。
河口に三角州ができるのは、どの現象で説明できる?
凝析
川の粘土(疎水コロイド)が、海水中の電解質で集まって沈む。
3. コロイドの種類と見分け
根拠: 学習指導要領 化学-(1)-ア-(イ)-㋑
流動性のあるコロイドと、固まったコロイドをそれぞれ何という?
ゾルとゲル
ゼラチン水溶液(ゾル)を冷やすとゼリー(ゲル)になる。
ゲルを乾燥させたものを何という?例は?
キセロゲル
シリカゲル・寒天・高野豆腐など。
コロイド溶液が沸点上昇・凝固点降下をほとんど示さないのはなぜ?
粒子が大きく、同じ質量でも粒子の数がきわめて少ないから
これらの現象は粒子の数で決まる。
塩化鉄(Ⅲ)水溶液を沸騰水に加えると得られる赤褐色のコロイドは?
水酸化鉄(Ⅲ)のコロイド
代表的な疎水コロイドで、正に帯電している。