金属と金属結合
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学基礎」の内容 (2) ア (イ) ㋒「金属と金属結合」。
内容の取扱いは「代表的な金属を扱い、その用途にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
金属の性質は、すべて自由電子から説明できます。
覚えるのではなく、1 つの原因から 3 つの性質を引き出すのが正しい形です。
| 性質 | 自由電子でどう説明するか |
|---|---|
| 電気・熱をよく通す | 自由電子が動いて電気や熱を運ぶ |
| 金属光沢がある | 自由電子が光を反射する |
| 展性・延性がある | 原子の位置がずれても、自由電子が結合を保つ |
引っかけの分かれ目は次の 2 つ。
- イオン結晶は「ずれると割れる」、金属は「ずれても保つ」(同じ「ずれ」で結果が逆)
- 金属は固体のままで電気を通す(イオン結晶は溶かさないと通さない)
1. 金属結合と自由電子
根拠: 学習指導要領 化基-(2)-ア-(イ)-㋒
金属元素の原子どうしを結び付けている結合を何という?
金属結合
価電子が特定の原子に固定されず、全体で共有される。
金属中を自由に動き回る電子を何という?
自由電子
もとは各原子の価電子。金属の性質のほとんどがこれで説明できる。
金属が電気や熱をよく通すのはなぜ?
自由電子が動いて電気や熱を運ぶから
イオン結晶が固体で電気を通さないのは、動ける電子やイオンがないため。
金属に光沢があるのはなぜ?
自由電子が光を反射するから
みがくとよく光る(金属光沢)。
金属をたたくと広がり、引っぱると細く伸びる。この 2 つの性質を何という?
展性(たたくと広がる)と延性(引くと伸びる)
原子の位置がずれても自由電子が結合を保つため、割れずに変形できる。
イオン結晶は割れやすいのに、金属は変形できる。この違いは何から来る?
イオン結晶はずれると同符号のイオンが接して反発するが、金属は自由電子が結合を保つから
同じ「ずれ」に対して結果が逆になる。
金属結晶は電気を通すか。水に溶かす必要はあるか?
固体のまま通す。水に溶かす必要はない
自由電子がすでに動けるため。
2. 代表的な金属と用途
根拠: 学習指導要領 化基-(2)-ア-(イ)-㋒
鉄の用途と、性質上の弱点は?
建築・機械・鉄道など構造材に広く使う。弱点はさびやすいこと
生産量が最も多い金属。
アルミニウムの性質と用途は?
密度が小さく(軽く)さびにくい。缶・窓枠・アルミ箔・航空機
表面の酸化被膜が内部を守る。
銅の性質と用途は?
電気・熱をよく通し、延性が大きい。電線・調理器具・硬貨
熱伝導もよいため鍋にも使われる。
金や銀が装飾品や電子部品に使われるのはなぜ?
さびにくく(反応しにくく)、光沢があり、延性・展性が大きいから
銀は電気伝導性が最も高い。
水銀が他の金属と違う点は?
常温で液体である(金属で唯一)
温度計などに使われてきたが、毒性のため用途は限られている。
2 種類以上の金属などを混ぜてつくった材料を何という?例を 2 つ挙げると?
合金。ステンレス鋼(鉄・クロム・ニッケル)・黄銅(銅・亜鉛)
もとの金属より強く、さびにくくできる。
ステンレス鋼がさびにくいのはなぜ?
表面にクロムの緻密な酸化被膜ができて、内部が保護されるから
鉄そのままとの違いはここ。
アルミニウムの単体を得るのに大量の電気が必要なのはなぜ?
アルミニウムはイオンになりやすく、酸化物から取り出すのに電気分解(溶融塩電解)が必要だから
リサイクルすれば、そのエネルギーを大幅に節約できる。