酸化と還元
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学基礎」の内容 (3) ア (イ) ㋑「酸化と還元」。
酸化と還元が電子の授受によることを理解することが求められている。
0. どういう論点か
酸化と還元は、同じ 1 つの反応を両側から見たものです。言い方が 3 通りあります。
| 酸化された | 還元された | |
|---|---|---|
| 酸素で言うと | 酸素と結び付いた | 酸素を失った |
| 水素で言うと | 水素を失った | 水素と結び付いた |
| 電子で言うと | 電子を失った | 電子を受け取った |
| 酸化数で言うと | 酸化数が増えた | 酸化数が減った |
電子での言い方がいちばん広く使えます(酸素も水素も出てこない反応があるため)。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 酸化と還元は必ず同時に起こる(電子を失うものがあれば、受け取るものがある)
- 電子を失う=酸化される(受け取るのが還元。逆に覚えやすい)
- 酸化数は「増えたら酸化」(数の増減と名前の対応をそろえる)
1. 3 つの言い方
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(イ)-㋑
酸素と結び付く変化と、酸素を失う変化をそれぞれ何という?
酸化(結び付く)と還元(失う)
もっとも古い定義。
水素で言うと、酸化・還元はそれぞれどんな変化?
酸化は水素を失う変化、還元は水素と結び付く変化
酸素の定義と逆向きに対応している。
電子で言うと、酸化・還元はそれぞれどんな変化?
酸化は電子を失う変化、還元は電子を受け取る変化
これがもっとも広く使える定義。
酸化と還元は別々に起こるか?
必ず同時に起こる(酸化還元反応)
一方が失った電子を、他方が受け取るため。
銅を空気中で加熱すると黒くなる。銅はどうなったか?
酸化された(酸素と結び付いて酸化銅(Ⅱ) CuO になった)
2Cu + O₂ → 2CuO。
酸化銅(Ⅱ)を水素と反応させると銅になる。酸化銅と水素はそれぞれどうなったか?
酸化銅は還元された(酸素を失った)、水素は酸化された(酸素と結び付いた)
CuO + H₂ → Cu + H₂O。同時に起こっている。
2. 酸化数
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(イ)-㋑
酸化数は何のために使う?
酸化・還元が起こったかどうかを、原子ごとに数で判定するため
増えれば酸化、減れば還元。
単体の原子の酸化数は?
0
H₂・O₂・Cu・Fe などの原子はすべて 0。
化合物中の水素と酸素の酸化数は、ふつういくつ?
水素は +1、酸素は −2
過酸化水素の酸素(−1)などは例外。
単原子イオンの酸化数は?
イオンの価数(符号も含めた値)
Na⁺ は +1、Cl⁻ は −1、Ca²⁺ は +2。
化合物全体・イオン全体の酸化数の合計は?
化合物は 0、イオンはその価数に等しい
これを使って、分からない原子の酸化数を逆算する。
H₂SO₄ の硫黄の酸化数は?
+6
H が +1 × 2、O が −2 × 4、合計 0 になるので (+2) + S + (−8) = 0。
酸化数が増えた原子・減った原子は、それぞれどうなったといえる?
増えた原子は酸化された、減った原子は還元された
酸素や水素が出入りしない反応でも判定できる。
反応の前後で酸化数が変わらない反応は、酸化還元反応か?
酸化還元反応ではない
中和反応がその例(H⁺ と OH⁻ が結び付くだけで、電子の授受がない)。