中和反応と塩
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学基礎」の内容 (3) ア (イ) ㋐「酸・塩基と中和」。
内容の取扱いは、中和反応に関与する物質の量的関係を扱い、「中和反応」については
生成する塩の性質にも触れることを求めている。
0. どういう論点か
中和の本体は H⁺ + OH⁻ → H₂O の 1 本です。量的関係もここから出ます。
酸が出した H⁺ の物質量 = 塩基が出した OH⁻ の物質量
(酸の価数 × 濃度 × 体積 = 塩基の価数 × 濃度 × 体積)
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 中和の量的関係に電離度は関係しない(弱酸でも、最後には全部が中和に使われる)
- 塩の名前と水溶液の性質は別(「正塩」でも中性とは限らない)
- 水溶液の性質は、もとの酸と塩基の強弱で決まる(強いほうの性質が出る)
1. 中和反応
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(イ)-㋐
酸と塩基が反応して、互いの性質を打ち消し合う反応を何という?
中和(中和反応)
水と塩ができる。
中和反応の本質を、イオン反応式で書くと?
H⁺ + OH⁻ → H₂O
どの酸と塩基の組み合わせでも、中和の本体はこれ。
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和の化学反応式は?
HCl + NaOH → NaCl + H₂O
水と塩(塩化ナトリウム)ができる。
中和でできる、酸の陰イオンと塩基の陽イオンからなる物質を何という?
塩(えん)
「塩」は食塩のことだけを指すのではない。
硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和では、何ができる?
硫酸バリウム BaSO₄(白色沈殿)と水
H₂SO₄ + Ba(OH)₂ → BaSO₄ + 2H₂O。
2. 中和の量的関係
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(イ)-㋐
ちょうど中和するとき、何と何が等しくなる?
酸が出した H⁺ の物質量と、塩基が出した OH⁻ の物質量
これが中和の計算の出発点。
中和の量的関係を式で書くと?
酸の価数 × 酸の濃度 × 酸の体積 = 塩基の価数 × 塩基の濃度 × 塩基の体積
価数をかけ忘れるのが最も多い誤り。
中和の量的関係に、酸や塩基の強弱(電離度)は関係するか?
関係しない
弱酸でも、中和が進むにつれて電離し、最後には出せる H⁺ をすべて出すため。
0.10 mol/L の塩酸 10 mL をちょうど中和するのに必要な 0.10 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液は何 mL?
10 mL
どちらも 1 価で同じ濃度なので、体積も等しくなる。
0.10 mol/L の硫酸 10 mL を中和するのに必要な 0.10 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液は何 mL?
20 mL
硫酸は 2 価なので、H⁺ は 2 倍出る。
3. 塩の分類と水溶液の性質
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(イ)-㋐
塩は化学式の上でどう分類される?
正塩(H も OH も残っていない)・酸性塩(H が残っている)・塩基性塩(OH が残っている)
NaCl は正塩、NaHSO₄ は酸性塩、MgCl(OH) は塩基性塩。
「酸性塩」の水溶液は必ず酸性か?
必ずではない
炭酸水素ナトリウム NaHCO₃ は酸性塩だが、水溶液は塩基性を示す。名前と液性は別。
塩の水溶液が何性になるかは、何で決まる?
もとの酸と塩基の強弱
強酸 + 強塩基なら中性、強酸 + 弱塩基なら酸性、弱酸 + 強塩基なら塩基性。
塩化ナトリウム水溶液が中性であるのはなぜ?
強酸(塩酸)と強塩基(水酸化ナトリウム)からできた塩だから
どちらの性質も残らない。
酢酸ナトリウム水溶液が塩基性を示すのはなぜ?
弱酸(酢酸)と強塩基(水酸化ナトリウム)からできた塩なので、強いほうの性質が残るから
弱酸の陰イオンが水から H⁺ を受け取る(加水分解する)。
塩化アンモニウム水溶液が酸性を示すのはなぜ?
強酸(塩酸)と弱塩基(アンモニア)からできた塩なので、強酸の性質が残るから
強いほうが勝つ、と覚える。