九州地方
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 地理的分野 C 日本の様々な地域 (3) 日本の諸地域 ア (ア)(イ)。考察の仕方は ①「自然環境を中核とした考察の仕方」。
0. どういう論点か
九州地方は火山と温暖な気候を中核にして見ます。
火山は災害をもたらす一方で、温泉・地熱という恵みにもなり、火山灰が積もったシラス台地では稲作ができないので畑作と畜産が発達しました。
暖かい気候は、冬でも野菜を育てる促成栽培を可能にし、南の南西諸島では台風や亜熱帯の自然に合わせた暮らしを生んでいます。
「自然環境 → 農業・暮らし・観光」というつながりで見ると、ばらばらの事実が一本になります。
| 地域 | 自然の条件 | そこから生まれたもの |
|---|---|---|
| 北部(筑紫平野) | 平らで水が得やすい | 稲作と麦の二毛作 |
| 南部(シラス台地) | 火山灰で水はけがよすぎる | 畑作(さつまいも・茶)と畜産 |
| 宮崎平野 | 冬も暖かい | ピーマン・きゅうりの促成栽培 |
| 南西諸島・沖縄 | 亜熱帯・台風が多い | さとうきび・観光・台風に備えた家 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- シラス台地は「水はけがよすぎて」稲作に向かない(水が多すぎるのではない)
- 促成栽培は出荷を早める、抑制栽培は遅らせる(宮崎・高知は促成)
- 北九州工業地域は石炭と鉄鋼で始まり、いまは自動車や IC(地元の石炭が出発点)
1. 火山と共に生きる
根拠: 学習指導要領 地-C-(3)-ア-(イ)
九州には活動の盛んな火山がいくつもあります。噴火は災害になりますが、同じ火山が温泉や地熱という資源にもなっています。
熊本県にある、噴火でできた大きなくぼ地(カルデラ)を持つ火山は?
阿蘇山
カルデラの中に田畑や町があり、人が暮らしている。
鹿児島湾にあり、たびたび噴火して周りの町に火山灰を降らせる火山は?
桜島
鹿児島市では、降った灰を集めるための専用の袋が配られるなど、灰と付き合う暮らしがある。
長崎県の雲仙岳が 1990 年代に噴火したとき、大きな被害を出した、高温の火山灰や岩が斜面を高速で流れ下る現象は?
火砕流
これを教訓に、火山の危険な範囲を示すハザードマップの整備が進んだ。
火山の地下の熱を利用して電気をつくる発電を何という?九州ではどこで盛ん?
地熱発電
大分県などで行われている。天候に左右されない、再生可能エネルギーの一つ。
2. シラス台地と南九州の農業
根拠: 学習指導要領 地-C-(3)-ア-(イ)
九州南部に広がる、火山の噴出物が厚く積もってできた台地を何という?
シラス台地
鹿児島県から宮崎県南部に広がる。
シラス台地で稲作が難しかったのはなぜか?
水はけがよすぎて、水田に水をためられないから
雨水がすぐしみこんでしまう。そのため、さつまいもや茶などの畑作が中心になった。
シラス台地で、ダムや用水路の整備のあとに盛んになった、豚・肉牛・鶏を育てる農業は?
畜産
鹿児島県・宮崎県は全国有数の畜産の産地。えさを輸入に頼る点が課題になる。
宮崎平野で、冬でも暖かい気候を生かし、ビニールハウスでピーマンやきゅうりを育てて早く出荷する栽培方法は?
促成栽培
ほかの産地の出荷が少なく値段の高い時期に出荷できる。出荷を遅らせる「抑制栽培」と取り違えない。
九州北部の筑紫平野で行われている、同じ耕地で米を収穫したあとに麦をつくる農業は?
二毛作
同じ作物を年に 2 回つくる「二期作」とは違う。
3. 南西諸島と沖縄の暮らし
根拠: 学習指導要領 地-C-(3)-ア-(ア)
沖縄県はかつて琉球王国という独立した国で、中国や東南アジアとの貿易で栄えました。首里城はその王国の城です。
沖縄の伝統的な家に見られる、石垣で囲み、屋根を低くして瓦をしっくいで固めるくふうは、何に備えたものか?
台風(の強い風)
最近の住宅でもコンクリート造りにしたり、屋上に貯水タンクを置いたりしている(川が短く水不足になりやすいため)。
沖縄の島々の周りの浅い海に広がる、美しい景観をつくり観光資源にもなっている地形は?
さんご礁
赤土の流出や海水温の上昇による白化で傷むことが課題になっている。
沖縄島の面積のかなりの部分を占め、騒音や事故などで住民の生活に影響を与えている施設は?
アメリカ軍の基地(施設)
日本にあるアメリカ軍の専用施設の多くが沖縄県に集中している。
4. 九州の工業と環境
根拠: 学習指導要領 地-C-(3)-ア-(ア)
1901 年に操業を始め、北九州工業地域の出発点になった官営の工場は?
八幡製鉄所
近くの筑豊炭田の石炭と、中国から輸入した鉄鉱石を使った。
熊本県の水俣湾周辺で、化学工場が流したメチル水銀(有機水銀)によって起きた公害病は?
水俣病
四大公害病の一つ。水俣市はその反省から、環境を守るまちづくりに取り組んでいる。
九州に集積回路(IC)の工場が多く集まったことから付けられた、九州の呼び名は?
シリコンアイランド
IC は小さく軽くて高価なので、空港や高速道路の近くに工場が立地した。