ヨーロッパ州
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 地理的分野 B 世界の様々な地域 (2) 世界の諸地域 ア (イ) ②『ヨーロッパ』(地球的課題は同じ ア の (ア))。
0. どういう論点か
ヨーロッパの大部分は日本より北(高緯度)にありますが、冬は意外に暖かい地域が多くあります。
大西洋を流れる暖流(北大西洋海流)の上を通った偏西風が、暖かさを陸まで運んでくるからです。
南の地中海沿岸は、夏に雨が少なく乾燥する別の気候になり、この気候の違いが農業の違いになります。
もう一つの筋は統合です。多くの国が EU にまとまり、人・物・お金が国境をこえて動くようになりました。
その結果、豊かな西側と、あとから加わった東側の差がはっきり見えるようになったのが、ヨーロッパの地球的課題です。
| 地域(おおまか) | 言語のまとまり | 多いキリスト教の宗派 |
|---|---|---|
| 北西部 | ゲルマン系(英語・ドイツ語など) | プロテスタント |
| 南部 | ラテン系(フランス語・イタリア語・スペイン語など) | カトリック |
| 東部 | スラブ系(ロシア語・ポーランド語など) | 正教会(ポーランドなどはカトリック) |
| 農業 | 中身 | 見られる地域 |
|---|---|---|
| 混合農業 | 小麦などの穀物と飼料作物の栽培+豚や牛の飼育 | フランス・ドイツなど |
| 酪農 | 乳牛を飼い、牛乳・チーズ・バターをつくる | 北海沿岸・アルプス周辺 |
| 地中海式農業 | 夏にオリーブ・ぶどう・オレンジ類、冬に小麦 | 地中海沿岸 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 冬が暖かいのは暖流と偏西風の組み合わせ(どちらか一方だけではない)
- 地中海性気候は夏に乾燥して冬に雨が降る(日本の夏の雨と逆)
- EU の加盟国すべてがユーロを使っているわけではない
1. 自然環境
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(イ)-②
ヨーロッパの西部が、高緯度のわりに冬も温暖なのは、どの海流とどの風の働きによるか?
北大西洋海流(暖流)と偏西風
暖流で暖められた空気を、西から吹く偏西風が陸へ運ぶ。この気候を西岸海洋性気候という。
ヨーロッパ南部の地中海沿岸に広がる、夏は乾燥し、冬に雨が多い気候は?
地中海性気候
夏の乾燥に強いオリーブやぶどうの栽培に向く。
スカンディナビア半島の西岸などに見られる、氷河に削られた谷に海水が入りこんでできた、奥行きの深い入り江は?
フィヨルド
入り口が狭く奥が深い。三陸海岸などのリアス海岸は、川が削った谷が沈んでできたもので別物。
ライン川のように、複数の国を流れ、条約によって外国の船も自由に行き来できる川を何という?
国際河川
内陸の工業地域と北海沿岸の港を結ぶ輸送路として使われてきた。
2. 人々の生活と文化
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(イ)-②
ヨーロッパの北西部で信仰する人が多い、キリスト教の宗派は?
プロテスタント
南部はカトリック、東部は正教会が多い。
フランス語・イタリア語・スペイン語は、どの言語のまとまりに属するか?
ラテン系言語
主にヨーロッパ南部で話される。北西部はゲルマン系、東部はスラブ系。
ロシア語やポーランド語など、ヨーロッパ東部で多く話される言語のまとまりは?
スラブ系言語
英語・ドイツ語はゲルマン系、フランス語・スペイン語はラテン系。
3. 産業(農業・鉱工業)
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(イ)-②
小麦などの穀物や飼料作物の栽培と、豚や牛などの家畜の飼育を組み合わせた農業は?
混合農業
フランスやドイツなど、ヨーロッパの中部から西部に広く見られる。
乳牛を飼い、牛乳やチーズ・バターなどの乳製品をつくる農業は?
酪農
夏でも涼しく、穀物が育ちにくい北海沿岸やアルプスの周辺で盛ん。
夏にはオリーブやぶどう、オレンジ類を、雨の降る冬には小麦を栽培する農業は?
地中海式農業
夏の乾燥に強い果樹と、冬の雨を使う小麦を組み合わせる。
EU の複数の国の企業が部品を分担して生産し、フランスのトゥールーズなどで組み立てている工業製品の代表例は?
航空機
国境をこえた分業ができるのは、EU の中で物の行き来が自由だから。
4. 他地域との結び付き
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(イ)-②
ヨーロッパの国々が、政治や経済の統合をめざして 1993 年に発足させた組織は?
EU(ヨーロッパ連合)
前身は EC(ヨーロッパ共同体)。加盟国の間では関税をなくし、人や物の行き来を自由にしている。
EU の多くの加盟国で使われている共通の通貨は?
ユーロ
両替なしで国をこえて買い物や取引ができる。加盟していても使っていない国がある。
2020 年に EU を離脱した国は?
イギリス
国民投票(2016 年)で離脱を選んだ。
5. 地球的課題 — EU の統合と域内の格差
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(ア)、地-B-(2)-ア-(イ)-②
2004 年以降、東ヨーロッパの国々が次々に EU に加わりました。
国境をこえて自由に動けるという統合の特色があるからこそ、工場は賃金の安い東へ、
働く人は賃金の高い西へ動き、格差が人や企業の移動として目に見えるかたちで現れます。
EU の中で、西ヨーロッパの国々と東ヨーロッパの国々の間に見られる問題は?
経済格差(賃金や所得の差)
豊かな国が多く負担し、貧しい地域を支える補助金のあり方も加盟国の間で議論になる。
東ヨーロッパの国々が EU に加わったあと、西ヨーロッパの企業が工場を東ヨーロッパに移したのはなぜか?
賃金が安く、働き手を集めやすいから
反対に、東ヨーロッパからは高い賃金を求めて西ヨーロッパへ働きに出る人が増えた。