アジア州
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 地理的分野 B 世界の様々な地域 (2) 世界の諸地域 ア (イ) ①『アジア』(地球的課題は同じ ア の (ア))。
0. どういう論点か
アジアの東・東南・南の部分は、季節風(モンスーン)が雨を運びます。
雨が多いので稲作ができ、米は同じ面積で多くの人を養えるので、昔から人口が集まりました。
一方、西アジアや中央アジアは季節風が届かず乾燥していて、暮らしも産業もまったく違います。
人が多いことは働き手が多いことでもあり、20 世紀の終わりから外国企業が工場を建てて工業化が一気に進みました。
ただし発展は一様ではなく、豊かになった地域と取り残された地域の差がアジアの地球的課題になります。
| 取り違えやすい組 | 見分け方 |
|---|---|
| 二期作 / 二毛作 | 同じ作物(米)を年 2 回 / 違う作物を年 2 回(米のあとに麦など) |
| 経済特区 / 西部大開発 | 沿海部に外国企業を呼び込む地区 / 遅れた内陸部を開発する政策 |
| 季節風の夏 / 冬 | 海から湿った風(雨季) / 大陸から乾いた風(乾季) |
| 華北 / 華中・華南(中国) | 小麦などの畑作が中心 / 稲作が中心 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 季節風は夏に海から、冬に大陸から吹く(向きを逆にしない)
- 二期作は同じ作物を 2 回(違う作物なら二毛作)
- 中国の工業化は沿海部から始まったので、格差は「沿海部と内陸部」の間に出る
1. 自然環境
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(イ)-①
夏と冬で向きが変わり、東・東南・南アジアに雨季と乾季をもたらす風は?
季節風(モンスーン)
夏は海から湿った風が吹いて雨季に、冬は大陸から乾いた風が吹いて乾季になる。
インドと中国(チベット)の間に連なり、世界で最も高い山エベレスト(チョモランマ)がある山脈は?
ヒマラヤ山脈
南アジアと東アジアを分ける壁になっていて、季節風の雨もこの山脈の南側に多く降る。
中国の南部で稲作が盛んな地域を流れ、東シナ海に注ぐ大河は?
長江
北を流れる黄河の流域は雨が少なく、小麦などの畑作が中心。南の稲作・北の畑作と覚える。
2. 人々の生活と文化
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(イ)-①
アジアは宗教の分布が国ごとに違います。インドネシア・マレーシアはイスラム教、タイは仏教、
フィリピンはキリスト教(カトリック)、インドはヒンドゥー教を信仰する人が多い、とおおまかに押さえます。
インドで多くの人が信仰し、牛を神聖なものとして牛肉を食べない宗教は?
ヒンドゥー教
仏教もインドで生まれたが、いまのインドで信仰する人は少ない。
東南アジアのインドネシアで、多くの人が信仰している宗教は?
イスラム教
同じ東南アジアでも、タイは仏教、フィリピンはキリスト教の人が多い。
中国の人口の大部分を占める民族は?
漢民族
ほかに 50 をこえる少数民族が暮らし、西部や内陸部に多い。
3. 産業(農業・鉱工業)
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(イ)-①
中国が 1979 年以降、外国の企業や技術を呼び込むために沿海部に設けた地区は?
経済特区
シェンチェン(深圳)などが代表。税を安くするなどの優遇で外国企業の工場を集めた。
東南アジアなどで植民地時代に開かれた、天然ゴムや油やし、バナナなどを輸出向けに大規模に栽培する農園は?
プランテーション
ヨーロッパの国々が開き、独立後も輸出品を生む農園として続いている。
東南アジアの雨の多い地域で見られる、同じ田で 1 年に 2 回米を作ることを何という?
二期作
違う作物(米と麦など)を 1 年に 2 回作るのは二毛作。
インドの南部を中心に発展した、英語を話せる技術者が多いことを生かした産業は?
ICT(情報通信技術)関連産業
ベンガルールが中心。アメリカと昼夜が逆になる時差も生かし、仕事を引き継いで進められる。
西アジアのペルシア湾岸で豊富に産出し、この地域の国々の大きな収入源になっている資源は?
石油(原油)
産油国は OPEC(石油輸出国機構)をつくり、生産量や価格に影響力を持とうとしてきた。
4. 他地域との結び付き
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(イ)-①
日本の企業も、賃金が安く働き手の多い東南アジアや中国に工場を多く移してきました。
部品や製品がアジアの国々の間を行き来し、アジアの中の結び付きが強まっています。
東南アジアの国々が、経済や政治、安全保障で協力するためにつくっている組織は?
ASEAN(東南アジア諸国連合)
加盟国の間で関税を下げ、貿易を盛んにする取り組みを進めている。
5. 地球的課題 — 人口の増加と経済発展の格差
根拠: 学習指導要領 地-B-(2)-ア-(ア)、地-B-(2)-ア-(イ)-①
季節風が生んだ人口の多さと、沿海部から始まった工業化というアジアの地域的特色が、
課題の現れ方を決めています。人口が急に増えれば食料や住まいが足りなくなり、
工業化が一部の地域だけで進めば地域の間の差が広がります。
人口の増加を抑えるため、中国が 1979 年ごろから進め、2015 年に廃止を決めた政策は?
一人っ子政策
人口の増加は抑えられた一方で、急速な高齢化や働き手の減少という別の問題を生んだ。
中国で、工業化の進んだ沿海部と、内陸部の間に広がった問題は?
経済格差(収入の差)
内陸の農村から沿海部の都市へ、多くの人が仕事を求めて出かせぎに出るようになった。
沿海部との格差を縮めるため、中国が 2000 年ごろから進めている内陸部の開発政策は?
西部大開発
道路・鉄道・発電所などを整え、内陸部に産業を育てようとしている。
南アジアや東南アジアの大都市で、仕事を求めて農村から人が流れ込み、上下水道や住宅が整わないまま人が集まって暮らす地区を何という?
スラム
都市の人口が急に増え、住まいや生活の基盤づくりが追いつかないために生まれる。